選挙という洗礼のない習近平独裁国家の言い分は「犬の遠吠え」にしか聞こえない
高市「圧勝」の陰の立て役者は習近平
産経新聞の1面コラム「産経抄」は投開票日翌日(2月9日)の記事で「高市首相を圧勝に導いた陰の立て役者は中国の習近平国家主席だろう」と書いた。
また米紙ワシントン・ポストは「高市首相は中国の習近平国家主席に正面から対抗し、日本人は高市首相を中心に結集している」と報じた。さらにFoxニュース・デジタルは「高市首相の地滑り的勝利は、他の国家指導者にも、有権者の多くが今や中国に公然と対抗することを支持していることを示している。もはや誰も習近平をなだめたり喜ばせたりする必要はないからだ」という中国評論家ゴードン・チャン氏のコメントを伝えている。
高市自民党が単独で衆議院の3分の2の議席を獲得し、維新と合わせて与党が4分の3の勢力を確保したという今回の選挙結果の背景には、何と言っても、中国という専制独裁国家と習近平という独裁者の存在があったことを、これらのニュース記事は図らずも一斉に伝えている。
確かに、日本国民みんなの政治意識の底には、中国に正面から対抗し、中国からのどんな圧力も敢然とはねのける、そんな高市首相を支持し、守ることが、日本の領土と国民の安全・安心を守り、自由な暮らし、日本らしい生活と伝統を維持することであるという決意があり、一方で、強圧的で覇権主義的な軍事国家、自由も人権もない習近平の中国に、ノーを突きつける手段だという考えがあるのは間違いない。
選挙の争点として、消費税減税や物価対策が叫ばれ、あるいは相変わらず政治と金の問題を叫ぶ野党勢力があったとしても、そうした日本国民の対中世論、対中意識が、実は全面的に出た選挙結果として、今回の衆議院選挙は歴史的に注目されるのでないか。
パンダの消滅は、時代の変化の象徴か?
冒頭に示した「産経抄」には以下のような文章が続く。
<▼台湾有事をめぐる首相の国会答弁に強く反発した習主席は、日本への渡航自粛要請やレアースの対日輸出規制といった嫌がらせを連発。衆院公示日に上野にいたパンダが中国に帰っていったのも象徴だ。▼そんな独裁者を相手に「しっかり対話のパイプを」と、斎藤鉄夫中道共同代表が主張しても有権者はしらけるだけ。親中派の小沢一郎、岡田克也両氏らが敗れ去ったのも不思議ではない。>
去年10月の高市首相の誕生以来、公明党による突然の連立与党離脱をはじめ、日本の政治状況は大きく変わったが、それ以上に変動が激しかったのは日中の外交関係や日中間の人の往来だった。確かに日本からパンダが消えたのは、普通の庶民感覚でも、時代の様変わりを感じさせるものがあった。パンダとともに小沢一郎や岡田克也らの親中派議員が消えたのは、時代の移り変わりの象徴だろう。
そして、目に見えて様変わりしたのは、中国側の対日外交姿勢である。明らかに高圧的で居丈高な「戦狼外交」、文字通り“狼の遠吠え”をわめきちらすだけの外交に変わっている。
「反中意識の高まり」に貢献する在日中国大使館
高市首相の国会での台湾有事発言をきっかけに、在大阪中国総領事の薛剣が「(高市首相の)汚い首は躊躇なく切ってやるしかない」とXに投稿して以降も、東京の在日中国大使館は連日、Xへの投稿を繰り返し、「サンフランシスコ平和条約は無効」だとか、南京事件、731部隊、慰安婦問題など過去の歴史問題で、もはや嫌がらせ的な効果しかない無意味な反日言論の扇動に全エネルギーを注いでいるかのようだ。在外公館における外交官の使命は、駐在国の国民に対して自国への理解を増進し、有効な外交政策を推進するための土壌や環境を整えることにあるはずだ。しかし、SNSへの執拗な投稿で、反日的な言論を繰り返す在日中国大使館の行動は、日本人の中国に対する反感をますます強め、「こんな国とは付き合えない、中国人は日本から出て行ってほしい」という感情を植え付ける効果しか生まないことを、在日中国大使館の職員たちは、なぜ、気づかないのだろうか?
いずれにしても、こうした日中関係の状況変化の中で、日本国民による対中国感情の急速な悪化が、日本の政治の中心を突き動かし、今回の選挙を通じて日本の国会の政治勢力を大きく変えたのである。その最大の立役者が習近平氏であり、反日言論を性懲りもなくまき散らす在日中国大使館は、習近平親分へのごますりに精を出し、日本での反中勢力の増大に力を貸している存在にすぎないのである。
中国外交部報道官:選挙で示された民意は「失敗」だと!?
