ウィンザーチェア
こんにちは。
日本海側では雪が結構降っているようですが、皆様のお住まいの地域はいかがでしょうか?
当店の所在している宮城県仙台市より少し西側にあるエリアですが、雪は降っても積もらないのが特徴です。
山形のお客様が毎年この時期にいらっしゃると、雪の少なさに驚かれていくほど・・
ただ、風が強いので、体感的には寒く感じるかもしれませんね。
この季節は室内でのんびりと本を読んだりコーヒーを飲んだりする時間が格別です。
お部屋を整えて、気持ちのいい空間を日々に取り入れましょうね。
さて、本日はイギリスと日本のつながりのある、このチェアをご紹介いたします。
イングランドの森から暮らしの傍へと寄り添った、ウィンザーチェアです。
アンティーク家具の中でも、ひときわ素朴で、どこか懐かしさを感じさせる椅子、それが「ウィンザーチェア」です。
今回は、イングランドの深い森で産声を上げ、やがて海を越えて日本の民藝運動にも影響を与えた、この椅子の奥深い歴史をご紹介いたします。
ウィンザーチェアの起源は、17世紀後半から18世紀にかけてのイングランドとウェールズにあります。
特定のデザイナーが考案したものではなく、現地の職人たちが身近な資源を活用して作り上げた「自然派生」の椅子でした。
その最大の特徴は、適材適所の木材使いにあります。
エルム(ニレ)は 割れにくく強固なため、座面に。
ビーチ(ブナ)やアッシュ(タモ)は曲げに強く加工しやすいため、背のフレームや脚に。
ユー(イチイ)は非常に硬く、滑らかな木肌。
このように、周辺の森林に生息する樹木を巧みに組み合わせることで、軽さと丈夫さを両立させたのです。
なぜ「ウィンザー」と呼ばれるようになったのか。そこには面白いエピソードがあります。
当時、ロンドン近郊の「ハイ・ウィッカム」という町は、椅子の部材や職人が集まる一大生産拠点でした。
折しも時代は産業革命。急増する一般市民の需要に応えるため、ハイ・ウィッカムの工房では効率的な分業制で椅子が次々と作られました。
それらの椅子がロンドンへ運ばれる際、中継地点となったのがウィンザー城のある「ウィンザー」の町でした。
人々が「あのウィンザーの方から来た椅子」と呼んだことが、その名の始まりだと言われています。
19世紀にはロンドン万国博覧会にも出品され、ウィンザーチェアは名実ともにイギリスを代表する工芸品としての地位を確立しました。
ウィンザーチェアを見て、「どこか日本の古家具に似ている」と感じたことはありませんか? 実はその感覚は正解かもしれません。
1920年代、日本の民藝運動の父である柳宗悦は、イギリスでウィンザーチェアに出会い、その美しさに深く感銘を受けました。
名もなき職人が作る「用の美」を追求したウィンザーチェアは、まさに柳が提唱する民藝の理想そのものだったのです。
柳が収集し、日本で紹介したことで、この椅子は日本の工芸の世界にも深く浸透しました。
日本人の感性にしっくりと馴染むのは、こうした歴史的な背景があるからなのです。
当店にはさまざまなウィンザーチェアがございます。
日本の民藝の起源にもなった、イギリス伝統のウィンザーチェア。
ぜひコレクションに加えてみてはいかがでしょうか?