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銀河書店's HP

【連載】(タイトル未定)#2-4

2025.12.30 12:46

※こちらは、超絶遅筆な管理人が、せめてイベントに参加する毎には更新しようという、

雨垂れ石を穿つ精神で投稿する長編(になる予定の)連載ページです。

状況により、過去投稿分も随時加筆修正予定。

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 町の中程にある宿で適当に食事を頼んだラファは、「まずはゆっくりしてくれ」と言ってそのまま出ていった。さすがに、性急に話を進める気はないらしい。

「ま、それくらいの気遣いはあって然るべきだな」

「フレイ、なに怒ってるの? あの人のこと、何か気に障ることでもあるの?」

「別に怒ってねぇよ。気になることはいろいろあるけどな」

 その気になること、というのを訊ねようとしたが、ちょうどラファが戻ってきた。

「改めて、礼を言う。時間を取らせてすまない。早速だが……」

「その前に、おまえ。まずその口調をやめろ」

「え?」

「あ、気にしないでください。フレイは堅苦しいの、苦手なんです」

 話を遮られてラファが怪訝な顔をしたので、ルークが補足するように言い添える。が、フレイは渋面のままルークをひと睨みすると、頬杖をついてラファに向き直った。

「俺が苦手だからじゃねぇよ。おまえのそれ、だいぶ無理した話し方だろ。俺からすると違和感しかねぇからな、普通でいい」

 ルークには、その言葉の意味はわからなかった。が、ラファの表情が見る間に歪む。

「……どうして、わかったんですか」

「加護持ちだ、って自分で言ったんだろうが。まぁ、言われなくてもすぐわかるけどよ」

「フレイ、どういうこと」

 会話についていけないルークに、視線はラファに向けたまま、フレイは答えた。

「さっき言ったろ。加護持ちは、そうでない者と成長の速度が異なる。こいつは少し早い方。たぶん、おまえより年下だろう」

 フレイも、ルークの正確な歳は知らない。が、彼の見た目は15~6歳ほどの少年だ。

 ラファはそれと同じか、少し上のように見えるが、魔力の練度や、ラファ自身に蓄積された時の長さに、見た目との絶妙な差異がある。それをフレイは、初めて声をかけられた時から気付いていた。

「年長者の真似をしようとしてるんだろうが、やめとけ。見た目がどうあれ、生きてきた時の長さってのはごまかしようがねぇ。俺みたいなのが相手なら、尚更な」

「……さすが、です。やっぱり強い力を持つ人は、違うんですね」

 僅かに俯いたラファの声に、先程の鋭さはなかった。やがて顔を上げ、二人を交互に見ながら話し始める。

「フレイさん。ルークさん。さっきは大声で呼び止めて、ごめんなさい。私、困っていて。助けてくれませんか」

 口調を改めたラファに、フレイは少し、表情を和らげて言った。

「聞くだけ聞いてやる。話してみろ」