マンション長寿命化促進税制に関する Q&Aの2
マンション長寿命化促進税制は、老朽化マンションの適切な維持管理と計画的な修繕を後押しする制度として創設されましたが、制度の要件や手続が複雑であることから、「自分たちのマンションは対象になるのか」「もう準備が遅いのではないか」と判断に迷う管理組合も少なくありません。
特に、
管理計画認定を取得していないマンション
すでに大規模修繕の検討や工事を進めているマンション
では、制度の活用が難しいと誤解されがちです。
しかし、国土交通省が公表しているQ&Aや自治体向け資料、関係団体の解説を整理すると、管理計画認定以外のルート(助言・指導)や、工事の進捗段階に応じた柔軟な考え方が示されており、状況次第では「今からでも間に合う」ケースがあることが分かります。
本Q&Aの2では、これらの別紙資料をもとに、
管理計画認定と助言・指導の違い
工事実施時期と税制適用の関係
管理組合が今から確認・対応すべき実務ポイント
を中心に整理し、管理組合が制度活用の可否を冷静に判断できる材料を提供することを目的としています。
制度を「使えるか・使えないか」を早期に見極め、今後の管理運営や次回大規模修繕につなげるための参考としてご活用ください。
また、管理計画認定制度や長寿命化促進税制に関する制度全体の解説は、「管理計画認定制度(主軸ページ)」をご覧ください。
― 管理計画認定・助言指導と「今から間に合う」対応 ―
Q1.工事をすでに進めている、または完了している場合でも間に合いますか?
A.条件を満たせば間に合う可能性があります。
長寿命化工事の実施中または完了後に管理計画認定を取得した場合でも対象となります。
ただし、
工事完了日の翌年1月1日(固定資産税の賦課期日)
工事完了後3か月以内の申告時点
の両方で認定を受けていることが必要です
そのため、認定申請には早めの準備が重要とされています
Q2.修繕積立金を引き上げていないマンションでも対象になりますか?
A.一定の場合を除き、対象外となります。
原則として、
令和3年9月1日以降に、修繕積立金を管理計画認定基準(ガイドライン下限値)まで引き上げたマンションが対象です
なお、
もともと認定基準を満たしていたマンションは、制度の趣旨(合意形成の後押し)から対象外とされています
Q3.「助言又は指導」とは、自治体に相談すればよいという意味ですか?
A.単なる相談やアドバイスでは足りません。
助言又は指導とは、地方公共団体が、管理水準の改善が必要と判断して行うものであり、
単なる確認
任意のアドバイス
だけでは該当しません。
助言・指導を受け、その結果として長期修繕計画の見直し等を行っていることが必要です
Q4.助言・指導を受けた場合、長期修繕計画にはどのような条件が求められますか?
A.次の5点すべてを満たす必要があります。
長寿命化工事の実施時期が標準様式に準拠
計画期間が30年以上
一時金徴収を予定していない
計画期間全体での修繕積立金平均額が著しく低額でない
計画最終年度に借入金残高がない
Q5.長期修繕計画の見直しは、総会決議が必要ですか?
A.原則として必要です。
総会(または規約で定められた手続)による決議を経ていない長期修繕計画は、有効な計画とは認められません
ただし、管理規約で理事会決議事項とされている場合は、その規約を示すことで対応可能です
Q6.「今から間に合う」管理組合が、まず確認すべきポイントは何ですか?
A.次の3点を優先的に確認することが重要です。
修繕積立金の引上げ時期が令和3年9月1日以降か
管理計画認定を目指すか、助言・指導ルートを取るか
長寿命化工事(外壁・床防水・屋根防水)を一体として実施しているか
これらを整理した上で、自治体・専門家(管理士・建築士)へ早期に相談することが、制度活用の成否を分けます。
参考資料:
長寿命化促進税制よくある質問 国土交通省
長寿命化促進税制QA 国土交通省
長寿命化促進税制QA 日本マンション管理士会連合会