【流 通】日鉄興和不動産 農業事業に新規参入
日鉄興和不動産は、不動産事業の領域拡大として農業事業にする。これに伴い、日本農業と共同で日鉄興和不動産農業を設立した。
農業事業の第1弾として、北海道室蘭市に日鉄興和不動産が保有する約5haの遊休地で、早期多収が期待される注目の生産方式「高密植栽培」を採用したりんご生産を2026年4月より開始する。今後、広域エリアを対象として段階的に農地を拡大し、多様な作物の生産を通じて、地域に寄り添い、地域と共に成長するアグリデベロッパーを目指す。
日本の農業は、就業人口の減少・高齢化、生産性の停滞、気候変動といった深刻な課題に直面している。政府は2030年までに輸出額5兆円、食料自給率45%(※2)を目指し、法人参入や大規模化を推進している。
日鉄興和不動産はこれまで日本製鉄の製鉄所エリアに事業所を構え、製鉄所の遊休地を中心に住宅開発や大型商業施設の展開など、一貫して「製鉄所と共にある街づくり」を手掛けてきた。この長年の実績を通じて培ってきた自治体との信頼関係や、エリアの産業構造・人口動態・土地利用への深い理解が、今回の農業事業参入の基盤となっている。
こうした地域理解を土台に2024年には、スマート農業スタートアップAGRIST への出資および業務資本提携を通して、農業分野の知見とネットワークを得ることができた。また持続可能な農林水産業を目指す「ONE SUMMIT」への協賛やセミナー登壇を通じ、そこに集う農林水産業界関係者や政策担当、自治体関係者、投資家の方々と意見交換を重ねてきた。
これらの活動を経て、農業分野においては不動産事業と同様に土地に根ざした事業として収益を確立し持続的に展開することが重要であると判断し、農業を新規事業として推進し事業モデルの確立に取り組むこととした。
農業事業は、2016年に創業し農産物の生産から販売・輸出まで展開する次世代アグリカンパニーである日本農業と連携して推進する。同社の持つノウハウを活用しながら確実な事業構築を目指す。不動産事業を通じて土地と向き合ってきた日鉄興和不動産にとって、農業はその延長線上にある事業と捉えており、継続して収益を確立することで持続的に地域の価値を創造していく。
※ 高密植栽培
世界的に主流となってきている収益性、効率化を求める栽培方法。日本で広く採用されている方法で、栽培するりんごの1反当りの平均収穫量は約2トンだが、高密植栽培では3倍に当たる1反当り約6トンの収穫が可能とされている。1本1本の樹を細く仕立てることで面積当たりの定植本数を増やし、また樹を一直線に並べて植えることができるので、農作業の効率化に適している(日本農業HPより)
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