個人のお客様のイラスト仕事を受けられない理由
2024.06.06 04:57
ご依頼やそのご好意は大変嬉しいのですが、どうしても受けられない理由があります。
[ 作業面 ]
普段のイラストのお仕事
一般的にはイラストの発注先のお客様がいて僕とその間にプロデューサーやディレクターそしてデザイナーがいます。最低でも僕の他に2人が関わるケースがほとんどです。
- プロデューサーやディレクターがお客様の要望を聞いて、スケジュール管理や作るものを決める。
- デザイナーが僕の描いたイラストをポスターや広告、商品にデザインレイアウトする。そして量産するなら工場へ入稿する。
個人のお客様の場合
全てイラストを描く僕が自身がやらないといけないので。労力としては三倍くらいの労力がかかります。そして一般的にお客様とコミュニケーションをしてくれる人がいないためミスコミュニケーションが発生しトラブルが多く発生します。
[ メリット・デメリット ]
対企業、主なメリット
- 目的、コンセプトが明確で描くものに迷いや時間のロスが少ない。
- 手厚いフォロー(高いレベルでのコミュニケーション、スケジュール管理)がある。
- デザイナーによるデザインによりイラストがそのもの以上によく見える。
- ブランド知名度による僕自身のプロモーション効果が期待できる。
対個人、主なデメリット
- ミスコミュニケーションによるトラブルにより、その後の個人的な関係性が壊れる恐れあり(経験あり)
- デザインやイラストやプロダクトのベースの知識をもってらっしゃらない場合が多いためコミュニケーションに時間がかかってしまうことが多い。
- 例えば最終的なものが僕も同じように販売している商品だった場合、値付けが僕の方の商品にも影響を与える危険。
- 「自由にしてください」というオーダーが多いですが、それは僕にとって嬉しいわけではなく、目的コンセプトなど本来僕の仕事ではない部分まで僕が考えなくてはならず時間が非常にかかります。
- 僕自身のプロモーション効果は期待できず、小さいお仕事をやった作家というネガティブ事例になってしまう場合が多い。
- イラストはデザインと違い、専門知識不要で誰でも良い悪い、好き嫌いが言えてしまうので発注はプロのデザイナーでも苦労するジャンルです。
[ 事例 ]
かなり以前の事例ですが、10万円であるお店の象徴となるイラストを描かせていただきましたが、お客様としては僕がいつも描いているような単なるイラストに10万円「も」お支払いしたとの気持ちでしたが、僕としてはいつもよりお安いギャラな上に、作業はいつもの三倍以上。お客様としては僕のお仕事事例として紹介され、お店の宣伝効果を期待されていましたが、僕としては安い仕事をやる作家とみられたくないので、制作事例として紹介せず。その結果、角が立ってしまう事態に。(というようなことはよくありました)
上記のことにより、思っていただいている以上の高額になってしまいます。にもかかわらず、思った以上のイラストは期待できません。
それでも僕にイラストを発注したいとの方がいらっしゃいましたら、下記の条件の時にお引き受けできるかもしれません。ご相談ください。
- 僕の予定が空いている。
- 非営利である。
- 僕にプライスレスな大きな貸しがある。
- 出来上がったものは僕の方では宣伝しません。
- 僕にイラストを発注したなどの情報は非公開でお願いします。(これまで依頼を断ってきた人たちに角が立つので)=つまり僕にイラストを発注した意味がほぼないです。
- 描いたものに対して修正は致命的なものでない限り無しでおねがいします。
これはあくまでも個人のお客様の場合です。企業さま制作会社さま、デザイン事務所さまのご案件はお気軽にご相談ください。