年頭からお怒りモード
地域ケアシステムに関わる主要なメンバーの一つが行政機構である。介護保険法に明確に明記されていると改めて主張するまでもなくこのシステム構築の主体者は保険者である地方公共団体である。介護保険制度は日本の地域福祉を根本から変えた。と言うより法の建付けが変えなさいと命じている。この制度の設計者たちはこの制度を大きく、広く、賢く使って日本版福祉制度を構築していきましょうと言う強いメッセージをこの法の主旨に埋め込んでいる。実際に制度設計に加わった官僚、有識者たちの著述、インタビュー記事などには溢れんばかりの熱意を感じ取ることができる。
しかし悲しいことにその果実をまだ我々国民には手にしていない。それは何故か。問題は運用を担う行政官、特に地方の行政組織にある。行政機構にこのネットワークシステムの参加者としての意識が薄いからである。(主要な)メンバーであるにも関わらず、措置時代の体質をそのままに、管理者然としているからである。これほど使い勝手の良い、資金も豊富な制度にも関わらず、宝の持ち腐れどころか、保険者はこれを塩漬けにしてサビだらけにしようとしている。
現場ではチームケアの練度の向上、IT機器の進化もあって医療、介護それぞれのスタッフは日々連携を深化させている。本当に長足の歩みである。なぜそうなるのか、チーム内部において共通の目的があり、それを進める合議体ができていて、そこに長い時間が積み上がると、ケアチーム内での連帯が生まれ、倫理、道徳が共有されていくからである。なにより加わるのが大切なのである。長く加わることにより、その所属集団内に道義的責任が芽生え、自己と所属集団との価値が均衡し、このチームをより良きものにしようという創造の駆動力生まれるのである。メンバーの誰かが(もしくは外部の強力な力が)そこに、原則論(管理のための理屈)のみを言い募るとどうなるか。個々のメンバーの内なる声はそれぞれの自己規制の陥穽に落ちてゆくだけである。そこで許される管理マインドは最小限であるべきで、反対にメンバーそれぞれに自己管理を強要するという、あのおぞましき管理の究極形に向かうなら、想像したくは無いが地域包括ケアシステムが描き出す未来は閉ざされたに等しい。
次回は選挙絡みで少しだけ。
令和8年1月16日