題詠100☆2025 投稿100首
2011年からの毎年2月のお楽しみ「題詠100」!(旧「題詠マラソン」「題詠blog」)
今年もTwitter上でお題に参加させていただくこととなりました。五十嵐さん、中村さん、いつもありがとうございます。
15回目の参加となる今年は、なんと、とっくに完走していると思い込んでいたら59首までしか終えていなかったことが12月30日の朝に発覚!という大遅刻ぶり……
残りの41首をそこから大急ぎで詠んで、なんとか年明けの4時頃に完走となりました……。
もうほんとにしっかりして、わたし……( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )
以下、今年の題詠100首です。(番号:お題/短歌)
001:字/水面に文字を書くごと降り出した雨は頭を撫でてくれない
002:温/温かな後悔ばかり打ち寄せてベッドの舟は動き出さない
003:賭/うまくいく未来に賭けて生きている あしたの朝のパンなど買って
004:詰/詰められるだけ詰め込んだエコバッグかんがえたくないこれからのこと
005:殻/何もすることがないから貝殻を拾えば意味の生まれる旅だ
006:席/その席はたったひとつで塞がっているからもう手をほどいていいか
007:かなり/目を閉じてからの長すぎる夜のことかなり努力はしてみたんだよ
008:酸/酸っぱさの足りない日々に甘やかすばかりのきみを遠ざけてみる
009:訴/訴求力不足と思う「おやすみ」のLINEひとつも来ない夜更けに
010:誰/誰ひとり知らない部屋で分け合ったプリンのすこし苦いカラメル
011:弥生/ひたすらに眠ったままで過ぎてゆく如月、弥生 忘れられたい
012:沈/沈むだけ沈んで叶うはずのない呪文みたいに言うさようなら
013:渉/完璧なひとの正しさ わたしには相談じゃなく交渉をする
014:端/緑だけやたらと増えたこの部屋の端々にまだ面影は住む
015:爪/雨音を耳に入れつつ丸まって爪を切る生ぬるい春闇
016:アクセス/だめだってちゃんと言ったよ無理やりにアクセスしないでほしいひだりて
017:痛/春風はだいぶ痛くてもうここにいないあなたをまた連れてくる
018:弾/今日でもう最後にしようと逢うひとと(弾むなこころ)降りる階段
019:長/ドリンクバーつぎつぎ減らしまだ長い夜を無言で分け合う僕ら
020:陳/落ちている小石を磨きぬくようなどうしようもなく陳腐な恋だ
021:煮/煮詰まるだけ煮詰まっている友人に口を挟んで更けるファミレス
022:トラブル/肌トラブルばかりの春になにもかも愛してしまう人と見るさくら
023:捻/あなたとは違う未来を生きないと 捻れてしまったピアスをほどく
024:迄/空っぽで空っぽで足掻く夜の底いつ迄つづく渇きなんだろう
025:決して/シャワーより雨に濡れたい あなたには逢わない決して話しかけない
026:漠/漠然と終わりを見つつ核心にふれないひととまた越える夜
027:軽/ことばにはならない熱が軽々と身体を巡る 声を聞くたび
028:不/新緑のこんなに正しい明るさよなんて不毛な恋なんだろう
029:チケット/チケットを一枚買った封切りのころはひとりに戻れる予定
030:肉/肉体という名の君のやさしさを失くせば胃の奥までも冷たい
031:泊/宿泊で使ったことのない部屋の間取りと備品ばかり覚える
032:鋏/たいせつにしてくれるひとをたいせつにしたい 古びた鋏を磨く
033:交/夜にふれるまえにふれてよ体温も汗も心も交換したい
034:芳/体臭も芳香となり本能と呼べば納得してしまえそう
035:初/初めての夏の終わりを繰り返しきみと惰性で生きていきたい
036:令/伝令のようだあなたは感情の乗らない音で愛なんて言う
037:吹/二年目の風の吹く朝 なにもかも変わったあとのいつもの日々だ
038:胡椒/唐突にすべてがどうでもよくなってめちゃくちゃに振る胡椒と七味
039:禁/禁断の実だからおいしく感じてるくせに「本物」なんて笑える
040:伴/伴走者としてなんでも分け合っていたい人生だった おしまい
041:服/六月を待たずに雨は降りつづけ服の裾も思い出もずぶ濡れ
042:とうてい/内側をすべて吐き出す夢を見る とうてい許容できない日々に
043:皮/暗いほど見つめていたいやさしさの皮を被った嘘つきなひと
044:拓/じゃあ魚拓とっておいてもいいですか きみのことばが生きてるうちに
045:アプリ/またひとつアプリは増えて出会いたくない人を増やしてゆく日々だ
046:繁/こんなことしているくせに正論を言う繁殖力だけ高いひと
047:問/問いかけに答えないまま笑ってるきみの曖昧にまた溶けている
048:兵/兵力に差がつくばかり わたしにはうちの猫しか味方がいない
049:払/起きぬけに窓という窓を開けはなつ昨夜もらった靄を払うため
050:撒/戸を叩き続けるきみに塩を撒くくらいの覚悟でする既読無視
