沿線冬景色 @新潟 2026年 冬
今年も雪が多いJR只見線沿線。記録的な豪雪に見舞われている新潟県魚沼市に向かった。
今冬、日本海側の雪が多く、新潟県では連日の交通障害や人的被害も多く発生した。*下記事出処:新潟日報 2026年1月26日付け、2月5日付け紙面 *一部筆者にてモザイク加工
この豪雪に対して新潟県は自衛隊に災害派遣要請をして、只見線沿線にあたる守門地区などで隊員による除排雪作業が行われた。*下出処:(左)新潟日報 2026年2月10日付け紙面 *一部、筆者にてモザイク加工 / (右)防衛省 陸上自衛隊「新潟県魚沼市における大雪に係る災害派遣について」(2026年2月11日) URL: https://www.mod.go.jp/js/pdf/2026/p20260211_01.pdf
この豪雪の影響は只見線にも及び、先月29日から新潟‐福島県境の大白川~只見(六十里越)を中心に運休となり、今月6日には多量の積雪の落雪・雪崩の可能性を考慮して当該区間を“当面の間運休”とする決定がなされた。*下出処:東日本旅客鉄道㈱新潟支社 (左) X 【信越エリア】運行情報 *筆者にて日付順に抜粋・並び替え、赤枠記入 / 「只見線の今後の運転計画について」(2026年2月10日) URL: https://www.jreast.co.jp/aas/20260206_20250206_ni11.pdf
大白川~只見(六十里越)間で冬期唯一の交通網である只見線が使えないため、今回は 磐越西線を使って新潟県に行くことにした。
今日の旅程は、次の通り。
・会津若松~(磐越西線)~新津~(信越線)~長岡~(上越線)~小出という鉄路で、魚沼市入り
・小出駅前から路線バスで入広瀬地区に移動
・輪行した自転車で、只見線の各駅(入広瀬・上条・越後須原・魚沼田中・越後広瀬・藪神)を巡る(約21km)
・小出駅から、往路と同じ鉄路を逆順し、自宅のある郡山に帰る
只見線沿線は昨日から好天に恵まれ、今日は快晴の予報。「にいがたLIVEカメラ」(新潟県ICT推進協議会)で自転車で走行する国道252号線の路面が乾燥していることを確認し、旅に臨んだ。
*参考:
・福島県:只見線ポータルサイト
・東日本旅客鉄道株式会社:「只見線について」(PDF)(2013年5月22日)/「只見線(会津川口~只見間)の鉄道復旧に関する基本合意書及び覚書」の締結について(PDF)(2017年6月19日)
・(公社)新潟県観光協会:にいがた観光ナビ「JR只見線」
・(一社) 魚沼市観光協会:秘境を行く! JR只見線
・魚沼市 だんだんど~も只見線沿線元気会議:Facebook (URL: https://www.facebook.com/dandandomotadamisen )
・BSN新潟放送公式チャンネル:【そらなび ~にいがたドローン紀行~】「第73回「只見線(魚沼市)」2020年2月29日放送」
・拙著:「次はいつ乗る?只見線」カテゴリ -只見線の冬- / -魚沼市-
磐越西線の始発列車(新潟行き)に乗るため、会津若松市に前泊。
今朝、宿から未明の会津若松駅に移動した。雪はほとんど見られなかった。
駅舎に入るとと、ホワイトボードに只見線の運行情報が記されていた。事前に確認した情報通り、今日から会津川口~只見間が運行再開となり、会津若松~只見間での折り返し運転を実施するとの事だった。しばらく、只見線は“会越界”の六十里越区間(只見~大白川間)が不通となり、“盲腸線”となってしまった。
切符を購入し「ぽぽべぇ」を横に見ながら、輪行バッグを抱え改札を通った。
只見線の行先表示には、始発列車の行先が赤字で“只見”と表示されていた。通常は“小出”行きということで、赤字で注意を促しているようだった。
