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年間1万人が発症する結核

2026.01.15 23:40

茨城の集団感染から見えてきた「見落としがちなリスク」

「結核って、もう昔の病気でしょ?」

多くの人が、そう思っているかもしれません。

しかし現実には、日本では今も毎年およそ1万人が新たに結核を発症しています。

今回、茨城県内の日本語学校で学生や教員など**19人の集団感染**が確認されたことで、改めてこの病気が“過去のものではない”ことが浮き彫りになりました。

 なぜ学校で広がったのか

結核は、咳や会話の際に出る飛沫が乾燥して空気中を漂い、それを吸い込むことで感染します。

いわゆる空気感染です。

学校のように、

* 長時間

* 同じ空間で

* 多くの人が過ごす

環境では、ひとりの患者から周囲へ感染が広がりやすくなります。

今回の事例では、日本語学校という特性上、外国籍の学生が多いことも背景にあったと考えられます。母国でのBCGワクチン接種歴や、過去の健康診断の記録を正確に把握するのが難しいケースも少なくありません。

ただし、ここで大切なのは、

「外国人だから危険」という話ではない

という点です。

感染源は、意外と身近にある

結核菌に感染しても、すぐに発症するとは限りません。

多くの場合、免疫の力によって菌は体内に抑え込まれ、症状のない「潜在性結核感染症」の状態で経過します。

ところが、

* 加齢

* 糖尿病などの持病

* 体力や免疫力の低下

をきっかけに、突然発症することがあります。

つまり、感染源は学校や職場だけでなく、

実は「家族」や「身近な大人」であることも少なくないのです。

 子どもにとって、結核は重くなりやすい

特に注意が必要なのが、小さな子どもへの感染です。

乳幼児が結核に感染すると、

* 全身に菌が広がる「粟粒結核」

* 脳を包む膜に炎症が起きる「結核性髄膜炎」

など、重症化しやすい傾向があります。

そのため、日本では乳児期のBCGワクチン接種が重要とされてきました。

「よく分からないけれど、受けておくもの」ではなく、

命を守るための現実的な対策なのです。

早く見つければ、広がりは防げる

今回の茨城の事例では、保健所が早期に対応し、感染拡大は抑えられたとされています。

結核は、早期発見・早期治療によって、周囲への感染も重症化も防ぐことができる病気です。

* 長引く咳

* 微熱やだるさ

* 体重減少

「風邪かな?」で済ませず、気になる症状が続くときには、受診することが大切です。

 おわりに

結核は、決して「過去の病気」ではありません。

でも同時に、**正しく知れば、過度に恐れる必要のない病気**でもあります。

見えにくいリスクほど、

「知らないこと」が一番の落とし穴になります。

家族を守るために。

子どもを守るために。

そして、自分自身を守るために。

ときどき立ち止まって、

「結核は、今も身近にある」という事実を思い出すこと。

それが、静かだけれど確かな予防につながるのだと思います。