リスク管理の思考法
2026年も始まったばかりですが、皆様ご存知の通り 1/6に島根県東部を震源地とする強い地震がありました。
2年前には 元日に能登半島で地震もあり「やはり防犯・防災の発生タイミングは、こちらの都合を考えてくれない」と思い知らされます。
当店では、常々「防災と防犯は共通するものがある」と感じていますが、世間一般では、平常時と非常時が大きく乖離して「平常時(現実) と 非常事態(非現実) くらいに、想定が追いつかないのでは?」と思うこともあります。
その一例が防災備蓄品リストで、一般的には 水・食料・防寒具・懐中電灯・ラジオ・乾電池などが挙げられますが、防災備蓄品の中に「メガネ」を用意している人は あまり見かけません。
多くの備蓄品は貸し借りやシェアができたり、給水車・炊き出し・各種支援物資によって賄うことができる可能性がありますが、メガネは それができません。
普段コンタクトレンズしか使わない人でも「そんな時に限って」花粉シーズンだったり、ものもらい・結膜炎などに罹ってコンタクトを装着できないかもしれない。
幸運にも身体が健康でも、瓦礫・粉塵が舞う中 断水で手を洗えないかもしれない。
そして、視力不足により 五感の働きが弱まれば、避難活動さえ より 危険度が高くなる。
しかし、どの防災マニュアルを見ても備蓄品の中に「メガネ」と書かれているのを見たことがない。
普段使用しているメガネが壊れても、スペアがあれば対応できる。
新品でなくても、少し度数が違っても、ないよりはマシだから 防災バッグに入れておいて損はない。
数年前、コンタクトレンズしか使わない方(お二人)に 上記内容を話したところ、
Aさんは「あの話を聞いて すぐにメガネ作りました」と報告をいただきました。
一方、Bさんは メガネ購入を先延ばしにしているうちに、急遽 数ヶ月間入院することとなり、コンタクトも使えず、メガネも作れず、病院内の移動さえ苦労したそうです。
防災時のメガネの話は、認識している人には当たり前のことなので「わざわざ言うことでもない」と考えていましたが「意外と盲点だった」という人がいるようなので、少し触れておきました。
当店はカーセキュリティ専門店ですので、自動車防犯について考えない日は、年間365日の中で1日もありません。 盆も 正月も、旅行中も 風邪で寝込んだ日も。
そんな店主が感じるのは、普通の人が非常時の備えを「足し算」で考えがちなのに対し「危機管理は引き算の考え方」が有効ということです。
ざっくり言うと、足し算というのは「〇〇があるから大丈夫」という考え方で、
引き算は「前提が崩れたら どうなるか?」という考え方です。
私たちの生活は、ライフラインが整備された 恵まれた環境の上に構築されています。
蛇口をひねれば 清潔な水が出て、スイッチを入れれば電気が点く。
これは決して当たり前のことではなく「誰かがライフラインを作り、今も誰かが そのライフラインを管理してくれている」から、成り立っている「本来は存在しないものばかり」です。
それが理解できれば「”あたりまえ” に在ると思っていたもの」は「何らかの理由により失くなる可能性があるのが ”あたりまえ” 」ということに気づきます。
そのため 危機管理においては「”あたりまえ” だと思い込んでいた〇〇を失った時にどうするか?」という具合に、現在の状況から ”前提条件を引いていく” 考え方が有効です。
これはカーセキュリティも同様で「Aが突破された場合はBでカバーする」「AもBも使えない場合に備え、Cを仕込んでおく」といった具合に「今ある安全装置」が機能しないことを想定(引き算)しながら、全体を考えていくことで、強固で安全な防犯設計が出来上がります。
防犯も防災も「いざという時」には 大した策を講じることができず「事前に〇〇しておけばよかった」と思うことがほとんどです。
アクシデントの対処は「何も起きていない平常時にこそ」有事を前提として予防に力を入れる方が はるかに安価で有効です。
「〇〇という前提が失くなる可能性」を念頭に 重要項目から事前対策を施し、〇〇が在る時には その恩恵をありがたく享受する。
そして「予防対策をしていたけれど、今のところ出番はない」と思えることが「気づきにくい 大きな幸せ」なのかもしれません。