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極楽

2026.01.04 23:35

日々の日課や朝の駅頭、いや、走った距離の記入。こればかりは何故か手作業にて手帳はその為だけにあると申しても。そこに目標なんてものなく、単に数字の積み上げながら、それこそが年越し後のささやかな愉しみの一つとなり。昨年の実績や延べ1,249.8km。

地元の古刹が十二年に一度の御開帳の年を迎え。御本尊三回、極楽間違いなし、と聞くに、都合三十六年と思いきや。今年に拝まば残二回、つまりは二十四年。年齢を計算するに住職と顔を見合わせ。生きとるだろうか。

と同時に予定されるは本堂の大規模改修。原資となるは檀家衆の寄進にて御大尽多き土地柄に不足なきはずも広く一般の方にも。さりとて、単に求めるだけでは何とも卑しい、と思ったか否か。本堂の屋根瓦を銅板とするにそこに一筆。「不老不死」だろうが「一攫千金」だろうが個の勝手にて咎めはせぬ、と寛容な住職を前に。

ならば客殿の柱にわが一筆を、と不謹慎な檀家。ふむ、字の巧拙は気にせぬし、世に名を残す気もなく。金銭とて惜しまぬも、いざ一筆といわれるに。そればかりか記すに人目に触れては。「トップ当選」でどうか、との声あれど、やはり。「ゴルフのパットが入りますように」。文字は瓦の裏面にて。

一目同じに見えるグリーンでもコースによって転がり具合がまるで。そこに問われるはグリーンキーパーなる職人の腕。速いほど難易度が高く、下りのラインとあらば尚更に。軽く当てたつもりが止まらぬ球。いや、彼とて力感は同じはず、なれど不思議とカップ回りで失速。なぜ、彼の球だけが。そんな相棒によれば彼の仲間の一人に私との相性が抜群と思しき逸材がおられるそうで。

まずはグリーンにのせて、そこからはパターにて直径10.8センチのカップを狙うのだけど。カップの下につける、つまりは上りのパットを残すが上級者とされ。こちとら「のればよし」なのだから、「どこにのせるか」なんぞ。いや、100ヤード以内であれば「多少」の調整はつくやもしれぬ、が、距離200ヤードにして起伏を聞くはさすがに。

いやいや、これがどうして。動物的な嗅覚、野性の勘が冴え。200メートル先の獲物を狙うハンターが如くプロ顔負けのショットを連発。還暦を過ぎし当人の視力3.0とか。それも同伴者に意中の女性がいようものならそれはもう。

そんなスゴ腕を相手に負けなし、いや、「ほぼ」負けなしの相棒。ハンターとて時に獲物逸することも。グリーンを外したと申してもほんの数ヤード。が、俗に「寄せ」なるその一打が本人にとっては。グリーン回りでもじもじ始めるは迷いし証拠。その動揺ぶりが目に見えて。今日も勝ったな、と。

ゴルフはメンタル、勝負にあってそこを付け狙う人も。が、こと二人に関しては幼少からの旧知の仲。異性にカッコいい姿をとか、よし次こそは、と自ら勝手に。グリーン上、というよりもその感情の起伏こそが何とも。それを「甘さ」と見る向きあれども、いや、それこそが人間味があって。私は好きだな。まだ見ぬ相手、今年はぜひ。

(令和8年1月5日/2970回)