051:江戸/江戸切子風のグラスをひとつ買う にせものばかり集めて生きて
052:離/迷走を繰り返す夜を繰り返す そろそろ離れてくれていいのに
053:斉/一斉に夏ははじまる わたしだけ内側にまだ梅雨をかかえて
054:友/恋をしていたひととして友として支え合いたいなんてからっぽ
055:仄/ぎゅっと目を閉じて仄かに明けてゆくほんとだったら逢えてた土曜
056:ホール/見覚えのあるビアホール もうきみが誰といたって気にはならない
057:姉/姉的な立ち位置でしかないことを何度も告げる君の敬語は
058:殊/殊更に足りなさだけがひかるから逢えた次の日はあなたがきらい
059:随/おしまいにする約束で逢ったけど随分きれいすぎる夜だな
060:暑/わたしだけ猛暑みたいな疲れかた君の光が強すぎたせい
061:侍/侍のような姿勢で切り返す故意だとわかる尖った言葉
062:岸/泣くことも怒ることももうなくなって着きたい岸辺がわからなくなる
063:貞/ああそうか貞淑だけを良さとして君に手を引かれた冬だった
064:災難/災難は突如くるもの真夜中に会いたいだとか約束だとか
065:志/意志なんてそんなになくて生きていていつもの靴でいつもの電車
066:刈/下草も残さないよう刈り取ってしまうねきみは ともだちでいる
067:牧/誰に会い何をしてても構わないひとが放牧みたいと笑う
068:崩/さよならを言いに来たのに林檎煮のように決意も熱に崩れる
069:釜/いつもよりしっかり洗う内釜のふれられていた手がまだ熱い
070:昨/最高の昨日は一昨日になってひと月前になって さよなら
071:ポスト/真夜中の道はひろびろポストまで縺れた足でスキップをする
072:脇/どれだけの脇道を見つけられるだろう真っ直ぐ歩けないひとといて
073:患/なにかしら変わるだろうか数年を患う前に戻れたとして
074:種/沈黙も種だと思う夜深く埋めればなにか咲くかも 咲けよ
075:進化/進化とも退化ともわからないけれど昨日の癖を今日も引き摺る
076:放/放たれるいつかがいつかわからない つながれた手の小指をほどく
077:敢/敢えて訊く勇気はなくて飲み込んで「何飲む?」とか平気なふりばかり
078:胴/胴体と手脚と心がばらばらになる夜だなあ 遠いひとだなあ
079:偶/偶然の繰り返しでいまここにいる泣きながら手を振ることすらも
080:洞/洞窟のような沈黙 反響をこわがるきみの熱を知りたい
081:廃/立ち尽くす廃線の駅ここからは行けない未来ばかり数える
082:ときどき/わたしのままあなたのままで人生をときどき重ねるため生きている
083:霧/曖昧な心のままで霧のなか手ざわりのある熱をさがした
084:典/ひとつきりだと思ってた恋だった典型的なおしまいだった
085:砂/きみといた日々をひっくり返したい 真っ白な砂時計を買った
086:戻/巻き戻せ 舞い上がることだけうまくなっていたこの数年余り
087:意味/そうは言うけど意味はあるきみからのLINEが少なくなったことにも
088:明/聡明なあなたらしくてさよならもわたしにぜんぶ委ねてしまう
089:被/加害者であり被害者である日々を甘受している恋ひとつ抱く
090:級/こんなにも引き延ばすならどうせなら最上級のさよならがいい
091:貌/あなたには見せつづけたい貌がある鏡の前ですこし疲れる
092:至/つらいめに合ってばかりだ至らないわたしを好きになったあなたは
093:アンチ/一度だけ好きって言った夜がありそれから毎夜アンチョビパスタ
094:毛/癖っ毛の大きな困った犬みたい深々と寝息を浴びている
095:堂/講堂の椅子に微かに残された体温 次は逢えますように
096:響/残響がやまない夜更け内側があなたで溢れそうで痛いな
097:満/満たされてしまえば変わりゆく恋をひとまず足りないまま冬にする
098:乏/押し付けてしまったせいだ表情が乏しいきみをそれでも好きで
099:訪/訪れる気のない春だ ここちよく撫でられるから間違えそうだ
100:改/戻れない場所ばかりある 改札を抜ければひとつまた手放せる
以上100首、3月23日のスタートで、8月5日に59首まで、その後12月30日から2日間で41首を即詠してゴールとなりました。
今年の裏テーマは「もどかしさ」。思うように進まない、いらいらする、歯がゆい、じれったいような100首となっていたら成功です。
毎年のお楽しみ「題詠100」、今年も参加できてとても嬉しかったです。来年こそほんとに上半期中に終わらせたいです!
★以下、これまでの裏テーマ一覧です。(備忘録)
- 2011 恋歌
- 2012 恋歌
- 2013 学生・学校
- 2014 大人短歌
- 2015 痛
- 2016 色
- 2017 キャラクターを立てる(女性/30代後半/会社員)
- 2018 水・液体
- 2019 五感
- 2020 食
- 2021 切なさ
- 2022 虚構創作なし
- 2023 恋歌
- 2024 さみしさ
- 2025 もどかしさ