'19.3.7／Mr. The Destroyer　逝去

　お会いしたのは、MR. Nick Bockwinkel が来日した時でした。

　Bockwinkel 氏も2011年に亡くなりましたが、往年の名レスラー達が次第に去って行きます。

　宿泊先のホテルのティールームで、何の拍子か紹介者も退席してしまって、二人だけの、とても有難い一時間のコーヒータイムでした。

　私が空手の師範だと知って、

　「I had … 僕はね、むか〜し柔道の黒帯を取ったことがあるんだよ。ハワイだったな。」

　「へぇ、そうなんですかぁ」

　「I can … 僕はね、カタカナが書けるんだよ。覚えたんだ。」

　「それは素晴らしい。」

　「So, I … だからサインはカタカナで書くんだよ。ほら…マ サ カ ズ…」

　この時、力道山さんが亡くなった日のことを話して下さいました。

　「That time … 僕が試合を終わって家に帰ると、妻が…」

　「そんな事があったんですね…。」

　話し終わって部屋に戻られる時、歩きながら後ろ手に「バァイ」と手を振って下さった後ろ姿が、今もしっかりと思い出されます。実に紳士的な方でした。

　ご冥福をお祈りします。