パラスポーツ体験会「P.UNITED パラスポーツパーク」開催
2026年1月17日、ミラノ・コルティナパラリンピックを3月に控えた東京国際交流館にて、パラスポーツ体験イベント「P.UNITED パラスポーツパーク」が開催された 。トークセッションにはパラアイスホッケーの石川雄大選手と、日本車いすカーリング協会の持田靖夫氏が登壇。
世界最高峰の舞台へ挑む熱き決意と、競技が持つ深い人生哲学を語り合った 。
パラアイスホッケー日本代表として初のパラリンピックに挑む石川雄大選手は、現在の心境について「やっとスタートラインにやっと立てたことが本当の勝負だっていう風に思っています」と覚悟を語る 。初戦で激突する世界ランキング3位の強豪チェコについては、「アメリカ代表とよく一緒に練習をしていると聞く。急速に強くなって自分たちの形を作った、自力がありアグレッシブなチーム」と警戒を強める 。格上を相手にする戦略として石川選手は、「アイスホッケーはミスが必ず出るスポーツ。大量失点をしないこと。とにかくしっかり守りきれば、相手のミスから点を取るっていうチャンスは必ず生まれる。ディフェンスを固めて自分たちの形を作ることがキーになる」と勝利への道筋を示した 。
石川選手は、自らの波乱に満ちた歩みについても振り返った。大学時代に骨肉腫を患い、その抗がん剤治療の中で腎不全を発症した石川選手は、母親からの腎臓移植を経て氷上に復帰した経緯を持つ 。石川選手は、「大学に落ちた不幸が命を救ってくれた。腎臓に関してはその抗癌剤の治療で起きた不幸を家族が救ってくれた。そんな不幸がポジティブに変わっている部分はたくさんある」と述懐する 。さらに「自分の生き方をしっかりできていれば、それが母親、父親、家族への報いというか感謝に繋がっていくのかなと思う」と、家族への想いを自身の使命として昇華させている 。
一方、16年ぶりのパラリンピック出場を掴んだ車いすカーリングの現状について、元日本代表コーチの持田靖夫氏は大きな期待を寄せる 。今大会では混合ダブルスの小川亜希選手が日本選手団の旗手に選出されており、持田氏は「昨日その決定の通知が来たり、小川選手が旗手として選ばれたりというところで、本人たちの心の中でも強く思う部分がまた出てきたのではないか」と選手たちの高揚を代弁した 。代表の中島・小川ペアの強みについて持田氏は、「言われたショットをきちんと決められる選手ってそういない。彼らはショットをきちんと決める技術が非常に高い」と評価する 。長年チームメイトとして活動してきた2人の絆を「どういうものの言い方をすれば、どういう風に捉えてくれるかをお互いに理解している。リスクを外してコミュニケーションを取れるのはあの2人ならでは」と分析した 。
旗手を務める小川亜希選手の成長についても、持田氏は「もともと技術はあったが、ミックスダブルスで最後のショットを投げ続ける場数をたくさん踏んできた。弱かったボトムの部分が非常に高くなり、精神面でも度胸がついた」と太鼓判を押す 。昨年の世界選手権で金メダルを獲得している実績はあるが、持田氏は「競技スポーツ、特にこの種目は何があるか分からない怖さがある。一瞬で物事が変わってしまう」と気を引き締めつつ、「どんな結果でも構わない。悔いがないように戦い抜いてほしい」とエールを送った 。
競技の普及について持田氏は、「車椅子カーリングは30分あると大抵できる。絶対に楽しかったと言って帰ってもらえる自信がある」と言い切る 。都心のアリーナでの体験会を通じ、健常者を巻き込み、車いす利用者が仲間と一緒に来やすい環境を整える重要性を説いた 。ミラノ・コルティナの舞台へ向かう選手たちは、それぞれの想いを胸に、2月14日の軽井沢アイスパークでの最終公開練習を経て、2月28日の出発へと備える 。
取材:JunkoSato/SportsPressJP
text by TLM/SportsPressJP