「うつ」の漢方は帰脾湯だけじゃないよ
令和8年2月10日(火)
医療関係者向けの漢方Web勉強会(小太郎漢方製薬主催)。
今回のテーマは
うつ
うつ病やうつ症状で有名な漢方薬と言えば
帰脾湯(加味帰脾湯)
ただ臨床では、帰脾湯(加味帰脾湯)が効かない場合もよくあります。
中医学では、病名や症状で漢方薬を選ぶのではなく、体質に合わせて漢方薬を選びます。
帰脾湯が効く体質は、主に「気血不足」です。
(細かく言えば気血不足+気滞水湿証のタイプ)
「うつ」の原因が気血不足であれば帰脾湯が効果的ですが、原因が別にあれば帰脾湯では効果がありません。
「うつ」や「うつ状態」も病名(症状)ではなく、体質を見極めて漢方薬を選択することが重要なのです。
〇うつに多い体質
うつやうつ状態では、強いイライラがみられるケースが多いです。
イライラが強いほど、やる気がなくなったり、落ち込みが激しくなったりしやすくなります。
(イライラ以外に我慢や強い緊張が続いている場合、ムッとすることが多い場合なども該当)
この時多くが「熱体質」と関係しているため、熱を冷却することで「うつ」が改善されやすくなります。
熱体質かどうかは、新・臨床中医学的問診や舌診、脈診などから判断します。
ただし冷やせばよいというわけではなく、気血の流れや虚(不足)、痰湿など様々な原因から熱体質になっているため、これらを改善することが前提になります。
〇食事、生活習慣の影響
うつに限らずですが、精神的な不調では食事の内容や摂取方法がその人に合っていない場合が非常に多くみられます。
最近では栄養精神医学や分子栄養学の視点からもこの関係性は指摘されています。
そして不規則な生活習慣も精神的な不調につながっている人は多いです。
良いとか悪いとかではなく、自分に合わない食事や生活をしていれば不調が現れるということです。
自分に合った食事や生活習慣が改善への大きな一歩となります。
〇漢方薬名で考えず生薬で考える
「〇〇湯がうつに効果的だといわれている」
「▢▢散がうつ症状によかったのですが」
という質問が講義中にありました。
(他のテーマの講義でも似た質問がとても多い)
基本的に漢方薬は、病名や症状で選びません。
「〇〇湯」で効果がみられた場合、それはその人の病気ではなくその人の体質を改善できる漢方薬だったからその「〇〇湯」でその人の体質が改善され、その人の「うつ」が改善されたのです。
「うつ」という同じ病名でも体質が異なれば漢方薬も異なります。
例えば
・冷えが原因で「うつ」になっている場合 ⇒ 温める漢方薬
・熱が原因で「うつ」になっている場合 ⇒ 冷やす漢方薬
・虚(不足)が原因で「うつ」になっている場合 ⇒ 補う漢方薬
・痰湿(詰まり)が原因で「うつ」になっている場合 ⇒ 排出する漢方薬
というふうに原因が異なれば、漢方薬も異なります。
「〇〇湯」「▢▢散」が何体質を改善するのか?
なぜその体質が改善できるのか?
漢方薬名で考えると分かりません。
漢方薬の内容=生薬で考えると理解出来るようになります。
生薬を理解すれば、どんな体質に効くのか、どんな体質に効かないのかが理解できるようになります。
漢方薬名ではなく生薬を意識すること。
それが重要なポイントです。
今回はこういった内容の漢方講演でした。
漢方薬を試そうという方は、体質を見極めて漢方薬を選別する専門家にご相談されることをオススメします。
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