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Daisuke & Kana

「なんで東大卒なのにダンスのプロなんかになっちゃったの? 〜邂逅編〜」vol.5

2017.08.22 12:55

「お見合いは爆発だ!」

バーニーズニューヨークとは何か?

一言で言えばオシャレな服屋である。

置いてある商品はオシャレメンズ御用達ばかりで、店にはドアボーイ(イケメン)ももれなく標準装備されている。

 

なぜそんなところにいたのか?

お見合い用の服を買うためである。

なぜそんなことを思いついてしまったのか?

前回言及した整体の先生のお客さんにバーニーズの社員さんがいたりしてまあそういうことである。

深くは聞くな!

店舗空間が放つオシャレすぎるオーラにあてられて居心地の悪さすら感じ始めていた僕だったが、こんなところで怯むわけにはいかなかった。

中に入らなければ買い物すらできないのだ。

ドアボーイさん(イケメンかつオシャレ)が挨拶とともに笑顔でドアを開けてくれるのに対して「すいませんすいません」と口の中でごにょごにょ言いながらダンサーにあるまじきグニョグニョした姿勢と態度で店内に入る。

 

予想通り。

もうね、オシャレすぎて居心地悪い。

適当に着てきた量販店のワイシャツ(仕事着)とユニクロのジーンズが一層気分を盛り下げる。

ダウナー系ドラッグがバッドにキマった時はこんな気分なんじゃないだろうか?

もう一度言おう。

「居心地わるーーーーい!」

しかし僕は戦わねばならない。

さて、ほとんどの方は「えー、どんだけ?」と思うであろう。

なめてはいけない、なんといってもバーニーズである。

それまでのメインウェポンがユニ◯ロである僕をなめてはいけない。

 

「だって……お高いんでしょう?」

はい、高いです。

ユ◯クロと比べると(そもそも比べること自体間違っているのだが)値段の桁が一つは違います。

値札をチェックするたびに「ヒィ」と小さな悲鳴を上げてしまうのがユニクラーのデフォルトアクションである。

わかりやすく戦闘力で言えば、フリーザやセルレベルの敵がうようよする戦場にうっかり迷い込んだYAMUCYA……。

それがまごうことなき僕であった。

そんな状態でも気合を入れて、紹介して頂いた社員さんにトータルコーディネートしてもらった。

ジャケットとパンツとネクタイの3点セット。

請求額はもう昇竜拳(強)も真っ青の上昇具合を記録。

危険です!

初号機のシンクロ率が400%を超えています!

 

人生でこんな高い服を買うのは初めてであった(燕尾服を除く)。

 

しかし……。

ここは退(ひ)けん!

退けぬわけがあるのだよ!

 

そう、僕にとって今回だけは絶対に外せない。

なんせ自分のダンス人生がかかっている。

この機会を逃せば次に良さそうな人が来る確率は更に減ることになり、ひいてはダンス人生にも黄信号どころか赤信号が点灯しかねない。

まさに冒頭の言葉通り爆発的威力と覚悟を持って臨まねばならない一戦。

例えるなら桶狭間の戦いや関ヶ原の合戦、日本海海戦・ミッドウェー海戦であった。

できうる限りの布陣を敷き、最強の状態で臨まねばならないのだ。

 

そして迎えた当日、僕は西荻窪駅の改札でお見合い相手を待っていた。

全身から溢れ出るエネルギー。

そうか……これがバーニーズの力か……。

さあ、どこからでもかかってこい!

 

お見合い相手が現れた!

どうする?

 

 あいさつする

 ふくをみせる

 にげる

 

まあここは手堅く「あいさつ」だな!

 

「こんにちは、小野です」

「はじめまして中村です」

「……(さあ、服かっこいいですねとか言え!言うんだ!)」

「……」

「……(おかしいなあ)」

「……」

 

お見合い相手はとくにはんのうしない!

 

「……じゃあ教室こちらなので」

「はい」

 

*  バーニーズはその後すぐ脱いでダンスウェアに着替えました

*  総着用時間5分未満

 

今日の結論:「バーニーズ意味なかった」

ドギャァアアアアン(効果音)。

あ、購入したジャケットはいまも現役で愛用してます!

バーニーズ最高だネ!

 

こうして僕と佳菜先生はパートナーシップを組むことになったのでした。

邂逅編 おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

それは

 

あらたなる

 

たたかいの

 

はじまりに

 

すぎなかった

 

……。

 

 

つづく