【環 境】マクニカと奥村組 遮水シート一体型ペロブスカイト太陽電池の実証試験開始
2025.12.25 00:55
マクニカと奥村組は「遮水シート一体型ペロブスカイト太陽電池」を試験用の盛土斜面に設置し、斜面内への雨水の浸透を抑制することで斜面崩壊を未然に防ぐ防災機能と、太陽光発電を同時に実現する実証実験を開始した。ペロブスカイト太陽電池(以下PSC)の発電性能および耐久性の検証を行う。
2050年カーボンニュートラルの実現に向け、再生可能エネルギーの導入拡大が課題となっている。その中でも太陽光発電は重要な役割を担うと期待されているが、導入可能な適地が限られていることが障壁となっている。くわえて、日本は山地が多い地形であるため、近年の豪雨や地震により斜面災害が頻発している。その主な要因は、降雨の浸透による地盤の軟弱化である。斜面に対する防災対策は講じられているものの、法面などは広大な面積を有しながらも未活用地として残されている。
マクニカと奥村組は、薄型・軽量かつ柔軟なフィルム状というPSCの特長を最大限に活かし、遮水シートと一体化したPSCを開発した。傾斜地や湾曲地への設置性を有するとともに、遮水シートとの一体化による防災性の向上と発電機能の両立を可能とする。
両社は今回の実証試験を通じて、これまで未活用であった道路法面や道路側面の盛土斜面などへのPSC導入の可能性を検証し、防災機能を備えた再生可能エネルギー供給地としての活用を目指す。
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