'25 日本のG1級勝ち馬 / 全てデザイン完了
[2025年・ロゴケイバの後書き]
先ほどの東京大賞典の投稿をもって、今年の日本馬によるG1級勝ち馬を、すべてデザインすることができました。
いつもお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
少し、振り返りをさせてください。
題して、中の人が印象に残っているロゴケイバ・ベスト3(順不同)です。
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三浦騎手が、日本最多のG1挑戦数を経て掴んだ、G1初勝利。
実は、この日の朝。
とある国際的なイベントに関連するデザインを、納品していました。
正直、昔の若手時代や美大生の頃の自分に、
「こんなふうに、人生を楽しめるぞ」
「やりたいことで、飯が食えるぞ」
と言っても、きっと信じなかったと思います。
そこに辿り着くまで、簡単な道ではありませんでした。
だからこそ、彼の勝利を見て思いました。
諦めないということは、やっぱり普遍の真理なのだなと。
ゆっくりでも、確実に噛み合っていくものがある。
そして、いずれ現実を大きく動かす。
この感覚が、このロゴデザインの原点になっています。
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誤解を恐れずに言うなら、野球のWBCが分かりやすいと思います。
日本人は、ベスト4以上からが“本当の意味での本番”だと、どこかで考えている。
そこまでは勝って当然だと、国民が信じているレベルで、“国としての自信と実績”があるからです。
転じて競馬。
アメリカから見た日本競馬は、まだそういう存在ではなかったはずです。
それを、きっちりと勝った。
凱旋門賞よりも先に、BCクラシックを。
難易度で言えば、むしろこちらの方が高かったはずなのに。
ただ、ロゴケイバとしては正直、悶え苦しみました。
脳みそから、血が吹き出るかと思いました。
未到の強さと実績を、どう表現すればいいのか分からなかったからです。
そして、この“苦しみ”を与えてくれる存在こそが、最強格の証明なのだと思っています。
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悲しい出来事があったレースでした。
本当に、筆が進まず、頭もなかなか働きませんでした。
制作中も最新情報が気になって、何度もXを開いてしまい、心がざわついて収まらず‥。
ついには、ロゴケイバの時間制限ルールを破ってしまいました。
それでも、ロゴケイバが決めていることがあります。
なにがあっても、デザインで勝者を讃えること。
それがロゴケイバの価値であり、約束です。
心を奮い立たせて、完成させたことを、今でもよく覚えています。
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▼最後に、ご挨拶▼
今年で、ロゴケイバは4回目の完走となりました。
クライアントワークを除いても、1年で44個のロゴを制作しています。
それだけ続けていると、いろいろなことが起きます。
勝ち馬の魅力をうまく表現できず、申し訳なさや悔しさ、不甲斐なさが残ることもあります。
それでも、歩みを止める理由にはなりません。
ロゴケイバは、単なるデザインアカウントではありません。
その時代の競馬の熱狂を残す、記録でありたいと思っています。
成績は、後から調べれば分かります。
けれど、あの瞬間の空気や高鳴り。
そして、時に訪れる悲しみ。
データにも映像にも、なかなか残りません。
ですから、うまく表現できたとき、みなさんの反応が手応えとして返ってきます。
それが本当にうれしいです。ありがとうございます。
そして何より、命をかけて走る人馬がいてこそ、ロゴケイバは成り立っています。
そのリスペクトだけは、これからも忘れずにいたいと思います。
2年続けて、悲報がありました。
来年こそは、嬉しい記憶で埋め尽くされる競馬であることを、心から願っています。
最後に。
一緒に投稿している画像ですが、実は今年の44個のロゴ一覧のスライドショーになっています。
ご覧になりたい方は、こちらからどうぞ。
テキストも含めて、詳しく見たい方は、こちらからどうぞ。
年末年始のお供にしてください。
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[次回のロゴケイバ]
▼年明けに発表され次第▼
JRA年度代表馬。
フォーエバーヤングか、ミュージアムマイルか。
それでは、良いお年を!