大好きな作品のデザイナーに会えた日
息子が大好きな曲「テトペッテンソン」。みんなのうたの中でも特に好きな曲で、家でも繰り返し観ています。カラオケではまず最初に歌う曲。そして数曲挟んでまた歌い、1回のカラオケで3〜4回は歌っています。
その「テトペッテンソン」のデザインを担当された中村至男さんの展示会が開催されていることを数日前に知り、これは行かねばと家族揃って行ってきました。
会場はとても賑わっていて、声をかけるタイミングを見つけられないまま時間が過ぎていきました。息子は状況が理解できないまま待たされ続けているため、段々と我慢できなくなっていきました。まずい、どうしよう。「前の人が話終わるのを待ってからだよ」と説明しますが、それがいつなのかは分かりません。その前の人たちの話の時も随分待っていたので、息子が痺れを切らしているのが伝わります。初対面の中村さんに声をかけるだけでも緊張するのに、息子がパニック寸前になっている状況にも頭を抱えました。環境調整をしないといけないのですが、付き添っている私も夫も状況の見通しが立てられないので、こういう状況の対応の難しさを感じました。
息子が前の人との会話にカットインしそうになる寸前、ちょうど話終えたタイミングを見計らって「すみません!」と声をかけました。
息子は「テトペッテンソンが好きです」とだけ伝えるとフラッと向こうの方へ行ってしまいました。「自閉症で待つのが苦手で…」という説明をすると、中村さんはすごく親切にお話してくださいました。あの作品は、歌詞や映像に意味を持たせず、耳と目の心地良さを追求した作品なんです。その心地良さを気に入ってくれたのかもしれないですね。
なるほど…歌詞の意味より、耳と目の心地良さ。息子が繰り返し好んで聴いていた理由の答え合わせができた気がしました。デザイナーの中村さんから作品のその背景を聞けたことが、何より嬉しかった!
「さよなら」と言って息子は会場を後にしました。淡々としてるけど、喜んでくれたかな。母はめちゃくちゃ感動しているよ。勇気を出して、お話して良かったな。息子の好きに背中を押されて、またひとつ世界の扉を開いたのでした。