Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

キャンピングカーで日本一周

2月27日 奄美大島に大型クルーズ船がやって来る⁈

2019.03.07 23:27


奄美大島の瀬戸内町は、人口8,500人ほどの静かな漁村。


昨日訪れた、夢の楽園・加計呂麻島をはじめ、与路島・請島などの有人島や、無人島を有する。


その海の碧さの虜となった旅行者も多く、都心から週末飛行機で飛んで来て、ボーと海を眺め、癒しのひと時を過ごすという人も多数存在するという。


かくいうKY夫婦も、この手付かずの自然に見せられ、すっかりハートを射抜かれてしまった。


そんなわけで、暇に任せて、この町についての情報を検索してみたりしている。



すると、気になる記事が目に留まった。


『【異聞~要衝・奄美大島(上)】「中国にのみ込まれる」大型クルーズ船寄港計画の裏に…』(『産経ニュース』2018.5.1 07:16配信)という記事である。

(https://www.sankei.com/life/news/180501/lif1805010004-n1.html)



 奄美大島西端に位置する瀬戸内町西古見の人口わずか35人の集落に、排水量22万トン級の大型クルーズ船が寄港する計画が浮上したというのだ。


(wikipedia「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」より、転載)



この大型クルーズ船の寄港計画は2016年にもあり、米大手クルーズ会社「ロイヤル・カリビアン・クルーズ」が、本島北部の龍郷町(西郷どんの流刑地として有名)に同規模のクルーズ船で乗客、乗組員合わせて7千人を超える中国人を来島させる計画を持ちかけていた。


しかし、龍郷町はこれを拒否。次いで打診された瀬戸内町もこれを断り、計画は立ち消えになっていたという。



一度断ったはずの瀬戸内町で、なぜ再び寄港計画が持ち上がってきたのか。



さらにネットで検索を進めてみると、これが国が主導する誘致計画であるという事がわかってきた。


国土交通省では、官民連携による国際クルーズ拠点の形成など、クルーズ船の受入環境の整備に取り組んでいる。


2012年11月7日、「全国クルーズ活性化会議」を設立。


当会議は、「寄港の検討に必要な情報が不足しており、それらを一元的に提供して欲しい」との海外のクルーズ船社からの要望に応えるため、港湾の施設情報や寄港地の観光情報を提供し、寄港地の魅力を発信することによりクルーズ船寄港に結びつけ、地域の活性化を図ることが目的。


ここで、全国レベルでクルーズ振興や誘致に係る必要な情報の共有や意見交換を行い、各地域に共通する課題の解決を図るという。


当会議では、鹿児島県知事が、副会長として名を連ねている。



2017年8月10日、「島嶼部における大型クルーズ船の寄港地開発に関する調査結果」(国土交通省 港湾局)を発表。


「クルーズ船が島嶼部に寄港し、ビーチなどでのんびり過ごす」という、一日滞在型の寄港地観光開発を図るというもの。


「2020年までに訪日クルーズ旅客500万人達成」という政府目標を掲げているという。


(以下、国土交通省ホームページより、転載)


寄港候補地の条件としては、


1. 係留施設の設置水深が12m以上あること。

2. 水深12m以上でクルーズ船の回頭域(直径722mの円)を確保できること。

3. 静穏度のよい場所であること。

4. 養殖場がないなど漁業への影響が軽微であること。

5. 珊瑚礁がないなど環境への負荷が小さいこと。

6. 近くに一定のビーチがあるなど観光資源があること。


の6項目を挙げている。



こうした条件を満たす場所として、奄美大島で9カ所、徳之島で1カ所を選定




これを受けて、奄美大島南部、人口約9000人の瀬戸内町の町長・鎌田愛人氏が寄港地誘致に乗り出したというわけである。



瀬戸内町では、これを住民30数人程の寄港予定地・西古見集落と、町の4経済団体にのみ、誘致関連情報を通達し、近隣の他地域の住民には一切情報通達を行わずに、鹿児島県に要望書を提出。