改札脇の「べこ牧場」は「会津 絵ろうそくまつり」仕様になっていた。
27回目となる「会津 絵ろうそくまつり」は、鶴ヶ城を会場に昨夜と今夜の2日間開催。若べこと松べこは向かい合い、足元には雪をイメージした綿が敷かれ、牧場全体に「絵ろうそくまつり」の文字と赤べこのイラストが描かれた行燈が置かれていた。季節感のある、ほっこりする展示だと思った。
*参考:「会津 絵ろうそくまつり -ゆきほたる-」公式HP URL: https://www.aizu.com/erousoku/
連絡橋を渡りホームに移動。磐越西線の新潟行き始発列車は、いつも只見線の列車が発着する4番線に待機していた。
JR東日本の電気式気動車・GV-E400で、新潟県側で多くの乗客を乗せるため4両の長大編成だった。私が乗り込んだ3両目には誰も乗っていなかった。*出発までに他3人が乗車
5:28、新潟行きが会津若松を出発。小出までの切符は、間違えることなく、長岡・上越線経由の3,410円のものを購入した。只見線経由より770円高いが、乗り換え時間を省くと乗車時間は短い。
列車が喜多方市を抜け西会津町に入り野沢を出発した頃から空が白み始め、新潟県阿賀町の日出山付近で青空が見えるようになった。今日は、天気予報通り晴れるようで安心した。
7:58、快晴の青空の下、五泉市を経て新潟市に入った列車は新津に停車。信越線・長岡行きの列車に乗り換えた。
10:38、長岡で上越線・越後湯沢行きの列車に乗り換え、小出に到着。しばらくすると、只見線のホームに現在小出~大白川間を折返し運転している列車が入線してきた。只見線の六十里越区間運休がなければ、私が乗っていた列車だ。
連絡橋を渡り、只見線のホームに向かった。入線していた列車はキハE120の一両編成で、只見線の六十里越区間運休が続くうちは、小出~大白川間ではこのように1両編成で運用されるのだろうかと思った。
改札に向かい抜けると、壁にホワイトボードが立てかけられ只見線に関する“当面の六十里越区間運休”のお知らせが貼られていた。
路線バスは、11時20分過ぎに駅頭に停車した。
11:30、入広瀬地区穴沢行きの路線バスが、小出駅前を出発。客は10名ほどだった。
12:08、路線バスは国道252号線を進み、途中数箇所で客の乗降を経て、入広瀬中央バス停に停車。降りて、バスを見送った。
さっそく輪行バッグから自転車を取り出し、組み立てて入広瀬駅に向かった。途中、第二中道踏切から綺麗に除雪された路盤を眺めた。
駅に向かう小径に入ると、除雪面が両側から迫る空間は圧迫感があった。途中では、ダンプによる排雪を行うであろうバッグフォーが見られた。
国道から3分ほどで、入広瀬駅に到着。「雪国観光会館」と合築の大きな駅舎の平屋根には、山のように雪が載っていた。
建物の入り口付近に自転車を置いて、ホームに向かった。構内踏切を渡る際、左を見ると倉庫に除雪車が停車していた。この数日は降雪予報がないが、運休中の六十里越区間で路盤への落雪や雪崩が発生した場合、出動するのだろうかと思った。
ホームに入らせていただき、六十里越方面を眺めた。雪は駅名標の高さを越え、今冬の雪の多さを実感した。
小出方面を見て、綺麗な除雪面を通ってやってくる列車の姿を想像した。
次駅に移動。
鏡ヶ池付近の池ノ峠を越える国道252号線は避け、県道を通って峠を回避することにした。まずは、駅頭から県道356号(半蔵金入広瀬停車場)線を進み破間川を渡った。
渡河後、寿和温泉を左に見ながら進み、まもなく左折し県道346号(親柄大白川停車場)線に入った。「にいがたLIVEカメラ」の対象外だったが、集落と集落を結ぶ旧道であることから除雪されているだろうと考え選択したが、両側の綺麗な除雪面と乾いた路面に『当たりっ!』と独り言ち、安堵した。
除雪面は高く、3mほどだった。
