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「誰かのために戦う誇り」尚志高校

2026.01.07 04:18

第104回全国高校サッカー選手権大会において、福島県代表の尚志が7年ぶりのベスト4進出を決めた 。準々決勝で帝京長岡を1-0で破り 、再び聖地・国立競技場への切符を掴んだ彼らの背中には、「pride of SHOSHI」という重みのある言葉が刻まれている 。このスローガンは単なる部活動の目標ではなく、今や学校全体の教育目標にまで取り入れられた尚志の魂そのものだ 。仲村浩二監督が就任から初勝利を挙げるまで9年を費やし、辿り着いた答えは「サッカーの技術だけでは勝てない、人間教育が必要」という確信だった 。学校の代表として、また一人の自立した人間としてどうあるべきかを問い続ける日々が、全国屈指の強豪へと押し上げる揺るぎない礎となっている 。

この誇りを決定的なものにしたのは、2011年の東日本大震災という壮絶な経験だ 。未曾有の困難に直面し、当たり前の日常が奪われた中で「尚志でサッカーを続けたい」と福島に残った選手たちの姿を前に、仲村監督の胸には「この子たちの3年間を預かる責任」という強烈な覚悟が刻み込まれた 。その年の第90回大会で見せた快進撃は、苦境に立つ福島の人々から多くの感謝を集め、自分たちのひたむきなプレーが誰かの勇気や希望になるという実感をチームに与えた 。この「誰かのために戦う」という意識こそが、尚志が掲げる「見ていて楽しいパスサッカー」という独自のスタイルを支える確固たる哲学となっている 。

自由な発想から生まれる華麗なパスワークは、サッカーを心から楽しむ心から生まれると仲村監督は説く 。全国から集まった131人の部員たちは 、勝利の先にある「見る者を魅了する感動」を追い求め、日々過酷な努力を積み重ねてきた 。その精神は、ピッチに立つイレブンだけでなく、ベンチで喉を枯らす控え選手たちの中にも深く根付いている。今大会で注目を集める控えGKの保科幸之介は、レギュラーの座を譲った悔しさを抱えながらも、「自分のパワーを使って皆を勝たせたい」と献身的に仲間を鼓舞し続けている 。ピッチに立つ者も、それを支える者も、全員が尚志の誇りを共有し、誰かのために最善を尽くす。その組織としての気高さこそが、頂点を目指す彼らの最大の原動力だ。

取材:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP