国内最初の洋食器メーカーはなんと燕市にあった!?歴史あるメーカーを背負う若き専務の挑戦とは…
皆さんこんにちは、ぐるっとキッチン編集部Mr.Kです。
ぐるっとキッチンは今年もフードビジネスや自社に関する情報をはじめ、飲食店のキッチンや地域をぐるっと回って見つけたお役立ち情報などをゆる~く配信していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
さて昨年燕の老舗カトラリーメーカー㈱サクライさんの記事を投稿いたしましたが、皆さん覚えていらっしゃいますか? だいぶ時間が経っていますのでおさらいの意味でもこちら↓↓↓
ここでのメーカーさんから聞いた開発のストーリーや想いにとても感銘を受け、また「メーカーさんに行くのって楽しいっ!!」と純粋に感じました。
と同時にこんな気持ちにもなったんです。
『他のメーカーさんにも行ってみたいっ、お話聞いてみたいっ』
そうなったらもう最後、新たなる取材先はどこがいい⁉
鍋か⁉それとも包丁⁉、様々なメーカーさんの集合体でもあるここ燕市、う~ん悩ましい・・・
悩みに悩み抜いてMr.K決めました!
『そうだカトラリーメーカー、行こう!』(結局)
なんか昔CMで聞いたことのあるフレーズですが(笑)、違うカトラリーメーカーも見てみたくりました 。
じゃあどこへ行くか?
ここでタイトルに触れます、すでにネタバレですが・・・
「国内最初の金属洋食器メーカー」はここ燕市にあるのです!!
カトラリーの産地として全国的に有名なのはもはやいうまでもありませんが、まさか日本で初めてのメーカーが燕市にあるってスゴくないですか⁉
そんな「国内最初の金属洋食器メーカー」がこちら↓↓
それが燕物産株式会社様です。
創業はなんと1751年(宝暦元年)、初代捧吉右衛門さん(この名前がとっても重要)が金物屋を開業なさったのがその始まり。
※ちなみに宝暦も全くピンときませんが、要するに江戸時代で時の将軍は徳川家重だとか。
時代は変わり1911年(明治44年)、8代目捧吉右衛門さん(また出てきました)の時、東京銀座十一屋商店から洋食器を受注。 これが燕での初の金属洋食器の製造となり、日本初の金属洋食器専門メーカーとなります。
これは鎚起の技術で金属洋食器を製造した工程見本です(もちろんホンモノ)。 今でこそ金型を使用しての製造が当たり前ですが当時はまだ明治時代、金型を使用した機械加工なんて出来る道理がありませんね。 じゃあどうしていたのか…、 真鍮の板をたったの金槌1つで叩いて成形していました!(スゴい)
そして1974年、総理府のご用命により赤坂迎賓館へ洋食器・器物を納品。時の英国女王や米国大統領の晩餐会に使用されました。
簡単に言っていますがとても価値があり、名誉ある出来事なのです。
迎賓館は国が外国元首や首脳をもてなす公式施設で、そこで使用される器物は「格式・耐久性・美観・安全性」の全てが要求されます。
つまり政府が国家の公式場で使用する器物として燕物産さんを選んだことを意味し、民間の受注とは別次元の信頼とも言えます。
さらに1981年、なんと当時の皇太子殿下、皇太子妃殿下のご行啓を賜ります。 “ご行啓(ぎょうけい)”とは全く聞きなれない言葉ですね(私は初めて聞きました)。 行啓とは、『皇太子殿下・妃殿下が公式に外出・訪問される』こと、それを賜る・・・、つまりは
『燕物産さんに当時の皇太子殿下、妃殿下が来場された』
そして2011年、「金属洋食器製造100周年」を向かえます。
100年企業ってなかなかないですよね⁉
とにかくあまりにも歴史が長すぎるので沿革をどうぞ↓↓
燕物産さんの企業理念は『匙屋に徹す』。
皆さんは“匙屋”読めますか?