途中、石田川橋を渡り、開けていた右に目を向けた。良い景色で、しばし見入った。「鷹待山」を巻くように半円を描く只見線の区間だった。そして、入広瀬地区市街地の先には、只見線が越える「六十里越」の山々がうっすらと見えた。
カメラをズームにすると、先ほど立ち寄った入広瀬駅構内が見えた。列車が入り込んだならば、良い写真が撮れただろうと思った。
県道を進んだ。雪塊を割り延びる道に感動し、除雪作業の苦労を思い感謝した。
入広瀬駅を出発して5分ほどで国道252号線にぶつかり右折。路側帯はほとんど見えていなかったが、車の往来が少なかったので、乾いた路面を快調に進めた。
移動しはじめて初めて見る信号を左折し、駅に通ずる道に入った。ここは雪が残り、融けた雪塊でハンドルが取られるの自転車から降りて押して進んだ。すると、駅周辺では除雪作業が行われていた。
12:33、上条駅に到着。重そうな雪塊が駅舎(待合室)の屋根に載っていた。
ホームに入らせていただき、六十里越方面を眺めた。
次駅に移動。
国道252号線を快調に進み、途中破間川に架かる長鳥橋を渡ると、右前方に二等三角点峰「鳥屋ヶ峰」をピークとする山稜が見えた。*参考:拙著「魚沼市「鳥屋ガ峰」ー 四等三角点「西村山」トレッキング 2023年 初冬」(2023年12月9日)
今冬、3mを越える積雪を守門地区に入った。国道が乾いているため一見『それほどでは...』と思ってしまったが、除雪面は明らかに高く、分厚い雪塊が建物を囲んでいた。
12:49、守門地区の中心駅・越後須原駅に到着。
駅頭には、最近人気上昇中に魚沼市の「うおぬまっち」の顔出しパネルが置かれていた。*参考:魚沼市「うおぬまっちのお部屋」
駅舎に入ると、両側の壁に板材が張られ、ポスターやパネルなどの掲示板になっていた。前回訪れた時からの変化に驚いた。
ホームに入らせていただき、六十里越方面を眺めた。入広瀬駅同様、駅名標の高さを雪塊が越えていた。
レールの先、はるか後方には新潟百名山「守門岳」の山塊が綺麗に見えた。私選“只見線百山”に入れているこの山に“東洋一の雪庇”が残るうちに登りたい、と思った。*「大岳」(1,432.3m)、「青雲岳」(1,490m)、「守門岳(袴岳)」(1,537.2m)
ホームから移動し、駅舎内の旧駅事務室を改修した交流スペース「ゆきヒカリ」に入った。
昨年10月1日にオープンしたという室内は、待合室同様のに板材の“掲示板”が作られていた。調べると、この木材は地元・魚沼杉という。*参考:魚沼市「だんだんど~も只見線沿線元気会議」URL: https://www.facebook.com/dandandomotadamisen
「交流スペース」を出て、駅舎を出て正面の山(四等三角点「西村山」設置)に向けてカメラをズームにすると、須原スキー場で颯爽と滑るのスノーボーダーが見られた。
次駅に移動。
途中、破間川の右岸縁に架けられた「大倉沢橋梁」の只見線撮影ポイントに立ち寄った。
会津若松側、小出側、どちらも絵になる風景だと思った。
撮影ポイントには駐車場と講習トイレがあるが、そこに向かう歩道が除雪され、2mほどの雪の間を進む場所だった。すごい圧迫感だった。
自転車に跨って、移動を再開。
国道沿いの雪の量は、先に進むつれて少なくなってゆくように感じたが、時折、屋根に巨大な雪塊が載っていたり、国道の除雪面が崩れてしまうのではないかと思ってしまうような場所もあった。
「大倉沢橋梁」から2㎞ほど進むと、只見線が国道に接するような場所になった。まっすぐなレールが約2km延びる、“田中ストレート”と呼ばれる区間の北端の場所だった。
*下図出処:国土交通省 国土地理院「地理院地図」URL: https://maps.gsi.go.jp/
13:16、魚沼田中駅に到着。駅舎は雪塊に隠れて道路からは見えなかった。
