空想庭園 ➖ リウィアの別荘壁画
2025.12.26 05:54
帝政ローマ最初の皇帝アウグストゥスの妃リウィアは、ローマ市街の北15キロの集落プリマ・ポルタに広大なヴィラを所有していました。1863年、僅かな遺構を頼りに始まった発掘調査の際に、見事な壁画で飾られた地下室が発見されました。その後壁画は壁から剥がされ、修復を経て現在はローマ国立博物館 (Museo Nazionale Romano Palazzo Massimo alle Terme) に収蔵展示されています(推定制作年代は紀元前39 -38年)。
5.9m x 11.7mの矩形の部屋の壁には、出入り口を除き、庭園の風景が連続して一面に描かれています。おそらくは客人をもてなす場であり、夏の暑さを避けるため地下に作られたと考えられています。植物の描写は極めて正確かつ細密で、しかも開花や結実の時期が本来異なる植物が全て満開、果実はたわわに実り、これが現実の風景でないことは明らかです。壁画には単なる室内装飾以上の意味があるとみられ、例えばアウグストゥス帝が実現した「パクス・ロマーナ」(ローマの平和)の祈念、リウィアとの婚礼の祝い、またはローマの神々の象徴、等の仮説が研究者たちから提唱されています。
リウィアの別荘壁画 展示室
北面
南面部分
北面部分
西面