これは“さじや”と読みます。
じゃあ“さじや”の“さじ”とはなんのことか?
匙を投げるとか匙加減なんて言葉がありますが、その言葉の意味や燕物産さんがなんのメーカーさんか考えれば答えはいたって簡単、“スプーン”です!
金属洋食器製造一筋110年の経験と技術をこの次の100年も繋げていき、産地燕に地域貢献する、という想いが込められているそうです。
なんとも燕物産さんらしい理念ですね°˖✧◝(⁰▿⁰)◜✧˖°
ちなみにこちらの社長様は、今でもこだわりで“しゃじや”とおっしゃているとか。 燕三条の要素を盛り込み、地場と共に生きていく想いを込めているんだそうです(素敵な話)。
そんな燕物産さんが110年以上技術を守ってきた工場はこんな感じです。
おっと流れてきたのは・・・
当社のスプーンでした(いつもありがとうございます!)。
燕物産さんではセシリアをはじめ、オルフェ、ブローニュ、シェルブール、ステファニー といったEBMブランドのほとんどを製造していただいています。
もちろん燕物産さんには魅力的な自社カトラリーシリーズがたくさんあります、ここでいくつかご紹介いたしましょう☝
【Laurel月桂樹】
稲穂と月桂樹をモチーフにしたロココ調デザイン。 100年変わらない日本最古のカトラリーで燕物産さんの代表的シリーズです。
【Newportニューポート】
ヨーロッパのオーソドックスなデザインで手に馴染む扱いやすいフォルムが特徴のベストセラーシリーズ。
ホテル・レストランはもちろんシーンを選ばない定番スタイルです。
【Voyageヴォワージュ】
細く、長く、厚みを強調したスリムボディ。手に持ったときのその美しさが魅力のシリーズです。
【Zehnジィーン】
コンテンポラリーで高貴なデザイン。 ドイツ様式のそのデザインは壺型の丸みを帯びたデザインが特徴。
ティアドロップ型のコンテンポラリーなハンドルデザインも人気を集めています。
まだまだたくさんありますが、きりがないのでとりあえずこの辺で。
とにもかくにも燕を代表するメーカーさんであることは間違いないわけですが、今回色々お話を伺ったのがこちらの方 ↓↓↓
専務取締役の捧開維(ささげかい)さんです!
開維と書いて“かい”と読みます。
(※専務のお召し物が半袖なのには理由があります。そもそも取材でお邪魔したのが昨年の夏だったから。ここまで時間がかかってしまい専務大変申し訳なく、猛省しております)
ところで、先ほど何度も登場した「捧吉右衛門」さん、1つの固有名詞が何代にもわたって受け継がれていく(歌舞伎や落語が代表的)この仕組み、皆さんはご存じですか? これを
『世襲制(せしゅうせい)』といいます。
世襲制というと、「なにか特別な許可が必要なのでは?」みたいなイメージがありますが、特に国が認めているとか、法律とかそういうものではありません!
“この名前は、こういう役割を果たし、こういう姿勢で守られてきた。だから次もその次もこの名を名乗る”
「名前が残せるのではなく、名前を残せるだけの仕事をしてきたから残った」
というわけです!(我ながらいい表現出ました)。
しかしながら100年以上続いてきた技術と名前。
それを「受け継ぐ」ということは、誇りであると同時に、私では想像もできないとても重い責任でもあるわけです。
積み重ねてきた歴史があるからこそ、何かを変えるのも簡単ではないでしょう。
それでも時代ってやつはそれを待ってくれません。
ではその重みといったいどう向き合い、どこへ向かっていくのか・・・。
燕物産さんの“いま”と“これから”について聞いてみました。
ということで次回インタビュー編をお楽しみに!
以上Mr.Kでした。
※今回は難しい漢字も多く、初めて聞く言葉ばっかりでした😓