7000万時代、賢者の選択。
家族の時間に投資する贅沢
昨日の新年のご挨拶に続き、本日は一人の建築士として、今だからこそお伝えしたい「大切なお金と未来」のお話をさせてください。
先日、住宅生産団体連合会より発表された最新の調査結果が、業界内に大きな波紋を広げています。土地代を含む住宅取得費の総額(全国平均)は、ついに「7,006万円」という数字になりました。この衝撃的な数字を前に、「もうマイホームは手が届かない」と、夢に蓋をしてしまいそうになっている方も多いのではないでしょうか。
大切なお金のことですから、不安になるのは当然です。しかし、この数字の背景を丁寧にひも解けば、決して絶望する内容ではありません。皆さまの不安を希望に変えるための「5つの視点」を整理しました。
1|最新調査、7006万円のリアル
まずは、最新の現実を冷静に見つめてみましょう。今回の調査では、土地代を含む住宅取得費の平均が「7,006万円」となりました。建築費単体でも平均「4,760万円」と、この2年間だけで500万円以上も上昇しています。
この数字は、今の家づくりがいかに「資産としての価値」を重視したものに変わったかを映し出しています。多くの方が耐震性や断熱性に妥協せず、家族の安全と快適を第一に選んだ結果、この水準に達しているのです。今の家は単なる建物ではなく、次世代へ住み継げるほどの高い価値を持つ「資産」へと進化したのだと、私は捉えています。
2|待てば安くなる?という誤解
「今は高すぎるから、安くなるまで待とう」というお気持ち、本当によく分かります。しかし建築士として正直にお伝えすると、かつての価格水準にまで戻ることは、現在の社会構造では非常に難しいのが現実です。
高騰の主因は一時的な資材高騰だけでなく、深刻な職人不足による「人件費の上昇」という、構造的な問題があるからです。価格が下がるのを待つために数年を費やし、新しい家で過ごせたはずの「家族の幸せな時間」を諦めてしまうのは、あまりにも切ないことです。今この瞬間の不安を受け止めた上で、納得のいく一歩を一緒に探したいのです。
3|高性能な家が将来の家計を助ける
建築費が上がった理由の多くは、断熱性能や耐震性の向上にあります。これは、これから何十年と続く光熱費や、将来的な修繕費を抑えるための、いわば賢い先行投資でもあります。
初期費用は確かに高くなりましたが、それは将来の生活費を「分割して先払い」しているような側面があります。冬の寒さを我慢して光熱費に怯えながら暮らすより、家族が健康で、光熱費の負担を抑えられる家の方が、長期的な家計の安定に繋がりやすいのは間違いありません。目先の金額だけでなく、30年、50年という長いスパンで「生涯コスト」を見据えることが大切です。
4|お金で買えない家族の時間の価値
家づくりにおいて、予算以上に大切にしてほしい資産。それは「ご家族で過ごす時間」です。お子さまがリビングを走り回り、家族で笑い合える「今」という時間は、どんなに大金を積んでも後から買い戻すことはできません。
2年待って価格が下がるのを待つ間に失われる時間のリスクや、住宅ローンの完済年齢が上がってしまうデメリットも、一度だけ想像してみてください。今、最も若く健康なタイミングで決断することは、大切な家族との思い出を最大化し、将来の自分たちの安心を早めに確保することに直結しているのです。
5|私と見つける、わが家の最適解
平均が7,000万円だからといって、誰もがその金額をかける必要があるわけではありません。土地をお持ちの方や、建築エリアによっても条件は大きく変わります。大切なのは、平均値に自分を合わせるのではなく、皆さまの等身大の暮らしに合った「ちょうどいい形」を一緒に見つけることです。
建物の大きさを工夫し、プロの知恵を借りることで、予算の壁を乗り越える道は必ず見つかります。このお正月、まずはゆっくりと理想の暮らしについて語り合ってみてください。もし迷われたときは、いつでも私を頼ってください。皆さまが数年後、「あのとき決断して良かった」と心から笑える未来のために、私は誠実に伴走し続けます。