若い頃に乗っていた旧車ビートルの記憶
この前、ロードサービス会社のホームページを制作する機会があった。
事故や故障で動かなくなった車を運ぶ仕事だ。
写真撮影を行い、各ページの文章を考えながら制作作業をしているうちに、ふと、今から40年ほど前に乗っていたフォルクスワーゲン・ビートルの記憶がよみがえってきた。
1969年式で1500cc。
通称アイロンテールのビートルだ。
その車との出会いは、18歳の頃だった。
免許を取って間もない私は、どうしてもビートルに乗りたくて、餃子の王将でアルバイトをし、3カ月かけて19万円を貯めた。
近所の中古車屋で見つけた黒いビートルは、ボロボロだったけど"初めての愛車"になった。
それから数年経ったある日、母を助手席に乗せて阪神高速を降り、国道の信号で停まっていた時のこと。突然、後ろからとてつもない衝撃を食らった。
居眠り運転のノーブレーキのトラックに追突されたのだ。
ビートルは反対車線に飛ばされ、私の記憶はそこで一度途切れる。
気がついた時には、母も私も病室にいた。
幸い命に別状はなかったが、ビートルは完全に全損だった。
コツコツ手を入れ、少しずつ自分好みの“カリカリ”なチューンドカーに仕上げていた。
音も振動もクセだらけで、今思えばとても乗りにくい車だった。
それでも、あの頃の自分にとっては世界で一番カッコいい車である。
それが、一瞬でスクラップになったのだ。
退院後、警察官からこんなことを言われた。
「事故はもらう側にも、何かあるんやで」
当時は意味が分からなかったし、正直、腹も立った。
でも40年経った今、仕事としてロードサービス会社に関わるようになり、少しだけその言葉の重さが分かる気がする。
もうあのビートルはもう戻らない。
今のミニでそんなトラブルに巻き込まれないように、前方だけじゃなく、後ろに両サイド。目配りしながら安全運転しよう。
あんなことが無かったら今でもビートルに乗り続けていただろうに。