そんな中国の、衆議院選挙後の日本に対する姿勢に何か変化はあるのだろうか。
中国の政権の中枢「中南海」からは何の反応もないので、中国外務省の何の権威もない小童(こわっぱ)役人の発言を聞くしかないが、その報道官・林剣は9日の定例会見で、日本の記者から「日本の高市政権に対し、中国はどのような外交政策を期待するか」と聞かれ、「中国の対日政策はつねに安定性と持続性を維持している。日本の一回の選挙でそれが変化することはあり得ない」と回答した。そして林剣は衆院選で与党が圧勝したことを受けて、今後、日本側が無謀な行動をとる場合には『断固たる対応』に直面すると威嚇し、「高市氏が台湾に関して行った不適切な発言を撤回し、中国と日本の関係の政治的基盤を守るための基本的な誠意を具体的な行動で示すように、日本側に対して強く求める」と発言した。
さらに「選挙は日本の内政だ」としながらも「今回の選挙に反映された根深い構造的な問題、思潮動向(思想の傾向)は日本各界と国際社会の深い考察に値する。殷鑑不遠、不可不察(殷鑑遠からず、考察せざるを得ない)」と強い関心を示した。
この「殷鑑遠からず」(=殷の鑑・かがみ、つまり殷の歴史は遠くない)とは、「いましめとなる手本は、古いものや遠くのものを捜さなくても、ごく身近にあるということ。また、身近にある他者の失敗例を、自分のいましめにせよ」という例えだという。日本国民の大勢が示した民意が「失敗」であり、日本の各界と国際社会はその「失敗」の背景や原因を究明し、「戒(いまし)め」にせよと命令しているのである。選挙制度を持たず、民意を確かめる手段のない国の小童役人が、何の権限があって、他国の国民の民意を「失敗」だとか「戒め」にしろといえるのか。傲慢にもほどがある。
「日本が無謀な行動をとれば国民からの抵抗を受ける」とは何のことか?
さらに林剣は「日本の執政当局に『敦促』(dūn cù 丁重に催促する、注意を促すの意)する」として、「国際社会の関心を等閑視することなく、正面から見据え、平和発展の道を歩み、軍国主義の轍を再び踏まないこと。両国間の4つの政治文書を守り、信義に背かないこと。日本の極右勢力が状況を誤って判断し、無謀な行動を取るならば、必ず日本国民からの抵抗と国際社会からの断固たる対応に直面するだろう」と高圧的に言い放った。
ここでいう「日本国民からの抵抗」とは何のことか?投票結果に現れた民意は、自民と維新が獲得した議席数では、高市首相を支持する割合が4分の3を越え、比例選の投票率でも自民党は36.72%、日本維新の会は8.63%で合計45%を越えている。これに対し中道改革連合は18.23%にすぎない。さらに旧来の左派勢力を代表する共産党4.4%、れいわ2.92%、社民党1,27%の全部を足しても1割にも満たない。つまりせいぜい「10分の1の日本国民からの抵抗」しかないということになる。また「国際社会の断固たる対応」といっても、その「国際社会」とはほぼ中国だけを指すといって差し支えない。
さらに林剣は「靖国神社は侵略戦争の象徴だ」とし「歴史問題で言動を慎むように」と要求した。また台湾を念頭に「核心的利益を守る中国国民の決意は揺るぎない。第2次世界大戦の成果と戦後の国際秩序を守る決意は揺るぎない。さまざまな反中勢力の挑発と妄動に対してはこれを反撃し打ち破る決意も揺るぎない」と虚勢を張ったが、選挙を通して民意を確かめるという手段がない状況では、そうした決意も空虚に見えるだけだ。
悔しかったら選挙を通じて政権の正統性を得ることだ!!
高市政権は、今回の選挙で国民からの圧倒的な支持を受けたことで、安部晋三内閣のような長期政権への道筋をつけたことは間違いない。一方の中国は、そうした国民の強固な支持を背景とした高市政権と、この先数年の間は付き合わなければならない。習近平にとっては、台湾の賴清徳政権と同様に目障りで神経にさわる存在となり続けるだろう。
今回の選挙結果で示された民意でも分かるとおり、多くの日本人にとって、習近平が政権を握る中国と良好な関係を築くことは期待していないし、習近平政権が続くかぎり、中国とは険悪な関係が続くことを覚悟している。中国からの観光客がいなくなっても、中国製品が入ってこなくても、全然構わない。むしろその方が安心して暮らせる。
選挙という民意を確かめる手段を持たない独裁専制国家の指導者には、民意というバックアップが得られないだけ、その権威は限られたものにならざるを得ない。習近平はすべての権力を握る独裁者だからこそ、声なき大衆のもつ感情や気分の動向につねに恐れおののき、それをコントロールするために必死となっているはずだ。香港やウイグルで行われている人権弾圧は、それを物語るなによりの証拠だ。選挙という洗礼を受けない独裁者の言い分は、犬の遠吠えのように虚しく響くだけで、国民の心には何も届かない。悔しければ、選挙という民主的な手段を通じて、自分の権力にレジティマシー・正統性を備えてみてはいかがか?