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砂の城

2019.03.05 15:33

5年分の打ち合わせ。


1日も、1カ月も、1年もあっという間に過ぎ、5年もあっという間に過ぎる。


昨日は、実家リノベーション&アトリエ建築をお願いしていた建築屋さんへ5年ぶりに伺った。


実父を送り、実父の住まいと会社を終い、

実家のリノベーションを計画し始めた2014年。


2度、施工直前に取りやめになった。

1度目は、心無い業者に不信感を持ったから。

2度目は、心ある職人気質の信頼ある愛情たっぷりの建築屋さんとの家づくりを楽しみにしていたが

母の病気で中止となった。


この5年、母と猫達との温かな新しい暮らしを夢見て、ゴミ屋敷化した実家を片付け続け、片付いた場所から、また散らかしてしまう家主さんとの格闘。

片付け、掃除洗い物が若い頃から苦手だった家主さんでもあるので、この5年は、イタチごっこのようで。


家主さんとの関係、健康具合を考慮しながら、何度となく、図面を引き直した。

5年経っても、何一つ現実なになっていなかった。



そして、会社、umu-wakaも軌道に乗り出したと思ったところで、師匠の病。

病の影響で、300枚以上のストールを廃棄することになった。直す努力を半年間、頑張ったがダメだった。結果、新しいアトリエは手狭にもかかわらず、染め場を必要とすることになった。


実家リノベーション&アトリエ建設形になる直前で夢の中。


ストールブランドも次の展開を前に夢の中。



まるで、浜辺に作った砂の城が、形を成し始めたところで、波にさらわれて消えてしまうような。



5年前の気力体力のようなものは確実に大きく変化しているからね。

設計をも担当する社長の言葉に、私自身の肉体が反応する。


優しく聞いてくださる奥様の温かな愛情に包み込まれながら、5年前のあの頃の空間と自分を思い出す。


確実に、あの頃の肉体と変わっている自分を確認する。

そう感じるのは自然の流れなのか?それとも、日々の日常、介護やその諸々の時の積み重ねや疲れの蓄積からか?


水平線が見えた。

時の彼方の水平線。




50歳からの5年。

その50歳からの5年は大きかった。

価値観、肉体、精神はグラデーションではなく色相まで変わるが如くだ。


誰かのために。

周りが豊かで幸せであれば、それが自分の幸せだと思っていたあの頃。


ここのところ、私の人生のクライマックスはもう過ぎたのか?

私の人生は、これであがりなのか?

このまま、緩やかに人生を終えるのか?

私は、このシナリオ、起承転結を望んで今世、生まれたのか?

なんて自分に問いかけていた。


誰かのためとかではなく

自分を豊かにするようにと、母からの教えなのか?

水平線を見ながら、そんな風に感じた。




打ち合わせを終え、

甘いパンケーキを食べた静かな喫茶店。


これからの時間は、自分が主役の時間。

その時は、力を添えさて下さいと、社長からメールが届いた。


砂の城のように感じていた5年の時間が、どっしりしたものに感じた。

泣けた。


ちゃんと主人公になれるようになったら

私の終の住処をお願いしよう。



今、こう書いたところで

聞こえてきた部屋の音楽は

物語の主人公はだから〜♫


セカオワのサザンカだった。

すごいシンクロだ。




人生のクライマックスを、この先に置いて

また1から夢に向かおうと晴れ晴れ決断する。




決断の後は、5年前に打ち合わせの後に、いつも寄っていた片岡温泉へ。


この日は、鈴鹿おろし以上の強い風。

台風暴風域圏内に入りました!のような暴風。

露天風呂にある竹林は45度にしなり、神社でのお祓いのよう。

首を垂れ、祓いたまえ清め給えと祝詞をあげていると、鯖の日干しのスチロールの箱が、強い風に飛ばされ露天風呂を直撃。


温泉で大祓です。



夢を追う君へ

思い出して  くじけそうなら

主人公が立ち上がる限り 物語は続くんだ♫


サザンカ/セカオワ