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統計・データから考える

労働者派遣事業の令和6年6月1日現在の状況 厚生労働省

2026.01.27 13:27



データをことばに・数字を観える化、文章化


*労働者派遣事業の令和6年6月1日現在の状況 厚生労働省 をONEでまとめ 



全体像

派遣労働市場は「人数は微減、構造は大きく転換中」です。

派遣労働者総数:約191万人(前年比▲0.6%)

ただし中身は

・無期雇用派遣が増え、有期雇用派遣が減少

・製造業派遣は明確に縮小

「派遣=不安定」という従来像が、制度誘導で変わりつつある一方、

現場仕事・短期労働は切られやすい構造がより鮮明になっています。


① 無期雇用派遣が増えている意味

無期雇用派遣:81.8万人(+3.3%)

有期雇用派遣:109.6万人(▲3.3%)


ここが重要

これは景気が良いからではなく、

派遣法(同一労働同一賃金)

 労使協定方式(30条の4)

派遣会社側の人材囲い込み

によって、

「有期で回すとコスト・リスクが高い」

 →「無期で抱えた方が管理しやすい」

という事業者側の合理性が働いた結果です。

 つまり

労働者の安定が“自然に”進んだというより、制度設計の帰結。


② 協定対象派遣労働者が多すぎる問題

無期・有期ともに

協定対象が9割前後

これは、

「派遣先の賃金水準」ではなく

「派遣会社内の協定」で賃金が決まる

人が圧倒的多数、ということ。

・賃金決定がブラックボックス化しやすい

・キャリア形成・賃金上昇が個人に見えにくい

就労支援の文脈では、

「派遣=入口としてはOKだが、出口設計が不可欠」という根拠になります。


 ③ 製造業派遣は“静かに縮小

製造業派遣:約41万人(▲4.1%)

特に有期雇用:▲7.6%

これはかなり明確なシグナルです。


背景として考えられること

生産調整・海外移転

自動化・省人化

 景気変動リスクの直撃


 ④ 業務別で見る「今後伸びる/厳しい」

 比較的多い・安定している

一般事務・事務用機器操作

情報処理・IT関連

営業事務・生産関連事務

医療・福祉系(ただし専門資格前提)

構造的に厳しい

 製品製造・加工

 機械組立・検査

日雇派遣(大幅減)

「身体依存型労働 → 知識・調整型労働」へのシフト**が、派遣市場にも明確に出ています。



 就労支援・制度設計の観点での示唆

①「派遣に乗せれば解決」はもう通用しない

無期派遣=安定、ではない

キャリア不透明なまま固定化されやすい

②支援で見るべきは「雇用形態」より「移行可能性」

 派遣 → 直雇用

派遣 → 専門職

派遣 → 在宅・BPO・業務委託

の橋をどう作るか


派遣労働は「量の問題」ではなく「構造の問題」に移行。

支援の価値は、派遣に入れることではなく、派遣から“次”を設計できるかにある。