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Baby教室シオ

提案『餅の種類で精査力と記憶力を』

2025.12.29 00:00

今年最後の提案記事になります。来年は子供達に精査力と記憶力を結びつけた力を、そして何事にも粘り強く取り組むことを身に付けてほしいとも考えています。よってはれの日に属することの多く、行事育に登場する数々の餅の種類を取り上げ精査力・記憶力・総合的に行事、粘り強さを育んでほしいと考えます。ご家庭の中に行事が浸透していない場合や言語に対する関心が希薄である場合、乳児期からの熟視が促されていない場合、活発すぎて注意力が働かない場合など精査する力が獲得できていない場合が圧倒的に多いと感じています。来年はこの二つの強化をご家庭でも実施していただきたく思いますので、今回は簡単にできる行事に関する餅の種類を精査する力を身に付ける方法を提案してまいります。

精査と記憶をする方法は7つあります。以下の七つのステップを丁寧に繰り返し実行することで、精査力と記憶力は上書きが行われ精査力・記憶力・総合的な結び付け・行事育ができあがります。丸暗記をさせればいいのではないかというご意見もたまに耳にしますが、丸暗記は早い段階で忘れ、思考の反復も行われないためかなり残念な労多くして功少なしという結果になりがちです。では早速これらの方法を提示してまいります。


1、見た目の形を捉える(観察型)

餅には様々な形があります。丸いもの、菱形、葉の形、円錐、俵形など視覚認知に優れている子供達にとっては形から入ることがまず第一歩目です。この形から入ることは図形の認知にも繋がり観察力も定着するので見立て遊びや積み木遊び・粘土やその他の工作力などにも応用する事ができます。




2、見た目の形から説明する(観察型)

よく子供達が混同して覚えられないのが鏡餅とお月見団子です。これは餅の形を丸い形をひらぺったくし2段重ね鏡餅と、小さく丸めた餅を重ねて摘んでいくお月見団子という視覚精査ができていれば混同することはないのですが、大概三方の上に載っている鏡餅とお月見団子を見ると精査力のない、記憶力が弱い場合は混同してしまいます。それを定着させるのが親の言葉掛けとなります。例えばお正月ですから鏡餅を見ながら質問形式で進めます。もちろんそのためには親御さんが鏡餅にはどのようないわれがあるのかを知っておく必要があり、親御さんのそのような努力無しに子供に努力を求めるのは如何なものかと思いますのでしっかりと学んでおきましょう。では例として質問パターンをいくつか記しておきます。

「鏡餅はどうして丸い形だと思う?」「餅が2つあるのはなぜかな?」「上にのってるみかん、何色?」その質問の後で、餅が丸い形なのは昔の鏡と同じ形で心がまんまる、けんかしないなどの意味があること、2段重ねなのは家族みんなが重なって支え合うこと、みかんの橙色は「代々(だいだい)」と家族が続くようにとの意味があるなど簡潔に少しずつ教えます。

9月のお月見についても「お月見団子はなぜ小さく丸めているんだと思う?」「どうして小さな黄色いお団子を上にのせるんだろう?」など質問をして、共に調べるということを行なっても良いでしょう。



3、 一緒に実行して覚える(体験型)

餅は行事に関係している事が多いため行事のタイミングを逃すと実行する機会がなく1年過ごす事になります。餅を作るのがハードルが高い感じるのであれば、市販のものを購入して飾るということから始めることもできます。つまり子供達は『絵に描いた餅』を理解するよりも実際に行動を起こすことで多くのことを学んでいきます。その他にも鏡餅などの絵を描いて「ここにお願いごとを書こう」や鏡開きの日に「ありがとう」と言って食べることを付け加えても良いでしょう。できれば鏡餅は「飾って終わり」ではなく、「感謝して食べる」までがセットだと伝えると心に残ります。ちなみに31日の手仕事は実際に鏡餅を作る記事になっています。労力はかかりますがやってみるのも良いかと思います。上の写真はお花見団子で3色の色には意味があります。その意味も理解しながらお団子を作ってみることで日本の食文化には自然が取り込まれていることを理解する事にも繋がります。



4、 物語風に説明する

我が家では子供が小さい頃から行事育を実践してきました。それはやはり沖縄には無い日本の行事を子供にどのように伝承させるべきかを考えていたところから始まっています。文化圏の大きく異なる者同士が結婚したからには、両方の文化を持たせた方が豊かに暮らせると導き出したからです。がしかし2歳で言葉を覚え始めた子供にどう伝えるべきかと絵本も買いましたが、当時は今ほど小さい子供向けの行事絵本も乏しく、あっても小学校中学年以上でなければ理解が難しいものばかりでした。そこで捻り出したのが我が母が行っていた口伝えの物語です。

「もう直ぐお正月。年神様がお空から大掃除を終えて鏡餅を飾っている家はないかと探しておりました。ですがどの家もまだまだお掃除中です。諦めて帰ろうとすると、潮塩田さん家の子供が鏡餅をせっせと運んで床間に飾ろうとしていました。すると鏡餅の上にのせていた橙色のみかんが、コロコロと何度も落ちて床間にたどり着けません。その様子を焦ったく思った年神様はみかんを拾いに降りて行くことにしました。すると塩田さんちの子供達はびっくりしすぎて、2段の鏡餅も全部おっことしてしまいました。すると年神様がに「何しよるん、ぬーしちょーが、なにしとーと、そんなんあかんやろ、」と口々に地方の言葉で注意をしてきました。」

という具合で物語風に面白おかしく子供達の氏名を入れ込んで物語を作っていったのです。すると鏡餅はお正月にやってくる“年神さま”っていう神さまへのプレゼントであり、丸いおもちが2つ重なっているのは去年の自分と今年の自分が仲よく繋がるという意味やみかん(だいだい)がのっているのは家族がずっとつづきますようにとのお願いごとであることなどを子供はイメージしやすくなります。この方法は効果覿面だったので皆さんも行なってみてください。



5、質問を受ける思考の生み出し

子供たちの中には好奇心や関心ごとが次から次へとわて出てくる子供もいますし、そのような「なぜ、どうして」という発達時期を迎えることもあります。そのタイミングにしっかりと向き合う事ができれば、子供たちの思考力や好奇心、関心が大きく成長することもできます。お母様方によくお話をするのですが、この時期やそれぞれのお子さんの疑問には答えられなかったりうやむやにせず共に調べることを行うようにお伝えしています。またできれなオープンエンドの素行が長く続くような声掛けもすべきだと考えます。

例えば「どうして鏡餅は丸いの?」と質問されたら「それはね、けんかしないで心がまるくなるようにだよ」、「ねぇ食べていいの?』と聞かれたら「そうだよ、神さまから元気をもらうために食べるんだよ。でも今は年神様が座っているから神様が帰った後に食べようね。その餅をいただくことをなんていうのか調べてみようか」と伝えてもいいでしょう。そして最後に必ず付け加えて欲しいのが、「昔の人も、今の私たちと同じで家族のしあわせを願ってたんだね」と古くから日本人が大切にしてきたこの行事を次の世代にバトンが受け継がれるよう子供の頃から種まきをしておくことを忘れないようにと考えます。




6、絵本を活用する

行事に関することは一気に子供たちの中に浸透するのは大変難しいことであり、私は毎年行事で少しずついろいろな経験や体験を通して心を育て体も育て知識も育んでいくものだと考えています。ですから絵本を活用する前に必ず今回提案した『1、見た目の形を捉える(観察型)『2、見た目の形から説明する(観察型)』『③ 一緒に実行して覚える(体験型)』『4、 物語風に説明する』を行ってから絵本を活用すると子供たちの心が動きやすいと感じています。なぜなら行事育に関する内容は見えない世界の話も多く、また心の中で思い感じ願うことが圧倒的に多いものなので、視覚優位で思考力が未熟な子供達に物語の由来などを理解するにはハードルがかなり高いのです。ですが先に記した段階を経ていけば早い段階で理解が進みます。そうなってから絵本を活用するとまた新たな視点で子供たちの精査力・記憶力・思考力など総合的な成長が望めると確信しています。




7、行事別クイズ

1年に1度しか訪れないそれぞれの行事ですが、得たものを忘れないようにするためには行事別クイズを実行することがアウトプットによる記憶定着と思い出し作業になります。みなさんインプットとアウトプットの重要性を認知されていないことも多いように感じますが、とにかくアウトプットが重要なのです。インプットだけだと「分かったつもり」になりやすく、少し形を変えるとわからなくなります。ですがアウトプットをすると理解があいまいな所に気づけたり、記憶に残りやすくなり、また本当に使える知識になる効果があります。少し例題がずれてしまいますが年末、横式の繰り上がり計算ができきるようになった生徒さんが、横式から筆算式に形式を変えただけで答えが導き出せない事に陥ってしまいました。これはペーパー上での視覚認知だけのインプットに頼って、頭の中で自在に数字をイメージできていない事が原因です。つまり一つの方法に頼りすぎると丸覚えに近い状態になるので、いつでもどこでも口頭で実行できるクイズ形式はどの学びにも活用すべき方法です。いろいろなアウトプットを実践する必要がありますが、クイズを楽しむという方法もかなり効果が上がります。

さて餅にまつわるクイズを挙げておきましょう。「家族が元気でいられるお正月に飾る餅はなに?」「春に食べるお餅で蓬を練り込んだ邪気を払う意味をもつお餅はなんでしょうか?」「地域によって関東風(長命寺)と関西風(道明寺)という名前のつくもちはなぁに?(答え桜餅)」「家系が途絶えないという意味を持つ葉でこどもの日に食べる餅は何?(答え柏餅)」などと餅クイズで楽しんでみてください。

子供に行事にまつわることをわかりやすく伝えるには、いきなり難しい言葉を使うのはきちにでは不向きです。今回は『餅』を切り口に形から入ることや体験と結びつけ、物語を楽しみ、質問やクイズ形式で精査力や記憶力などを育んでいくこと提案しました。行事に関することは日本人がどのような思いを込め、見えないものを敬い尊び、それらを形にしてきた類い稀なる伝承文化です。知らなくても生きていける、知る事に意味を感じない、なんの役に立つの?面倒だという意見もおありでしょう。または知らないとだめなの?という不安をお抱えになる方もおありでしょう。しかし海外生活を経験し多くの外国人と接した私の感覚では、特に欧米諸国の外国人が日本人に対する奥深いリスペクトを持つ理由は、この行事育ににこそ隠されている一面があると痛感しています。ぜひこの文化力の高い行事育を通して精査力と記憶力それらに関するさまざまな力を獲得して欲しいと考え、年内最後の提案記事の締めくくりといたします。