不安な時にも寄り添ってくれる宝物
皆さまには、不安な時にそっと寄り添ってくれる“お守り”のようなものはありますか?
私には、楽しい旅先にも、ちょっと不安な入院にも、必ず持参するある物があります。
30代の頃は、ワクワクするような出張や旅先に連れて行っていた「特別な食器のためのシルク作品」。
そして40代を迎え、二度の入院の機会に——
私はその作品達を、やはり連れて行きました。
一度目の入院は41歳の時。
左の卵巣のチョコレート嚢胞が悪化し、卵巣摘出という、気持ち的にとても重たい手術でした。
手術自体は腹腔鏡で、医学的には比較的リスクの少ないものだったのかもしれません。
けれど私にとっては、30代に入ったばかりの頃に右の卵巣も子宮内膜症で大部分切除しているという経緯があり、
「これで、この人生で子どもを持つという夢は完全に断たれるのかもしれない」
そんな思いが胸をよぎる、精神的に負担の大きな入院でした。
気持ちが辛くなるのは分かっていたので、まるで旅行に行くかのように準備を整えました。
お気に入りのマグカップ。
プレート。
大切なカトラリー。
それらを、いつものように大事なシルクの収納に詰めて。
せめて環境だけは、いつもの自分でいたい。
そんな願いを込めた荷造りでした。
そして入院生活中——
どれだけその準備に心を救われたか、言葉では言い表せません。
私にとって、お気に入りの生活道具がそばにあることは、心に小さな鎧を纏うようなものなのです。
外の世界がどれだけ不安定でも、そこにある“いつもの自分”が、静かに支えてくれる。
そんな感覚です。
そしてその後、何だかよくわからない奇跡が起こり、
娘を授かり、42歳で出産という入院生活を迎えることになりました。
この時はさすがにカトラリーまでは難しいと思いつつも、やはりマグカップとティーマットは連れて行きました。
母乳が出るか心配だった私。
3時間おきの搾乳でほとんど休めず、心が折れそうになることもありました。
けれど、持参していた母乳に良いとされるハーブティーを、その“お守り”のようなマグカップに淹れ、シルクのティーマットの上で一息つく時間。
それは、慌ただしい入院生活の中で、ほんの少しだけ“自分に戻れる時間”でした。
(心身ともにまさにいっぱいいっぱいな状態で撮った1枚・・・お写真としては雑ですが、とても思い出深い1枚です。)
身支度を整えるのもままならない環境だからこそ、
ほんの少しでも「安心できる自分のアイデンティティー」を持参できることが、どれほど心強いか。あの経験を通して、改めて実感しました。
私がこの素敵なシルクの作品と出会ったきっかけは、とあるお客様とのご縁でした。
繊細な作品を一つひとつ手作業で届けてくださる Atelier Cantabile さま。
お客様がお持ちになっていた作品があまりにも素敵で、まずはスコーンホルダーを個人的に注文させていただいたことから始まったご縁です。
そしてある時、出張に持って行くティーカップ&ソーサーのケースが欲しい、とご相談した際に、とても素敵なご提案をいただきました。(これが「 Travel w/ My Cup」の始まりでした。)
それは、純白のシルクにたっぷりのクッション材を入れた作品。
紅茶周りの道具に真っ白なシルク?と驚かれることも少なくありません。
けれど、1点のシミが付く可能性のある純白のシルクだからこそ、所作が自然と丁寧になる。
その緊張感も含めて、私は白でお作りいただくことにいたしました。
丁寧に扱うこと。
大切に使うこと。
自分の時間を大事にすること。
そのすべてを、そっと思い出させてくれる存在です。
いつしかサロンでもご案内させていただくようになった、Atelier Cantabile さまの作品達。
今年、サロンのご案内を再開した暁月には、特別コーナーを設け、実際にお手に取ってご覧いただけるよう準備を進めております。
不安な時にも、嬉しい時にも。
そっと寄り添ってくれる宝物。
そんな存在を、これからも大切にしていきたいと思っています。
そしてもし、この優しい作品達とのご縁を、皆さまとも繋ぐお手伝いができましたら、これ以上に嬉しいことはありません。✨
※Atelier Cantabile さまのカトラリーケースやトラベルケースは、ショップを通してご注文のご相談を承っております。
こちらは、私自身が純粋に素敵だと感じ、ご縁をお繋ぎさせていただいている作品ですので、ショップとしてのマージンは一切いただいておりません。
作品代に加え、送料および梱包等にかかる実費のみ、ご負担をお願いしております。