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ロングロッドが魅せるヘビージグ単アジングの新たなる可能性~奥津 剛~

2026.01.30 03:06

7ftオーバーのロッドでジグ単!?
ロングレングスロッドでのジグ単の可能性に迫る。Part 1


2025年の年末。ベビージグ単とニューモデルのロッドを携え、良型アジを狙ってもらったのは、この釣りのパイオニアとも言えるXESTAの奥津剛さん。今回使用したのは、現在開発中の7フィート後半という、アジングロッドとしては「長すぎるのでは?」と思われるほどのロングロッド。その長さを活かした新しいアジングスタイルとは何か……。従来の常識を覆すアプローチを、実釣の中で存分に披露していただいた。


ロングロッド&ヘビージグ単ででかアジ爆釣!
動画はコチラ↓




禁断の7ftオーバーに手を出す!

 1.5g以上のジグ単の釣りをヘビージグ単と称し、大きいアジを狙う上で有効なメソッドであると提唱させていただいてきました。そして、これまで数々の良型のアジをこの記事や動画でご紹介してきました。

 その中で培われた経験を基にXESTAでは6.9ftのレングスでグレードや硬さ別にヘビージグ単を楽しむためのロッドを開発してました。そして大型のアジが釣れるタイミングは強風やシケ模様などラフなコンディションで釣れることが多く、6.9ftのレングスではカバーしきれない状況があると感じていました。しかし、素材や技術的な問題でジグ単を操作する上で著しく操作性が悪化すること、反響感度が鈍くなり掛ける攻めの釣りができないという問題点がクリアできずブランクスの作成に長い年月を要しました。

 この想いは年々強くなり、全国各地でヘビージグ単を楽しむ仲間が増えるにつれ強く7ftオーバーのヘビージグ単ロッドの必要性を感じてきました。ロングロッドは一見すると時代と逆行している印象がありますが、よりオープンエリアへのアプローチを可能にするにはロングロッドの必要性があった訳です。

今までXESTAのヘビージグ単ロッドといえば6フィート9インチだったが、今度はなんと7フィート7インチだ。



7ftオーバーを可能にする新素材

 ブランクスの進化は目覚ましく、日々素材のアップデートが行なわれています。私が手掛けるブラックスターシリーズはこれまで積極的に最新素材を採用し、より軽く、より細身、より強いブランクスを追求して来ました。今回開発したブラックスターエクストラチューンドS77MLX-Sは最新素材のトレカ®T1100G、M40X、M46Xを採用し、ソリッドもトレカ®T1100Gを採用することで、ようやくワンハンドでの操作感を手に入れることに成功しました。しかし、これはまだファーストプロトで、実際に魚を掛けてみないと分からないのがサオ造りの面白くも難しいところです。

そして今回は、完成したばかりのプロトロッドを手に釣り場へ急行してみました。

ブランクは東レの最先端素材を惜しみなく使っている。



冬のディープエリアでシェイクダウン

 完成したプロトロッドをテストするため、あえて強風吹きすさぶ深場が隣接する釣り場へ向かってみました。

 事前情報によるとベイトフィッシュが接岸しておりアジはいるけど連日の強風により非常に釣りづらいということです。いつもは凪の日や無風の日を狙って釣行すること多いですが、今回はあえてラフコンディションでの釣り、私がテストしたい条件にマッチしています。期待と不安を胸に通いなれたフィールドへ向かいました。

通い慣れたフィールドで実釣。ただしこの日は爆風と条件はよくない……。



日中に連発!

