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キャンピングカーで日本一周

2月26日 加計呂麻島で、一日のんびり島めぐり

2019.03.06 14:58


今日は楽しみにしていた加計呂麻島観光の日。


幸運なことに、朝から快晴である。



奄美大島と加計呂麻島を結ぶフェリーは、風が吹いて波が高くなると、すぐに欠航になるというが、


今日は微風で、無事出航。




8時10分、フェリー「かけろま丸」に乗り込み、いざ、加計呂麻島の生間(いけんま)港へ。



乗客は船内でNHKの連ドラを見たり、本を読んだりしている。



20分の短い船旅で、生間港に到着。


瀬相港と生間港を結ぶバスが、埠頭で乗客を待っている。



それ以外にも、地元の方々の車が待機中。


折り返しでフェリーに乗り込む人も、降りてきた人も、しきりに声を掛け合っている。


おそらく、この辺りを行き来する人々は、みな顔見知りなのだろう。



加計呂麻島は、人口が1200人ほど。


島には30ほどの集落がある。



東西に長く伸び、海岸線が周囲に切れ込む複雑な形をしていて、


K曰く、「少し痩せたイギリスみたい」。


なるほど、そう見えなくもない。



島は起伏が激しく、大半が木で覆われた山林地帯。


平野は、ほとんど海岸線エリアにしか見当たらず。



島の主産業は、漁業、サトウキビ栽培と黒糖やきび酢の加工製造業。


それに個人経営の民宿やイベント、ツアー、レンタカーといった観光業だ。



さっそく、予約しておいた「生間レンタカー」で車を借りる。



民家の庭先のテーブルで、契約書にサイン。


道を挟んだ林の日陰に、数台の車が並んでいる。


「今日は天気がいいからラッキーですよ。普段は風が強い日も多くて、背の高いフェリーは欠航することもありますから」とレンタカー屋のご主人。


「側溝は蓋がないところも多いので、タイヤがはまらないように注意してくださいね。」


「もし、はまってしまったらどうすればいいですか?」と問いかけると、


「すぐに電話してください。離島にはJAFはありませんから」と微笑む。



ご主人が、「一日では、全島は周りきれないので、テーマを決めていった方がいい」というので、


とりあえず、「寅さんの訪れた楽園を巡る旅」をテーマに周遊することに。



地図に『男はつらいよ〜寅次郎紅の花』のロケ地に○印を付けてもらい、いよいよ出発である。




まずは近くの諸鈍(しょどん)にある「加計呂麻島展示・体験交流館」へ。



ここで、島全般の資料を入手する。



すぐ近くの浜に面した場所には、ロケ地の一つ「リリーの家」の石碑が。




近くにある「リリーの家」の住んでいた木造家屋は、現在修復されて宿泊施設になっている。



あの映画のような島人の暮らしが、そっくりそのまま残っていることを期待していたが、なかなかそうもいかず。


何しろ四半世紀も前の映像である。



かろうじて、家の周囲を囲む塀などは昔のまま。



この塀越しに、寅さんが庭掃除をしている姿を映し出していたのだと思うと、なかなか感慨深い。



海岸沿いにはデイゴの並木が続いている。


紅い花を咲かせれば見事なものだろうが、今はひっそりとしている。




さて、一行は、ここから島の東端、「徳浜」を目指す。


途中は、養牛農家が一軒とキャベツ畑、それ以外は空き地と森林という山道だった。


空き地に見えたのは、サトウキビを収穫したあとかも知れない。



15分ほど車を走らせ、「徳浜」に到着する。



「徳浜」には、何もない。


何もない、からこそ、絵になる。


煌めきがある。




映画の中で、満男(吉岡秀隆)が泉(後藤久美子)に愛の告白をする名場面は、ここで撮影された。



寅さんとリリー(浅丘ルリ子)が、若い二人を暖かく見守っていた辺りに立ち、砂浜を眺めて映画のワンシーンを脳裏に再現する。




車は、ふたたび生間に戻り、島の中心集落・瀬相へと向かう。


途中に「スリ浜」という綺麗な砂浜があるというので、車を停め、立ち寄る。


サーフボードを楽しむ数人の若者と我々だけの、静かな砂浜だ。



島の道は、半分が海岸沿い、半分が山道である。


島の唯一の県道が東西に走っているが、カーブが続く上に、所どころに狭い部分があり、軽自動車同士がすれ違うのもやっと。


時速30kmくらいで走るのが無難だ。


集落をすぎる時は、更にゆっくり走るよう推奨されている。



県道が山道を外れ海岸線へと戻り、ふと覗かせる、その海の色合いが美しいこと‼︎



この緊張感漂う山間部の曲がりくねった道から、しばしの間解放されの圧巻のマリーブルー。


絶妙なバランスのアトラクションだ。



瀬相港前には、地元の生産物直売所「いっちゃむん市場」がある。



生産者の写真が掲げられた新鮮な野菜や、水産加工品、手工芸品などが並び、簡単な飲食ができるスペースがあり、ここでKY夫婦は美味しいソフトクリームを食べ、しばし休憩。



この後一行は、島の西端、実久を目指す。 


実久までは40分ほどの道のり。


途中、いくつかの小・中学校を通り過ぎる。


一ヶ所は廃校のようだったが、その他は現役のようだ。



山道を下りきったところに、実久の小さな集落と静かな入江がある。


「絶対行ったほうがいいですよ」とレンタカー屋のご主人が話した通りの、碧い海が広がっていた。



防波堤に腰を掛け波音を楽しんでいると、遠くからボートが一台近づいてきた。



降りてきたのはライフジャケットを着た数人の若者と運転手の男性。


話を聞くと、「ウミガメ隊」という体験ツアーだという。


これから島の洞窟を案内するのだが、綺麗に見える時間帯があるので、時間調整のためここに立ち寄ったとのこと。


男性曰く、「この辺りは、波が穏やかな日だと、ボートが空中に浮いているように見える」という。


確かに、そんな写真を目にした事がある。




海の碧さは、西に行くほど増しているようだ。



いつまで居たくなる気持ちの良い場所だが、ここからまた、山道を折り返さなければならないので、先を急ぐことに。


いったん島の中央に位置する瀬相港まで戻り、そこから南に向かい、小さな峠を一つ越えると「西阿室(にしあむろ」という集落がある。


ここは、地図上にも「ウミガメの見れる港」と書かれていたので、港でしばし佇んでいたが、結局ウミガメは現れず。


ノラ猫ではないから、そこいら辺にウロウロしているわけでもない。


そう簡単に見られるものでもないのだろう。



この集落には、中心部に小さな教会や小学校や郵便局がある。


面白いのは、郵便局の隣に立派な土俵があったことだ。



そして、ここの砂浜でも、透き通った波が、ささやくように静かな音色を奏でていた。




ふたたび瀬相港に戻り、ロケ地の一つである「於斉のガジュマル」に立ち寄ってから、



生間でレンタカーを返して、加計呂麻島の観光は終了。


メーターを見ると、島内を90kmほども走った計算になった。



少し早めの帰還となったので、船の出発時刻まで、猫をナンパしたりして遊ぶ。




16時30分、「かけろま丸」の最終便で古仁屋港に帰る。



夕食は昨日と同様、「なにわ食堂」で、と楽しみにしていたのだが、本日の営業は終了していた。


もう一度、お店のおばあさんと話がしたかったが、残念であった。