ARASHI 嵐(ナガシマスパーランド)
長さ310m/高さ34m/最高速度65km/h/最大傾斜90°
S&S Sansei Technologies/4D Free Spin
日本初上陸となったS&S製の4Dフリースピンと呼ばれるモデルで、設計したのはX2やええじゃないかと同じアラン・シルキーという人。現在はRMCの数多くのハイブリットコースターを設計しており、ナガシマに作られる「白鯨」も同じ人物。基本的に、設計したコースターは全部、クレイジー。
パッと見では、スチールドラゴンの巨大な巻き上げが真後ろに降臨していることもあって、小さなコースターという印象で、正直、乗る前は全く期待していなかったし、全然平気だろうと、余裕をかましまくっていた。だが、いざ乗り込むと、それが間違いだったことにあっさり気づく。90度、垂直に上昇する巻き上げからその不安はピークに達する。座席が少し上を向いており、体を包み込むような形で、上昇して行くのは、ええじゃないかの巻き上げと似た感覚で、先行きが全く見えないし、予想すらできない体勢なので、かなりの不安感を煽られる。そして、そのまま、波打つようなコースを走り出すのだが、4Dフリースピンと言う名の通り、座席自体が自由回転するので、動きが全く予想できない。かなりアンバランスだ。座ったまま眠ってしまって、倒れそうになった時みたいに、体がフッとなるような感覚が何度も襲ってくる。大きなドロップは2回あり、3段構成になっているが、一段降りるごとに、ドンドンと激しさを増して行く。肩掛けのハーネスだが、体を支える部分はゴムのように伸縮性があるので、回転すると、体と座席にかなりの遊びが生まれて、本当にぶっ飛ぶんじゃないか錯覚してしまうほどだ。
一台8人乗り、片側4人乗りで、2人ずつの向かい合わせという変わった構成。個人的には一番上のパートで前向きになる方(手前の座席)が楽しかった。残念ながら、ナガシマではコストダウンのためか、入り口向かって奥のサイド、スチールドラゴン側はバラスト(重り)を乗せて、基本的に、手前側にしか人を乗せていない。通常のコースターよりも人件費が倍かかるのはわかるが、それぐらいの覚悟を持って導入して欲しかった。60分を超える待ち時間でも片側なんて、なんとも腹立たしいし、座席によって乗り心地が大きく変わるコースターなので、ぜひとも奥の方にも乗ってみたいものだ。
A
他のアトラクションがシンプルすぎるだけに
ネーミングやロゴに富士急っぽさを感じてしまう
向かい合わせになった座席
新型の肩掛けハーネスが上手く機能したコースター
基本的に左側にしか乗れない
右側には人型の重りを乗せている
垂直の巻き上げ
空だけが見えるのが恐ろしい
挙動の激しさは見た目以上
本当に吹き飛ばされそうだ