 ポイントに到着するとやや風裏であるものの横風が強く通常のアジングではやりづらい状況です。しかし、ロッドのレングスを生かしてミオ筋までジグヘッドをフルキャストしてボトム付近を丹念に探ります。そして、リグが堤防の影に差し掛かった瞬間にカンっという金属的なバイトが出ます。すかさずアワセ入れフッキング。少しドラグを出しながら浮上したのは小型のマダイです。一気に抜き上げ難なくキャッチ。ロッドのパワー感は問題無さそうです。

 その後、同じコースを通すと今度は小型ながらアジがヒット! サイズはともかく嬉しい本命に日中に出会えてホッとします。どうやら沖のミオ筋に魚が入っておらず手前のシェードに群れが溜まっているようです。サイズは小型が中心のようで時折20㎝を超えるサイズがヒットします。そして連続キャッチに成功し幸先のいいスタートを切れました。

サイズこそ決して大きくないものの、小気味のよい引き味で楽しませてくれたデイアジング。



本番のナイトゲームはゲストフィッシュに翻弄

 あたりが暗くなり待望のナイトゲームに突入します。今回のテーマがラフコンディションのディープということで堤防の先端の水深が10m以上あるポイントに入りアジの回遊を待ちます。

 常夜灯が灯って約30分後、ようやく魚からのバイトを得ます。もぞっとしたバイトをすかさずアワせフッキングさせるとラインを引きずり出すなかなか強烈な引きを見せます。丁寧にポンピングしつつ、一気に寄せて水面まで浮かせるとギラリとした魚体……。タチウオでした。その後もまさかのタチウオが連発です。

 本来美味しいゲストフィッシュではありますが素直に喜べません。とにかくディープでアジを掛けたいため作戦を考えることにしました。

この日の釣行に同行したゼスタフィールドスタッフの堀江氏にもこのタチウオが連発していた。



ノングローに軍配!

 タチウオの活性は依然高い状態ですが、水面をよく観察するとその下にはアジらしき魚影が確認できます。そのためアピール力を落とすためワームのカラーをノングローに変更し必要以上に動かさずタチウオの下のレンジを通します。時折レンジ調整のためシェイクを入れますが、必要最小限に留めリーリングを入れて動きを抑制するように調整します。

 このような地味なリグ操作が功を奏しタチウオとは明らかに異なるテンション抜けのバイトが出ます。今回はラインも太いため一瞬の間を入れて吸い込ませてからしっかりとフッキングを入れます。すると一気に走る大型アジ独特の引き!

アピール重視のカラーのワームはアジのレンジに届く前にタチウオが食ってきてしまうのでノングローなどのアピール力を抑えたカラーで狙っていった。



待っていたのはコレコレ!

 と思いつつ冷静にロッドのベントカーブやトルク感をチェックしつつアジを寄せてきます。手前まで来ると大型独特の旋回する引きを見せますが可変テーパーのよさを生かし丁寧にリフトし一気に抜き上げたのは待望の尺オーバーのアジです。苦労して引き出したアジは最高の気持ちになります。撮影を済ませその後も同様のメソッドで良型のアジを連発しMAX35㎝までのアジの数釣りに成功しました。

この日のマックスサイズのアジ。計測すると35センチオーバーと納得のサイズであった。



課題が残るファーストプロト

 今回はファーストプロトモデルを持ち込みディープエリアを回遊するアジを狙ってみたのですが、ブランクスの太さやテーパー、自重など課題が浮き彫りとなりました。

 もっと細いブランクスであればラフコンディションでも風の影響を受けずに操作でき、軽ければ装着するリールも軽くできるなど。これらの課題をクリアすることで、より快適性が上がるはずです。

 このモデルは今後の釣行で少しずつアップデートさせて完成へと近づける作業に入ります。引き続き、ヘビージグ単ロングロッドの開発の過程を皆様へお見せできればと考えています。

バット部をもう少し細身にすることで、今回のような爆風下でも操作性を失わないだろう。




7ftオーバーのヘビージグ単ロングモデル開発中

 今回使用したロッドは現在開発中のブラックスターエクストラチューンドS77MLX-Sです。これまでジグ単での釣りが厳しかった風や波などのラフコンディションでの快適な使用感と足場の高いフィールドや磯など攻略が難しかったフィールドでもストレスなく使用するというコンセプトで開発しています。

超軽量に仕上がった7フィート7インチのヘビージグ単に特化した専用ロッド「ブラックスターエクストラチューンドS77MLX-S」。

今後ますますブラッシュアップされていく予定とのこと。


(タックルスペック)

ロッド:ブラックスターエクストラチューンドS77MLX-S(XESTA/プロトタイプ)
リール:22ステラ1000SSPG(IOSファクトリーフルチューン)
ノブ:アクリスタ新色(IOSファクトリー)
ライン:エステル 0.4号
リーダー:フロロ1号
ジグヘッド:バレットリブヘッドTG 1.5~3.5g
ワーム:ビロードスター 3.25インチ



タングステン素材バレットリブヘッドTGが登場!

