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12/28 「お祝い」 三浦 遙 牧師  聖句:マタイ2:1-12

2025.12.28 01:20

 クリスマスの物語に登場する東方の占星術学者たち。異国からわざわざわ星の便りのみでイエスの誕生を祝いにやってきます。東方の学者達の登場と救い主誕生の知らせは当時ユダヤを治めていたヘロデ王、そしてエルサレムの人々にとって喜びの知らせではなく、不安を抱かせるものとして描かれていきます。救い主は世界の全てを支配し、神の国という統一国家を樹立する偉大な指導者としてのイメージが当時の人々にはありました。救い主の誕生は、戦争の始まりを予感させ、ヘロデ王や宗教指導者達にとっては権力の失墜、立場の剥奪を意味するものとなるからです。そんな不安とは対極的に描かれるのが羊飼い達のような低くされた人々であったことも忘れてはなりません。

 しかし、今回登場する学者達は異国からの礼拝者であり、救い主の本質を知らせる存在として描かれていました。学者らがイエスに贈った3つの品。黄金、乳香、没薬。黄金は当時から高価なもので、王を象徴とするものです。乳香は樹液で、礼拝の際にお香として使われていました。救い主であるイエスは、人々を王として導かれる指導者であり、祭司として神と人とを繋げる存在であることが示されていきます。しかし、没薬は葬儀の際に遺体の防腐剤として使われた樹液です。誕生プレゼントに相応しくない不吉さを感じるものですが、これは旧約聖書にて「救い主は苦しみながら最期を迎える」という「苦難の僕」の予言を思い起こさせるものとして登場します。

 マタイ福音書では旧約の預言の実現が重要なものとして描かれていきます。それは、旧約の歩みの中で成し得なかった神様と人との良い関わりをイエスが実践し、実現してくださるという慰めと導きを与えるものです。星の導きという微かな光を頼りに救い主の元を訪れ、祝福した異国の学者達。そしてイエスの誕生の出来事の中にある喜びと悲しみの様子は、今の私たちの歩みにおいても物事をしっかり見つめ、悲しみの中にある希望と喜びを見出すように語りかけてくださるものです。それは、星の輝きのように、見上げようとする者にしか見えない、神の導きが示されている。そしてクリスマスツリーの天辺に飾られる星が、そのことを思い起こすように今も輝いているのです。救い主の誕生を心から祝った人々の姿から、私たちも喜びを受け、この祝いの出来事をより多くの人と分かち合っていくことが出来ますように。