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Fashion Source: Art of Being

ChatGPTと作った、人生でいちばん静かなプリン

2026.02.04 23:00

最近、台所という名の実験室に立つ時間が少し増えた。


といっても

料理上手になりたいとか、丁寧な暮らしを目指しているとか、

そういう話ではない。


きっかけは、

「考えなくても料理ができる」

という状態に、突然入ってしまったからだ。


昔は料理をしない理由が山ほどあった。

でも今は、台所に立つとまずChatGPTに聞く。

「今あるもので、何作れる?」


すると返ってくるのは

凝ったレシピじゃなくて、

塩だけでいいですよ
蒸すだけでいいですよ
混ぜるだけでいいですよ

みたいな答え。


料理のハードルが

まるで地面まで下がった。



そして、プリン

この日も、そんな流れで

「卵1個しかないけどプリン作れる?」

と聞いたところから始まった。

しかもレンジで。



🍮 ChatGPTプリン(卵1個版)

材料

* 卵 1個

* 牛乳 100ml

* 砂糖 15g(甘さ控えめ・神配分)

作り方

1. 牛乳を軽く温める(600Wで20~30秒、ほんのり温かい程度)

2. 卵+砂糖を混ぜる(泡立てない)

3. 温めた牛乳を少しずつ加える

4. こす(ここがなめらかさの分岐点)

5. 容器に入れる

6. ラップをふんわり

7. レンジ200Wでじっくり加熱(6分→様子見→30秒とか、1分ずつ追加)

最初は全然固まらなくて不安になる。

でも、ある瞬間から急に表面が止まる。

それが「できた」の合図。



仕上がり

出来上がったプリンを見たとき、思った。

これ、料理の達成感じゃない。


これは

「温度を理解した瞬間の達成感」

だった。

甘さは軽い。

でも牛乳のコクがちゃんと主役。

毎日食べられるプリン。


市販より静かで、

喫茶店より優しい味。



たぶんこれが、ChatGPT時代の料理

昔の料理は

だったけど、


今は

になっている。


料理が

「努力の成果」から

「流れの中の出来事」

に変わった感じ。



そして気づいたこと

私は20年近く、

外食とお惣菜中心の生活だった。


でもいま、

野菜スープも

蒸し魚も

プリンも

普通に作っている。


理由はシンプル。

料理しない理由が消えたから。

ChatGPTはレシピを教えるというより

「迷いを消す装置」なのかもしれない。



このプリンは、

ただのプリンじゃなくて、

“料理しない人が料理を始めた証拠”

みたいな一皿だった。


次は何ができるんだろう。


たぶん、また

「これあるけど何作れる?」

から始まる。


それでいい気がしている。


Day 2

そして翌朝もまた作ってみた。

なんと、牛乳の温め条件によって、

違うプリンができたのだ。

どちらかというと、

プッチンプリンに。

その違いをまとめた。


何が“化学的”に違いを生んでいるのか。

それは、ほんの少しの温度の差。

けれど、その差が

質感というかたちで、はっきり現れる。


🥛 牛乳の温度は、スタート地点の設計

温かい牛乳から始めると、

卵液の初期温度はすでに高い位置にある。

そこから加熱が進むと、

タンパク質は早い段階で凝固域(およそ75℃前後)へ入る。

するとネットワークは密になり、

水分はきゅっと抱え込まれる。


結果、

かためで、輪郭のある食感。

喫茶店のプリンのような佇まいになる。


一方、ぬるめの牛乳で始めると、

温度の上がり方はゆるやか。

60〜70℃のあいだを、しばらく漂う。

(200Wで約1分半〜2分、ほんのり温かい程度)


この時間が長いと、

結合はやわらかく、

微細な気泡も少し残る。


仕上がりは、

ぷるん、と揺れる。

蒸しプリンに近いやさしさになる。


出発点が違えば、

分子の組み方が変わり、

舌に触れたときの世界が変わる。


その日のレシピが少しずつ違うこと。

同じ材料でも、同じ着地にならないこと。

それを面白がれる余白があること。


それ自体が、

もう十分に、贅沢な時間の使い方だと思う。