 バレットリブヘッドの形状をベースに低重心化させより水中での姿勢を安定した形状へアップデートさせました。この低重心がもたらす効果として常に針先が上を向きます。これによりイレギュラーな流れやバイトがあっても針先が上を向くため、ミスフッキングを極力回避するという性能を持っています。

 さらに大型のアジに対応する太軸、弱オープンゲイプの金針仕様で大型アジと対峙するヘビージグ単フリークへ向けたスペシャルな仕様となっています。

バレットリブヘッドTG。既存のバレットリブヘッドのタングステン製がついにXESTAから発売となった。

左が既存のバレットリブヘッド。右が今回発売となったバレットリブヘッドTG。同じ3.5gでもこのサイズ感の違いに驚かされる。




 ロングレングスロッドが活きるシチュエーション

 ロングレングスのメリットは強風時や波がある状況や足場の高いエリアでもリグを安定して操作しやすいということです。6ft前後が王道のアジングシーンですがロングロッドであれば、障害物が多いフィールドや磯でも安心したファイトを行うことができます。特にこのモデルは可変テーパーとなるよう設計しておりアジの急な突っ込みでもフックアウトを防ぎキャッチへと導きます。

強風時の足場の高い場所などではラインコントロールが難しい。その点ロングロッドならティップを下げることで水面付近までティップを落とすことができ、ラインのフケを最小限に抑えることができる。

ロングレングスだと、それだけロッドを曲げて対峙することができ、でかいのが来ても獲れるチャンスが大きく広がる。



TGである理由

 潮の速いエリアや深場などタングステンが活躍するフィールドは多いです。通常の鉛素材と比較すると体積を小さくできるため今回の釣行のようにリグの存在感を消し、素早く狙いのレンジでリグをアピールすることがきます。ただしタングステンで全てのシチュエーションを網羅することはできないため、鉛素材や他の素材などを上手く使い分けることが釣果アップの秘訣となります。

TGは深場、表層中層をかわして一気にボトムまで落としたいとき、感度を優先したいときなど活躍できる場面は多い。


デイアジングの狙いどころ

 デイゲームはアジの警戒心が大変強くなる時間でもありますが、アジは常にエサを探しています。そのためアジが安心して捕食できるエリアにリグがいかに入るかがキーポイントとなります。

 私が普段意識するポイントとしてシェードがあること、船の往来を確認してミオ筋周りを狙うことを念頭に置いて釣りをしています。船の往来が多いときはチャンスで船が通過した直後は水が撹拌されて一時的にアジの捕食スイッチが入ることがあります。

日中、基本的にはアジはシェードなどで身を潜めていることが多い。堤防でできる影、沖の深場などを重点的に狙っていきたい。


ワームのカラーローテ

 ゲストフィッシュが多く、ワームのアピールが強いとタチウオが先に喰ってくるといった状況でした。そのためリグのアピール力を下げることがアジに口を使わせるポイントとなりました。

 今回のアジの釣果の多くは、ノングローのワームに軍配が上がりました。しかし長時間同じカラーのワームを使い続けるとスレるのかバイトが遠のくことがあったため、ノングローの中でローテーションを行なう必要がありました。特にクリアシルバーラメ、クリアアカアミ、ケイムラクリアシルバーホロ、ケイムラピンクシルバーの4色を多く使用し釣果を伸ばしました。

いくら活性が高いといって釣れるカラーのワームだけど連続していると、必ずスレてくる。そうなる前にこまめにカラーローテを試してみよう。




Profile

奥津剛(おくつ・たけし)

大学院で研究していたプランクトン、海洋学の知識を活かしたリアルなタックル開発を目指す。ブラックスターシリーズの生みの親でもある。
instagram@okutsu_xesta_fishing