茗荷谷の猫
2026.01.09 13:13
木内昇さんの短編集。ただし、全ての話が東京を中心として展開する。
さまざまな時代の東京で起こる物語たちは、それぞれわずかに他の話の痕跡が残っていて、それが時代の変遷と寂寥感を感じさせている。
小さく説くとかいて小説、という字のごとく、小さな話でありながらもただの出来事ではないが、何か強いメッセージで読者に何かを訴えるでもないようなお話が散りばめられている。書かれた物語というよりは、出来事が先にあって、それについて書かれたもの、というような感じがする。だがそれらを俯瞰してみたとき、やはりこれは小説である。