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此葉の箱

売れるキットってなんだろう……?

2026.02.09 11:37

WF2026W、参加された皆様お疲れ様でした。 イベントが一段落ついて、なんとなくまた駄文を書きたくなったので、今回は全ディーラーにとっての永遠の命題、「売れるキット」について、ワンフェスの反省も兼ねて考えていこうと思います。

※この記事の内容が正しいのかは分かりません。あくまで個人の観測範囲の話ですし、正解がないのがこの世界の常なので。 ※この記事を参考にして爆死しても責任は負えませんのであしからず。


1. 題材選び

「どの作品のどのキャラを作るか」。 当然ですが、これが売れる・売れないの初速に一番大きく関係してきます。

ただ、「人気作品だから売れる」かというと、そう簡単な話でもないのが難しいところ。 メジャーな題材は母数が多い分、見てくれる人は増えます。でも、その分だけ競合ディーラーも激増します。同じキャラが会場に何体も並ぶ中で、「人気キャラだから」というだけでアドバンテージを得るのは正直かなり厳しい。 購入者側の予算も無限じゃないので、比較された結果、上位数名しか買われないという残酷な結果になりがちです。

逆にマイナーな作品の場合は、他の要素(造形や複製方法)が多少劣っていても、「そのキャラが立体化されている」という事実だけで絶大なアドバンテージになります。「唯一の立体物」は強いです。

まあ、正直一長一短すぎて「こっちが正解!」とは一概に言えないので、結局は好きなものを作ればいい、という結論になっちゃうんですけどね。


2. オリジナリティ

これはかなり重要な要素だと思います。 

私は絵心が皆無なので、基本的には公式絵準拠のポーズで作ることが多いんですが、やっぱりポーズや衣装、空間構成といった部分に「その人なりの解釈(オリジナリティ)」が加わっている作品こそが、ガレージキットの醍醐味なんですよね。

ただ公式絵をなぞるだけなら、完成品のフィギュアで事足りる場合もあります。 原作の良さを損なわないギリギリのラインで自分だけの色を出し、「ガレージキットを買って、自分で塗ってでも手に入れたい!」と思わせる付加価値。これがあるかないかで、財布の紐の緩み方が変わってくる気がします。


3. 造形力

あればあるほど良い。これに尽きます。 デッサン、表面処理、ディテール。ここが圧倒的だと、他の要素をすべてねじ伏せて売れていきます。説得力が違う。


4. 金額とスケール

参加者の所持金は有限です。 限られた弾数の中で、どれを優先して確保するかという取捨選択が行われます。

当然、金額は安ければ安いほど売れやすいです。 そして金額を下げるために一番手っ取り早いのがスケールを小さくすること。 材料費も下がるし、何より買う側にとっても「展示スペースを圧迫しない」というのは大きなメリットです。デカくて高いキットは、それだけで購入ハードルが2段階くらい上がります。


5. 複製方法

ここ最近、特に重要度が増しているのが「複製方法(出力品かレジンか)」です。 この点に関しては、市場の反応はかなり明確な階層ができている気がします。

業者抜き >>> 自家複製(白レジン等) >>>>> 3Dプリンタ出力品

3Dプリンタ出力品にも良いところはある(複雑な形状が出せる等)のですが、やっぱり購入者側からすると「経年劣化のリスク」「サポート痕処理の手間」「材質の違い」といった部分で、敬遠されがちです。 悲しいですが、「出力品である」という理由だけで購入候補から外れることは現実にあります。

業者抜きは最強ですが、コストが跳ね上がって販売価格が高くなるのがネック。 そう考えると、コストを抑えつつレジンキットとしての安心感を提供できる自家複製が上手いディーラーが今のワンフェスでは攻守最強なのかもしれません。


結論:タイプ別・生存戦略

以上の要素を踏まえて、「こういう人はこういう物を作ると売れやすいんじゃないか?」というのを分類してみました。


A. 造形力に自信あり × オリジナリティも自信あり 

→ 好きなものを好きなように作れば良い。 題材が何だろうが、なんなら3Dプリンタ出力品だろうが、その圧倒的な作品力でねじ伏せられます。


B. オリジナリティは自信あり × 造形力は不安 

→ 好きな題材を、1/8スケールくらいで、価格を抑えて作る。 センスや雰囲気で勝負するタイプ。ただし、高額だと造形の粗が許されなくなるので、価格は安めに設定するのが吉。3Dプリンタ出力品でも、「この独創的な作品が安く手に入るなら」と許容されるギリギリのラインを狙いましょう。


C. 造形力に自信あり × オリジナリティは不安 

→ メジャーすぎない題材を選ぶ(1/8スケール推奨)。 技術はあるけどアレンジが苦手なら、競合が多すぎる人気キャラは避けたほうが無難。メジャーな題材に行きたいなら、1/8スケールかつ「自家複製」で、組みやすさと価格のバランスを極めた優等生キットを目指すべき。


D. 造形力に自信なし × オリジナリティも不安

→ メジャーすぎない題材 × 1/8スケール × 低価格(※出力品は避ける) まずは「完成させて売る」実績作りを目指す。競合がいないニッチなキャラを選び、「安くて、普通のレジン製で、作りやすい」という利便性を提供して手に取ってもらいましょう。ここで出力品を選んでしまうと、技術不足と素材の扱いにくさのダブルパンチで誰にも見向きされなくなる危険があります……。


まとめ

結局のところ、ガレージキット販売は「自分の愛を表現する場」です。 自分が好きなキャラを、自分の手で形にする。それが一番の原動力であることは間違いありません。

とはいえ、そこが「売り買いの場」である以上、「売れる・売れない」という結果は切っても切り離せないものです。 せっかく作った愛する我が子が、誰の手にも渡らず在庫になるよりは、誰かに買ってもらって完成させてもらったほうが絶対に嬉しい。

ただの駄文ですが、このブログが次回以降のワンフェスに向けた、皆様の一助になれば幸いです。