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ロンドンは、まだ故郷ではない

9.11を題材にしたミュージカル、Come From Away

2019.03.08 19:44

ちょっと一味変わったミュージカルを観てきました。

ニューヨークのブロードウェーで大ヒットし、ロンドンでも今年の1月から始まったCome From Away。



9.11が題材の実話を元にした作品で、あらすじはこんな感じ。


9月11日にパリからアメリカに向かって飛んでいたアメリカン航空の飛行機は、テロ発生後にカナダに緊急着陸することになる。

着陸しても飛行機の中に1日以上閉じ込められ、機内で気がおかしくなる人もいる中、ようやくバスで運ばれて辿り着いたのはデンバーという小さな街。

デンバーの市長はじめ、住民は、辿り着いた難民たちを無償の優しさで受け止め、全力でサポートする。ようやく帰れることになった数日後には、それぞれの乗客とデンバーの人々の間で小さなドラマが生まれていた、


といった感じです。



観た後は、じんわり感動して、温かな気持ちになります。人の優しさって素晴らしいな、という単純な喜び。


宗教の違いからご飯がロクに食べられない人、家族が心配で気が滅入る人、それぞれの苦悩をただただ受け止め、助けようとする気持ちに心が動かされる。


観る前は、なんとなく暗い内容なのかな、と思ってたのですが、ジョークも頻繁に入り、笑いどころもたくさんありました。



そして、何よりユニークなのは構成。


だいたいのミュージカルが中休憩を入れて3時間ほどであるのに対し、これは1時間半ぶっ通し。

ステージの大掛かりな装飾はほぼ無く、机とテーブルだけ。キャストは12人のみで、1人数役以上をこなしながら物語を進めていく。

この最低限のステージとキャストの活用の仕方が見事です。ちょっとした衣装小物や話し方(アクセント)で一瞬に別人になりきり、イスやテーブルを駆使して瞬時にシーンを切り替える。

よく観ていないと、12人だけで回していることには気づかないはずです。



あと、音楽がなぜかアイリッシュ民謡的な(手を組んで回って踊りたくなるような。伝われ!)ものなんですが、エレキギターやバイオリンがいい感じに混ざったモダン民謡になっていて楽しかったです。


ただ、ステージが大掛かりじゃない分、セリフがどうしても説明的になりがちなので、耳が英語になれてないと聞き取りはかなり厳しいかも。



入り口には世界地図があり、来場した人が出身地にピンを指していました。

日本も10本くらいあったよ。

奥はイギリス。どっさり紙が釣ってあって、何が何だかですね。笑