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Fashion Source: Art of Being

7番が見えた日— 台所で起きた小さな認知革命 —

2026.02.01 23:00

レンジプリンを作っていた。

ChatGPTに教わった、

「混ぜてチンするだけ」の簡単な手順。


ただ、牛乳ではなく豆乳。

火の入りが微妙で、

固まりきらない。でも味はおいしい。


その状態を、

何度も何度も確認していた。


レンジの前で、

扉越しにプリンを見つめながら、

私は「ちょうどいい加熱点」を探していた。


そのときだった。

ふと視界の端に、

レンジのパネルが入ってきた。

1番から21番まで並ぶ、

料理モードの文字。

—— あれ?

このレンジ、

ボタンひとつで料理できる機能、

そういえばあったんだ。


3年使っていて、

一度も使ったことのない領域。


今日初めて、

それが“意味を持った情報”として

立ち上がって見えた。



そこからの流れは早かった

冷蔵庫を開ける。

小松菜と椎茸が少し。


「このボタン使うなら、何がいい?」と

ChatGPTに聞く。


返ってきたのは、

7番:ラクチンベジ


正直、半信半疑で押した。


すると。

出てきた小松菜は、

水っぽくないのに柔らかい。

椎茸は縮みすぎず、香りが立っている。


塩をひとつまみ足しただけで、

「ちゃんと料理」になっていた。


何が起きたのか

機能が増えたわけじゃない。

スキルが突然上がったわけでもない。


ただ一つ。

全部を自分でコントロールしようとするのをやめた。

それだけ。


プリンの火加減を見極めようと

レンジを見つめていたからこそ、

逆に、レンジに任せる世界が見えた。


足したんじゃない。

削った。


頑張りをやめたら、

存在に気づいた。


これは料理の話だけじゃない

7番は、ずっとそこにあった。

でも今日までは、

「意味のないボタン」だった。


見えなかった理由は、

機能不足じゃなくて、

認知の渋滞だった。


手放した瞬間、

視界が空いた。


そこに、

ずっとあったものが、

普通に見えた。


そして味は

小松菜の歯ごたえ。

椎茸の、絶妙な水分バランス。


これは偶然じゃない。

ラクを受け入れた味。


7番、恐るべし。


プリン作りの副産物として起きた、

台所の認知革命。


今日の発見は、

料理以上のことを教えてくれた。