2月の「ふれあいブックカフェ」
先日の道路や屋根に積もるほどの雪もほとんど消えて小雨まじりでしたが、初めて参加の方もあり7名の出席でした。今月は各自読んだ本を持ち寄り、感想や関係する情報などをもとに話がはずみました。特に今月は大変貴重な資料を拝見できましたし、驚くような事実や情報が飛び交い、いつになく活気ある会でした。
その内容を以下に紹介します。
① 花井しおり編著 万葉集一日一首 致知出版社
おさめられている366首の和歌からその日の気分で選んだ歌を詠むのが楽しいそうです。そして、なんと軍歌として有名な「うみゆば」は、大伴家持の長歌の一部が元になっているとのこと。(一同驚愕!) 調べてみると、「……海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 かへり見は せじ……」とありました。
② 小泉一雄編著 小泉八雲秘稿畫本 妖魔詩話
この蔵書は、昭和9年発行で500冊限定本のうちの499冊目と記してあり、A3サイズ・布張りの表紙です。家宝とも思える貴重な蔵書を参加者のお一人が持参くださいました。中には八雲自筆の文章や妖怪の絵が収められていて、今朝ドラで話題の内容も読み取れます。とても細い繊細なタッチで描かれたローマ字体の日本語や雪女の絵に、みんなで感激しながら見入ってしまいました。お得感の極み!
③ 山尾悠子著 ラピスラズリ ちくま文庫
紹介くださった方は絵がとてもお好きでご自身も創作されるので、20年ぶりに出会えた本とのことでした。あまり一般に触れることの少ない’幻想文学‘というジャンルで、作家の世界観が銅版画を見ているような本だとおっしゃっていました。冬のあいだ眠り続ける宿命を持つ“冬眠者”たちの目覚めのお話。あまり多くを著作されない作家だそうで、「飛ぶ孔雀」文春文庫も同時にお持ちくださいました。銅版画の挿絵も興味を引く本です。
④ 島崎今日子著 富岡多恵子の革命 中央公論社
詩人、作家、批評家、エッセイストなど多彩な活躍をし、2023年に87歳で死去した富岡多恵子の生涯を描いた近著です。ウーマンリブの先端を行き、女流作家の括りはおかしいと、池田満寿夫との7年間の事実婚を経て男性文化人をぶった切る姿が勇ましい。その後10歳以上年下の現代美術家・菅木志雄と結婚し生涯を共にし、その生活ぶりも書かれています。本著はその夫や親族や友人、作家、編集者など、親交の深かった関係者へ取材し、全世界を向うに回して歩き続けた氏の生涯が描かれています。そして菅と結婚後、なんとこの玉川学園に10数年家を買って居住し、活躍していたそうです。ご存知の方いらっしゃいますか?一層興味深くなりました。
⑤ 情報提供 「なるせ美術座」 開催中展覧会 : 20人の作家展 2月15日まで
たまたま学園在住の作家たちを検索していてみつけました。皆さんご存知でしたか?今回参加者は全員知りませんでしたが、著名な方の作品もあります。場所は恩田川沿いで桜祭りも行われる近辺です。開館は限定的ですのでWEBでチェックしてみてはいかがでしょうか?
【次回予告】
3月のブックカフェは、「朗読と琵琶の弾き語り」です。絵本やエッセイの朗読やいにしえの楽器とともに宮沢賢治の世界を弾き語りでお楽しみいただきます。皆様のご参加お待ちしております。