令和6年 雇用動向調査 厚生労働省
データをことばに・数字を観える化、文章化
*令和6年 雇用動向調査 厚生労働省 ONEで整理し記載
Ⅰ.結果の概要
入職・離職の全体動向(2024年)
2024年(令和6年)の常用労働者における
入職者数は7,473.7千人、離職者数は7,195.3千人であり、
入職者が278.4千人上回る入職超過となった。
入職率:14.8%
離職率:14.2%
入職超過率:0.6ポイント
前年(2023年)と比較すると、
入職率:▲1.6ポイント
離職率:▲1.2ポイント
入職超過率:▲0.4ポイント
→ 雇用の流動性自体が低下していることが確認される。
2.性別による動向
| 区分 | 入職率 | 離職率 | 入職超過率 |
| 男性 | 12.9% | 12.6% | 0.3 |
| 女性 | 16.8% | 16.0% | 0.8 |
男女ともに入職超過
女性の方が入職・離職ともに高水準
労働市場における女性の流動性が依然として高い
3.就業形態別動向
| 区分 | 入職率 | 離職率 | 入職超過率 |
| 一般労働者 | 11.8% | 11.5% | 0.3 |
| パートタイム | 22.7% | 21.4% | 1.3 |
パートタイム労働者は高い回転率
ただし前年と比べ、
パートの入職率:▲4.8ポイント
離職率:▲2.4ポイント
→ 非正規雇用における人の動きが急速に鈍化
4.雇用期間別の入職・離職(2024年)
一般労働者
定めなし:入職 3,260.8千人 > 離職 3,241.1千人
定めあり:入職 1,077.0千人 > 離職 990.6千人
→ 両区分で入職超過
パートタイム労働者
定めなし:入職 1,316.6千人 > 離職 1,045.6千人
定めあり:入職 1,819.4千人 < 離職 1,917.9千人
→ 有期パートでは離職超過
5.職歴別入職の状況
| 区分 | 人数(千人) |
| 転職入職者 | 4,920.0 |
| 未就業入職者 | 2,553.7 |
| うち新規学卒者 | 1,204.4 |
入職の約66%が転職者
未就業者・新卒入職はいずれも前年より減少
入職率(職歴別)
転職入職率:9.7%(▲0.7pt)
未就業入職率:5.0%(▲1.0pt)
→ 新規参入よりも既存労働者の移動に依存
Ⅱ.構造的な読み取り(分析)
1.「入職超過だが活性化ではない」雇用構造
入職超過は維持されている
しかし 入職率・離職率ともに低下
⇒ 労働市場は「動いているが、鈍い」
これは、
景気回復による積極的な雇用拡大ではなく
人手不足下での消極的な補充
と解釈できる。
2.非正規雇用の流動性低下という変化
特に注目すべき点は、
パートタイム労働者の
入職率:▲4.8pt
入職超過率:▲2.4pt
→ これまで雇用調整弁であった非正規層が動かなくなっている
3.有期パートの離職超過が示す不安定性
有期パートでは離職超過
定着せず、補充も追いつかない
これは、
低賃金
労働条件の不確実性
生活防衛的就業の限界
を反映している可能性が高い。
4.新規参入(若年・非就業層)の弱さ
新規学卒者入職数:▲305千人(前年差)
未就業入職率:大幅低下
→ 労働市場が新規参入者にとって魅力を失っている
## Ⅲ.課題・問題点の整理(論文用)
### 課題①
**雇用の量的維持と質的停滞の乖離**
入職超過は維持されているが、
労働条件・定着性・流動性の改善を伴っていない。
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課題②
非正規雇用の「詰まり」現象
パートタイム労働者の入職・離職の双方が低下し、
雇用調整機能としての役割が弱体化している。
課題③
有期雇用層の持続不可能性
特に有期パートにおいて、
離職超過
人材再供給が起きていない
→ 制度的に「使い捨て」に近い構造が露呈。
課題④
新規労働供給の縮小
新卒・未就業者の入職率低下は、
少子化
労働環境への不信
就労の魅力低下
が複合的に影響している可能性。
Ⅳ.論文で使える総括文
2024年の労働移動は入職超過を維持しているものの、入職率・離職率ともに低下しており、労働市場の流動性は明らかに減退している。特にパートタイム労働者における流動性低下と、有期雇用層での離職超過は、非正規雇用が従来担ってきた調整機能の限界を示している。また、新規学卒者および未就業者の入職減少は、将来的な労働供給制約を一層深刻化させる要因と考えられる。