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稽古不足でも昇段審査に挑む心構え —— 村島弘之/剣道歴20年

2026.01.16 06:15


昇段審査が近づくたびに、胸の奥がざわつく。

「本当にこの稽古量で大丈夫だろうか」

社会人剣士であれば、一度は必ず抱く不安だと思います。

学生時代のように、十分な稽古時間は取れない。

仕事、家庭、体調。

言い訳に聞こえるかもしれないが、それが現実です。

稽古不足の状態で昇段審査に挑むとき、

まず受け入れるべきことがあります。

それは——完璧ではない自分です。

足りないものを数え始めると、きりがありません。

打突の鋭さ、体力、間合いの感覚。

若い頃の自分と比べれば、見劣りする部分もあるでしょう。

しかし、昇段審査は「稽古量」を測る場ではありません。

問われているのは、

剣道としての在り方が、身体と心に根づいているかです。

社会人剣士には、社会人剣士の剣道があります。

焦らず、無理をせず、

一打に至るまでの判断を大切にする剣道。

稽古量が少ないからこそ、

無駄な動きはできない。

勢いだけで打つこともできない。

だからこそ、一歩一歩が丁寧になる。

審査当日に必要なのは、

「上手く見せようとする心」ではなく、

「剣道から逃げない姿勢」です。

打てなくても、崩れてもいい。

その瞬間に、立て直そうとする心があればいい。

礼を失わず、間合いを尊び、

相手と正面から向き合う。

それだけで、剣道は嘘をつきません。

稽古不足は、不利ではあります。

しかしそれは、挑戦する資格がない理由にはならない。

これまで積み重ねてきた年月、

剣道と共に悩み、立ち止まり、続けてきた時間。

それらはすべて、あなたの剣道に刻まれています。

昇段審査とは、

「今の自分で、どこまで剣道を体現できるか」を

静かに確かめる場なのだと思います。

結果に一喜一憂しすぎず、

ただ、今の自分として立ち切る。

それが、稽古不足でも昇段審査に挑む

社会人剣士の心構えです。