EPA
〈前置き〉
EPAとは「エイコサペンタエン酸」の略称です。いわし・さば・あじなどの青魚に多く含まれるn-3系脂肪酸のひとつです。
主に青魚の油に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は、体内でほとんど作ることができない「必須脂肪酸」の一種です。
EPAの働きは1960年後半にグリーンランドに住むイヌイットの心臓病で亡くなる人の割合が低いことに注目した研究によって明らかになりました。プロスタグランジン、トロンボキサン-3、ロイコトリエン-5(すべてエイコサノイド)の前駆体であるω-3脂肪酸の多価不飽和脂肪酸の一つです。
人間のからだでは合成されにくいとされる必須脂肪酸です。血管・血液の健康維持に重要であり、「血液をサラサラにする」「中性脂肪値を下げる」「血管年齢を若く保つ」「心臓病・脳梗塞を防ぐ」「動脈硬化を防ぐ」などの効果があるとうたわれています。
〈アサヒEPAの成分〉
DHA:154mg
EPA:360mg
EPA含有精製魚油(イワシ由来)
製造国日本、原産国ペルー
2018年の米国心臓協会学術集会で発表された最新の研究では1日4gという従来よりも高用量のEPAを投与すれば、スタチンでは制御しきれない中性脂肪高値という「残余リスク」を効果的に抑制できる可能性が示されたとしています。また心血管イベントの抑制も示されたがその機序はまだ分かっていないとしています。中性脂肪の低下に伴う直接的な作用以外の機序も考えられます。
EPAは抗血栓・抗血小板作用があるものの、出血イベントの増加を見ずにこれほどのリスク減少は不可能としており、既に報告されている生体膜の安定化という生理作用から、プラークの安定化といった機序も想定されるとのことでした。
この研究に使われているEPAはほぼ純度100%の医薬品としてのEPAであり、それを用いた数多くのヒト試験の結果、中性脂肪値を下げたり血栓を予防したりする働きがとても明確になっているということです。
《総括》
テレビなどで健康に良いとされる「不飽和脂肪酸」ですが、バランスが大切です。特に、植物油などに含まれるリノール酸などの「n-6系不飽和脂肪酸」と、DHAやEPAなどの「n-3系不飽和脂肪酸」は、代謝された結果、微量でも身体に大きな影響を引き起こす物質を生成するため注意が必要です。すでに摂り過ぎの傾向があるn-6系は、アトピーなどアレルギー疾患を引き起こすことが問題となっています。
生活習慣病予防には油脂の総摂取量を控えると同時に、n-6系をn-3系の4倍以内にすることが推奨されています。米国食品医薬品局は、サプリメントからの摂取はDHAとEPAを合わせて1日2gを超えないように警告してきました、しかし新たな研究でもあったように4gで中性脂肪が低下したという研究もあることから摂取の目安として4g以内を目安に摂取しすぎないことまたマーガリンのようなn-6系を減らすことも大切であるのではないだろうか。