これに対し、町議会議員や町民の不信感が募り、

2018年9月、瀬戸内町では、島外からの有識者を交えた「クルーズ船寄港地に関する検討協議会」(委員長・宮廻甫充・鹿児島大学名誉教授、19人構成)を発足させた。



その後も、瀬戸内町側からクルーズ船誘致と開発の具体案が示されないまま、


2018年12月、町は寄港地開発のクルーズ船企業の公募を開始。


2019年2月2日、中国人副社長が運営する「ロイヤル・カリビアン・インターナショナル」が、日本初の独占チャイナリゾート計画・大型クルーズ船の寄港地開発案を奄美大島南部・瀬戸内町にアプローチを開始。


この際、報道関係者や協議委員らの動画撮影や録音を禁止し、プレゼンテーションが行われている。



『奄美大島、大型クルーズ船寄港で日本初「独占チャイナリゾート計画」浮上 町民は怒りと不信』(『大紀元時報』2019年02月08日付)の記事によると、

(https://www.epochtimes.jp/2019/02/40086.html)


同社の中国・北アジア太平洋地区社長は劉淄楠(リュウ・ジナン)氏で、中国国内の関係者推薦で決まる中国旅行業界賞を10年連続受賞したという権力者。 


同社は、また「2018新時代中国経済革新企業」賞も受賞しており、中国共産党が推奨するトップ企業といえる。


同社が中国国内顧客向けに配布した国内広告には、著名人アンジェラベイビー夫妻や映画女優・范冰冰を起用し、小さな子どもを抱える家族、高齢者、中間層家族向けのイメージを強調



プレゼンテーションでは、


1. 瀬戸内町(西古見)のリゾート開発区域から乗船客を出さない。

2. 地元の祭りや歌の演出、工芸品の販売をする。

3. 地域住民の暮らしを守るために、茂み等による緑の『目隠し』を作る。

4. 住民雇用創出を図る。

5. 瀬戸内町に税金が入る。


と主張したとされているが、綺麗事だけでは済まされない現状を、この記事は指摘している。



日本へ入港したクルーズ船の乗船客が日本国内で失踪した例は、2015~2017年で少なくとも171件もあるというのだ。(『日経新聞』2018年10月、捜査当局の情報)


昨今、研修制度で来日した外国人の失踪が取り沙汰されているが、離島や過疎地の海岸エリアでの看板等を見ると、密入国も横行しているようである。


 

誘致に反対する「奄美の自然を守る会」田原代表(62)は、住民たちから心配の声が上がる中、受け皿役を担おうと、当会を発足させたという。



当会では、


1. クルーズ船誘致自体に反対ではなく、22万㌧級クルーズという規模が問題。

2. 大型クルーズ誘致は、西古見地区で対応できる範疇を超えている。

3. 自然環境や文化を損なう可能性が非常に高く、奄美大島全体に影響をもたらす。

4. 「奄美群島の持続的な観光利用を推進する」という県の基本計画に反する。


との懸念を示し、


1. 奄美大島の文化と自然保護のためには、持続可能な観光を目指すべきである。

2. 奄美大島全体のブランド価値と島民に対する継続的な利点を考えるべきである。

3. 客単価の低廉な大型観光より、高級客層をターゲットにすべきである。

4. 長期滞在や、小型クルーズによるエコツーリズムが適している。


との代替案を示している。



賛否は、町議会、町民の間でも分かれ、計画は現在も進行中である。



『大紀元時報』の記事では「これは瀬戸内町だけの問題ではない」としているが、まさにその通り。


今、日本全体が危ない。



国は一枚岩ではない。


防衛省は奄美大島に新たな自衛隊基地を建設し、防衛基盤を固めようとしている一方で、国土交通省では観光客誘致という名目で無防備に外国人の流入を加速させようとしている。


これではディフェンスを強化しながら、オウンゴールを許しているようなものである。



これまでの周遊の旅で、北海道・静岡の水資源、北海道・新潟・山梨・沖縄の不動産が狙われている現状を目の当たりにしてきたが、本当に各地方自治体も国も、全く連携が取れていない。


また、国民への情報伝達も疎かになっていると感じている。


日本は今や虫食い状態。


グローバルであることは、自由に国土や国家資源や財産を惜しみなく他国の人々に譲り与える事ではないはず。


現在の日本の状況、実態を、国民は自覚しなければならない。



こうした本来の国土を守るということは、平和裏に解決できるはず。


そう信じている。