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地域おこし協力隊 卒業まであと1ヶ月 〜私と協力隊〜【後編】

2019.03.05 07:51

知覧茶イベント「隣のお茶は、青い」ちょっとした裏話

連続記事を書いています。

地域おこし協力隊での活動総まとめ、今回は【後編】。

前回の記事はこちら ↓

茶業専門の課への異動をしたのが、2018年10月のこと。

そこから卒業までの半年間のカウントダウンが始まった。

異動前から少し動きはじめていたプロジェクトがあった。

それは、「隣のお茶は、青い」という知覧茶のクローズドイベントの企画運営である。


このイベント、簡単にいうと「お見合いイベント」である。

茶業のプロの方たちに”知覧茶に惚れてもらおう”というプロジェクトであって、知覧茶という”女性”をいかに輝かせるか、が勝負。


なので、知覧茶を美しく魅せるためにはプロの「デザイン」の力が必要で、

今回イベントをつくるにあたっては、同じく地域おこし協力隊でもあるデザイナーの仲間に助けを求めた。

そもそも、知覧茶の中身のポテンシャルはスゴイ。

中身を知れば、誰もが惚れてくれるだろう、と思う。(ここには自信がある。)


それゆえに、そのポテンシャルを体感してもらうことが一番重要であって、

体感するまでに、最大限に気持ちを高めることが重要。

素敵な空間においてちょっとだけ良い意味で”酔う”ことも大事なのかも、と思っていた。

こうして、ちょっと”ほろ酔い”できそうな、ステキ空間は、茶産地に移住をしてきたデザイナーたちの手で創り上げられた。茶の枝をふんだんにつかった空間づくりは、来場者のみなさんのハートをぐっとつかんだ、(と勝手に思っている。笑)

そしてハートをつかむ秘密兵器「プレミアム冊子」もつくってもらい、

初めて知覧茶のプロ向けの冊子を整えることができた。



2月18日に東京・原宿で実施したイベント。その内容は、いたってシンプル。

生産者のトークイベントの後、みんなで交流、そして知覧茶の試飲。

消費地から遠く離れた土地で暮らす「生産者」と、東京で第一線を走る、日本茶界の「ニューリーダー」の方たちとが交流することで、はじめてスタート地点に立てると信じていた。


今回、ご招待したのは日本茶カフェやレストランを営むオーナーさんたち12組。

「生産者さんの話は面白い」「今まで持っていた素朴な疑問が解決できた!」

と、生産者との交流を通して、”学び”を得られたという感想を多数いただいた。


「生産者が語る言葉の力はすごい。」

改めてそう感じさせられた。魅力の源はここだったんだ、と。


過去に多種多様なイベントを企画運営してきたが、今回ほど時間をかけたイベントはない。

加えて、普段は一人で考え、壁にぶつかっても相談できる相手もいないのだが、

今回は、いつも「仲間」がいた。

自分ひとりでできることなんて、せいぜい知れてるな、と思うのだ。

着想して設計して、そしてコーディネート(調整)して…、形にはなかなか残らない。

でも、仲間の力があれば「形に残すこと」ができる。なんてステキなんだろう。

行政事業を担いながら、民間手法で、地域の仲間たちと、理想とする形をつくることができた。

過去に失敗事例といわれた協力隊が、ほんの少し光を浴びた瞬間だったと思う。



全国で色々と語られる「地域おこし協力隊」。

前編でも書いたが、私は異例の「行政どっぷり協力隊」だった。

卒業前に取り組んだこのイベントは、

行政案件を民間手法でトライすることができた、これが最初で最後の、

そして私にとっては唯一無二の協力隊としての成果だった。

タイミング、場所、そして仲間…色々と条件が合致した結果だったと思う。

何度もいうが、ひとりではなし得ないことだった。


そんな、ひとりでは”微力”な私が、協力隊を卒業して、

この道で独立をすることになった。

やりたいこと、想いは十分。でも、そうそう無理はできない身体であるゆえに、

まずは農家さんの「ウラカタ」から、腰を据えてじっくりやってみようと思う。


裏と表と両方の世界を行き来しながら、

ちょっとずつ新しい事業にも取り組みたいと思っている。

特に目新しいわけでも、斬新なわけではない。

でも、他の業界では当たり前にできていることが、まだ整えられていないのが茶業界。

少しは私の異業種の視点が役に立つかもしれない。


大したことじゃない、ちょっとした事業。

それでいい、それがいい。

背伸びしすぎない、無理しすぎないスタイルで、ぼちぼちと歩いていきたい。