「分からない」が言えない子どもの心理とは? ― 質問できない理由をマインドセットから考える ―
塾や学習の場面で、「分からないところを質問できない子」
「自分から『ここを教えてください』と言えない子」
に出会うことは少なくありません。
保護者の方からも、「分からないなら聞きなさいよ」
と声をかけている、というお話をよく聞きます。
ですが実は、分からないところがあっても質問できない子は、とても多いのです。
質問できる子と、できない子の違いは?
質問ができる子は、
分からないところを自分から聞ける
「教えてください」と言える
手をあげることができる
こうした行動が自然にできます。
では、質問ができない子は、
やる気がないのでしょうか?
それとも怠けているのでしょうか?
実は、そうではありません。
この違いを理解するために大切なのが、「マインドセット」という考え方です。
マインドセットとは何か
マインドセットとは、能力に対する考え方・態度のことです。
大きく分けて、次の2つがあります。
固定的思考態度
成長的思考態度
この違いが「質問できる・できない」に大きく関係しています。
成長的思考態度の子ども
成長的思考態度の子どもは、能力は努力や工夫で伸ばせる
つまずいても、工夫すればできるようになると考えています。
「今は分からなくても、ここを頑張ればできるようになる」
そんな信念を持っているため、
分からないことを成長の途中の出来事として受け止めることができます。
固定的思考態度の子ども
一方で、固定的思考態度が強い子どもは、
能力は生まれつきで変わらない
努力することは、能力が低い証拠
失敗することは、「できない自分」の証明
と感じています。
この考え方が強いと、「分からない」と言うことは、
自分は能力が低いできない人間だと周りに示してしまう行為になります。
そのため、分からないことがあっても、言えなくなるのです。
これは怠けではなく、自分を守るための行動とも言えます。
固定的思考態度から成長的思考態度へ
では、どうすればよいのでしょうか。
成長的思考態度を育む視点
大切なのは、結果ではなく、努力や行動を褒めることです。
たとえば、「100点取ったね、すごいね」ではなく
「ここを工夫して勉強したから、できたんだね」という声かけです。
こうした関わりを続けることで、
「工夫や努力をすれば、自分は伸びる」
という感覚が育っていきます。
努力を褒めるとは、どういうこと?
努力を褒めるというのは、
特別な言葉をかける必要はありません。
たとえば、
「きちんと座って取り組めているね」
「丁寧に字を書いているね」
「自分で考えながら勉強しているね」
「調べながら工夫しているね」
このように、その子が今している行動を言葉にして伝えるだけで十分です。
行動を褒めることは、努力を認めることにつながります。
学習支援塾KiTで大切にしていること
学習支援塾KiTでは、
結果だけを見るのではなく、努力や過程を大切にした関わりを基本としています。
努力を認めてもらえる経験を積むことで、
少しずつ成長的思考態度が育ち、
「やってみよう」「聞いてみよう」という気持ちが生まれてきます。
最後に「分からない」が言えない子どもは、
弱いわけでも、やる気がないわけでもありません。
これまで一生懸命頑張ってきたからこそ、
失敗や評価を怖く感じているのかもしれません。ぜひご家庭でも、
結果ではなく努力を認める声かけを意識してみてください。
それが、子どもが安心してチャレンジできる一歩になります。