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「宇田川源流」 「発表!2025年読者が選んだ日本10大ニュース」より

2025.12.28 22:00

「宇田川源流」 「発表!2025年読者が選んだ日本10大ニュース」より


 今年もこの季節になった。今日と明日は、毎年年末恒例の読売新聞の「10大ニュース」の内容を見て、今年を振り返ろうという企画である。一応、読売新聞社の知り合いには、こんなことをやっているということを伝えてあり、とくにおとがめも何もなく、まあ、「黙認」というような感じになっているので、現在も毎年行っている。

それにしても今年はさまざまなことのあった年であった。石破内閣、トランプ大統領の誕生と関税、関西万博、そして日本初の女性総理である高市内閣の発足など、様々なことがありまた、社会的な問題ではやはり「熊」であろうか。そのようなニュースの中から読売新聞の読者が選んだ10大ニュースを見てみよう。

<参考記事>

発表!2025年読者が選んだ日本10大ニュース

2025/12/18 05:20 読売新聞

https://www.yomiuri.co.jp/feature/top10news/20251217-GYT8T00181/

<以上参考記事>

 さて、簡単にベスト20を上げてみる。

1位 大阪・関西万博が開幕 17,865(79.7%)

2位 クマ襲撃相次ぐ 「緊急銃猟」開始 17,417(77.7%)

3位 自民党総裁選で高市早苗氏勝利、初の女性首相に 17,297(77.1%)

4位 コメ価格高騰、政府備蓄米の放出発表 16,028(71.5%)

5位 大谷、山本、佐々木が活躍 ドジャース連覇 14,096(62.9%)

6位 読売巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さん死去 14,032(62.6%)

7位 埼玉県八潮市で道路陥没、トラック転落で男性死亡 10,117(45.1%)

8位 ノーベル賞日本人2人が選ばれる 8,637(38.5%)

9位 参院選で自公が過半数割れ 7,586(33.8%)

10位 今夏の平均気温最高に 6,949(31.0%)

11位 イチロー氏、米殿堂入り 6,719(30.0%)

12位 性加害問題でフジテレビの会長と社長が引責辞任 6,693(29.9%)

13位 「国宝」興収100億円突破 実写邦画22年ぶり 6,451(28.8%)

14位 公明が連立政権から離脱表明 維新が連立合意 5,776(25.8%)

15位 日経平均株価 初の5万円台 5,676(25.3%)

16位 旧統一教会に解散命令 4,238(18.9%)

17位 岩手県大船渡市で大規模な山林火災 4,109(18.3%)

18位 アサヒビール一時生産停止 サイバー攻撃 3,479(15.5%)

19位 石破首相退陣表明 3,255(14.5%)

20位 「ニンテンドースイッチ2」発売 3,134(14.0%)

 

率直に言って日本初の女性総理大臣(3位)よりも「万博」(1位)と「熊」(2位)が上にあるということが、日本の平和を物語っているのではないか。それに「ノーベル賞受賞」(8位)よりも「長嶋茂雄の死去」(6位)、そしてそのミスタープロ野球のニュースよりも「大谷・山本・佐々木の活躍」(5位)という事の方が上にあるということに時代を感じる。

さてニュースというのは、「普段と違うこと」がニュースになる。毎日していることなどはまったくニュース価値はない。もちろん交通事故や窃盗事件も普段と違うのであるが、もう一つのニュースの要件というのは、「社会的な影響力」とくに「普段の生活が変わる人がどれくらい多いか」ということになるのであろう。

その様に考えれば、万博や熊で生活が変わったり社会的な良さ(万博)や不安(熊)を感じたり、またはそのことを身近に感じたり、万博に行ったりということなどの方が、女性初の総理大臣という永田町の事よりも影響力もニュース性も大きかったということなのであろう。政治などは誰がやっても同じというような感覚もあるしまた、高市首相になっても日本はそれほど変わらないというようなことが大きいのではないか。この辺が、「お祭り好き」の日本人や「熊の危険性」ということも非常に大きいのであると感じることも少なくないのではないか。

さて、政治があまり注目されていないというのは、、20位までに政治のネタが3つ、それも高市内閣発足が3位だが、参議院選挙での自民党の過半数割れ(9位)に石破首相の退陣補油名とそのごたごたの50日は19位である。この他に、野党などは全く入っていないし、関税交渉も全く入っていない。政治が「最もつまらない」と国民に思われた一年であったのかもしれない。政治が身近ではなくなった、ということなのであろう。

このことは、ノーベル賞にも同じことが言えて、当然にノーベル賞を受賞した北川進さんと坂口志文さんもすごいし、素晴らしい功績なのであるが、日本人がノーベル賞を授賞することも、徐々に普通になってきたのではないかというような気がする。大変失礼な言い方であるが、ある意味でオリンピックの金メダルとノーベル賞が徐々に肩を並べる価値観になってきているような気がするのである。そのことよりも、やはり人気者でありプロ野球観戦という日本の文化を作った長嶋茂雄氏の死の方が、ニュース価値が高く、そのような過去の人よりも、大谷や山本や佐々木の方が「今の人」にはインパクトが強かったということである。

長嶋茂雄氏に関しては、私でも監督時代の方が印象が強い。3歳か4歳の時に長嶋茂雄の引退試合をテレビで見ていたことはよく覚えているのであるが、その全盛期は全くわかっていないのである。その私も50代半ばであるのだから、多くの人からすれば、やはり若い現役世代の方が印象があるということになるのであろう。このようなニュースを見ていると、ある意味で時代の流れを感じる。いつまでも古い価値観でいてはいけないということを感じるのである。

それにしても「生活に関連する」という事件や出来事が多かった。万博はイベントだから別にしても、「熊」(2位)「米」(4位)「道路陥没」(この後道路工事が多くなったことを含めて:7位)、「暑い夏」(10位)、と10位までに4つもある。それも米も暑い夏も昨年からの継続問題である。それだけ「身近なこと」が大きなニュースになったということなのではないか。ある意味で「生活」が中心になってしまって「国」や「世界」への興味がだんだんと薄れてきているとすれば、なんとなく悲しい感じがするのは私だけであろうか。視野を広く盛って夢を持つことが重要であり、そうではない人が増えてしまうと、どうしても社会は閉塞してしまう。政治もメディアも、もっと国民が夢を持てるように様々な明るいニュースを出す必要があるのであろう。その様にできていないことが、非常に大きな問題であるとしか考えられない。

さて、来年こそは明るい夢の持てるニュースを期待してみたい。