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稗田利明のエンタメワールド

ABEMAが変えた2025年のアニメ視聴体験 稗田利明

2025.12.30 00:00

こんにちは、稗田利明です!

2025年、アニメ視聴の主流は地上波から配信へと完全にシフトした。その中で際立った存在感を見せたのが「ABEMA」だ。TVerなどが公式配信を拡大する一方、ABEMAは独自戦略でユーザーを惹きつけ、“単なる配信”を超えたエンターテインメント体験を築き上げた。

第一の特徴は、常に最新作を網羅した豊富なラインナップである。『薬屋のひとりごと』や『光が死んだ夏』など話題作を各クールごとに配信し、無料視聴をきっかけに多くの視聴者を呼び込んだ。また、視聴データを活用したランキングやジャンル別分析を積極的に公表し、10代からコアなアニメファンまで、多層的なニーズに応えるプラットフォームへと進化している。

さらに注目すべきは、オンラインとオフラインを融合した施策だ。『声優と夜あそび』など生放送番組による日常的なライブ感に加え、9月に開催された「ABEMAアニメ祭」では、渋谷全体を巻き込むイベントとして6万人超を動員。配信と現場の熱気を連動させることで、一体型のアニメ文化空間を作り出した。

また、ABEMA特有のコメント機能や24時間チャンネルによる“擬似リアルタイム視聴”も強みだ。『SPY×FAMILY』や『ゆるキャン△』など人気シリーズがいつでも流れる環境は、従来のオンデマンドとは異なり「とりあえずABEMAをつけておく」という新しい視聴習慣を生み出している。

年末には300作品を一挙無料配信する大型企画も実施。最新作から名作までを網羅し、年末年始を通じてファンの“ながら視聴”や“イッキ見”需要を満たした。こうしてABEMAは、オンラインの利便性とオフラインの熱狂を循環させることで、アニメ視聴体験を再定義している。2026年以降、この流れが日本のアニメ文化をどこへ導くのか、今後の展開に期待が高まっている。