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ECCジュニア高山台教室・大和新庄教室

透析を止めた日

2026.01.04 12:59

奈良県香芝市の英語・英会話教室、ECCジュニア高山台教室および、葛城市に2025年4月よりテナントにて新規開講したECC ジュニア大和新庄教室、講師の髙桒(たかくわ)です。


あけましておめでとうございます!


今年一発目の投稿は本のレビューから!

家事をするときや犬の散歩の時に気軽に読書が楽しめるので、日々オーディブルで本を”聴いて”いる今日このごろ(当教室インスタグラムを見ていただいている方はストーリーズでしばしばシェアしているので気づいておられるかも)なのですが、年始に聴いてズキューンときたこの一冊。


透析を止めた日


実は昨年末、高校時代の友人のうちの一人を亡くしました。なので年末からずっと生と死についてふとしたときに考え込むことが増えていて…また、友人の中には人工透析を受けている者もおり、さらにうちの犬も一昨年の夏に突然腎臓が悪くなって腹膜透析のために夏から秋にかけて獣医に足繁く通った経験からも、SNSでふとタイトルを見かけたこの本を読んで(聴いて)みようと思いました。


いつもは軽くインスタのストーリーズで一言感想みたいなのを書いて終えるんだけど、この本については今後自分で振り返りたくなることもあるかもと思い、読後感を書き留めておきます。


この本は、大きく2つのパートに分かれていて、前半では筆者の旦那さんの半生と、その人生の終わりに自ら透析を終えることを選んだ衝撃的なドキュメンタリー、そして後半では透析には実は2つの種類がある、というレポートになっています。


まず前半。難病のため人工透析を余儀なくされていた筆者の旦那さんは、一度は腎移植で9年間透析を免れたものの、再び透析を強いられるようになります。


印象的だったのは、9年間のブランクで、透析のトレンドも変わっていたということ。曰く、以前はなるべく水分をとらずに日常生活を送るのが常だったが、9年後に再開したときには、水分はある程度摂っても良い、透析でしっかり水分を出し切れば良い、という感じで、これだとある程度美味しいものを食べたり飲んだりすることが出来る、と安心して透析に臨んでいたのもつかの間。


血液透析は血管に与える負担が高く、いつまでも出来るものではありません。旦那さんはまだお若いから4時間×週3日の透析さえすればまだまだ健康に暮らせる、という医療機関からの説明に反し、ひどい痛みをともなうため、4時間透析を完走できない日が出てきてしまいます。そうなれば当然体調も芳しくなくなり…


最終的に壮絶な痛みと戦うことに限界を感じた旦那さんは、自ら透析を止めることを決心されます。透析をやめる、それはつまり生きることをやめる事と同義ですが、緩和ケアはがん患者にしか許されておらず、透析をやめてお亡くなりになるまで、筆舌に尽くしがたい痛み、苦しみを経て死に至る過程が、もうこれでもかというぐらい鮮やかに、リアルに描かれていて…えぐられました…。


そうした旦那さんの痛みの詳述の後、後半では血液透析(私たちが通常透析と聞いて心に浮かべる、クリニックで週3回×4時間程度行う透析)だけが生きるための唯一の可能性ではなかったことに筆者が気づき、その詳細をレポートする段階に移ります。


その段になって、ああうちの犬がやっていたのは腹膜透析だったんだ、と気付かされました。腹膜透析(PD:Peritoneal Dialysis)血液透析(HD:Hemodialysis)とは違い、自宅で実施できます。腹膜透析は腹部に点滴を打ち、腹膜をフィルター代わりにして毒素を体外に出す方法で、やり方には2パターンあって、一つは寝ている間に8時間かけて毎日実施するもの。睡眠とカブるため、昼間は制約なく行動出来るのが魅力です。2つ目は持ち運び可能な点滴パックを打ちながら日常生活を送ります。激しい動きは出来ないだろうけど、自宅や外出先でも可能なので、週3日×4時間クリニックでじーーーっとしなければいけない血液透析に比べれば随分手軽です。今思えばうちの犬は後者を実施してもらっていました。うちの犬の場合人間よりサイズも小さいので、1時間弱で終わっていたと思います。


ただ、より老廃物を除去出来るのは血液透析なので、腹膜透析だけをやるというよりは、腹膜透析をメインに、月数回血液透析もやる、というハイブリッド型も多く取り入れられているそうです。


海外ではそこそこ認知度のある腹膜透析ですが、日本では血液透析しかそもそもオプションとして提示されない事が多いようです。その理由として考えられるのは、血液透析が保険点数が高いこと、また施設への投資が結構必要なので、それを回収するためにもベッドに空きを作りたくないこと、また医療関係者の中でも腹膜透析なんて感染症リスクも高いし血液透析の劣化版だ!と思い込んでいる方も少なくないことがあげられるようですが、海外では「PDファースト、PDラスト」と言われるように、まずはQOLへの影響が少ないPDから入り、また血液透析が痛みが伴ってQOLが保てなくなったら終末期にはPDへもどる、という事がままあるそうで、筆者の旦那さんもこのオプションが示されていれば、終末期の壮絶な痛みとは無縁に、そして眠るように息を引き取るという終末へつなげることが出来たかもしれません。


また、震災などの災害時には立派な施設が必要な血液透析は実行が難しくなることが多いので、そういう点でも手軽に扱える腹膜透析がもっと日本でも多く知られ、利用されることは危機管理としても重要です。


より多くの方に、こうした選択肢があるということを知ってもらえたらいいなというのと、自分やその周りの人が透析を取り入れなければならなくなった時に、知識としてもっていたいと思い、乱文を書き留めました。


すでにベストセラーだけど、もっと多くの方に読まれるべき本です。