ホームまで除雪し踏み固められた通路を進み駅舎に入らせてもらい、通常の出入口を開けると、目の前は雪に塞がれていた。
ホームに立ち、六十里越方面を眺めた。ホームの雪塊は、越後須原駅より大きく高かった。
無雪期とはまったく異なる景色で、雪景色は観光資源になるな、と改めて思った。
この駅で、列車を撮影する計画を立てていた。
駅北側の田中構内踏切で待っていると、遠く“田中ストレート”の南端にヘッドライトを点けたキハE120が姿を現した。カメラをズームにして撮影した。
踏切が鳴りだす前に、ホームに移動し列車を迎えた。停車すると、1人高齢の男性が降りた。
“大白川”と行先表示された列車は1両編成で、小出駅で見た車両(E120-7)と同じと思っていたが、車番を見るとE120-4で変わっていた。
列車が出発すると、再び田中構内踏切に移動し、“田中ストレート”を北上する列車を撮影した。
列車の撮影を終え、次駅に向かって移動。
13:39、越後広瀬駅に到着。
ホームに入らせていただくが、ここは駅名標が雪に埋もれていた見えなかった。ホームの前面(東)は見晴らしが良く、六十里越方面を眺めると開放的な雪景色が見られた。
最後となる、藪神駅に向かって移動。
途中で、左前方に“越後三山”が見えるようになった。
13:53、国道を左折し少し県道417号(米沢今泉)線を進み、広神商工会館脇を通り除雪された小径の先にある藪神駅に到着。
ホームに入らせていただき、六十里越方面を眺めた。ホームの石塊は意外に大きく、立地的に吹き溜まり場所になっているのだろうと思った。
駅の巡回を終え、小出駅に戻る事にした。
藪神駅を後にして、国道252号線に戻ると、大雪による只見線の大白川~只見間の運休で9年前に利用した島バス停があった。寒さに耐えながら、1時間ほどバスの到着を待った記憶が蘇った。*参考:拙著「全線乗車(小出⇒ ) ...大雪運行中止」(2016年12月17日)
小出市街地に入り、スーパー「サカキヤ」で昼食を調達した後に小出駅に向かった。途中、県道371号(堀之内小出)線の小出橋から“越後三山”を眺めた。少し霞んでいたが、冠雪し山襞を現した三山は存在感があった。*“越後三山”:「越後駒ヶ岳」(2,002.6m)、「中ノ岳」(2,085.0)、「八海山」(1,778.0m(入道岳))
14:19、小出駅に戻った。新潟県側の只見線沿線の冬景色巡りを終えた。
天気が良かったので、駅頭に置かれたベンチで昼食を摂った。スーパー「サカキヤ」では、好物のもちぶたのメンチカツを真っ先に手にした。私の中では“小出名物”で、期待していた旨いメンチカツだった。
昼食を終え、ホームに向かうと、只見線のホームに列車が停まっていた。
只見線のホームに行って列車の車番を見ると、魚沼田中駅で撮影したE120-4だった。
どうやら、大白川~只見間の部分運休中は1編成で運用するようで、魚沼田中駅で撮影した列車が大白川到着後に回送されたようだった。この列車は、この後16時12分発大白川行き(本来、会津若松行き最終)となり、大白川17時04分発・小出行き(同 会津若松発・小出行き最終)として運行されるのだろうと思った。
ホームの南端に向かって歩くと、正面に「越後駒ヶ岳」が見えた。
東に目を向けると“権現堂山”(「下権現堂山」(896.5m)、「上権現堂山」(997.6m))と「唐松山」(1,079.3m)も一望できた。
14:59、長岡行きの列車が入線し、乗り込んで小出を後にした。
長岡で信越線の列車に乗り換えて、新津で下車。磐越西線・会津若松行きの列車に乗り換えた。
列車が張りしだすと、日本酒を呑んだ。長岡駅の「ぽんしゅ館」で選んだのは、呑んだことがなかった白龍酒造㈱の純米吟醸生原酒。口に含むとフルーティーが香りが感じられ、のど越しもまろやかだった。
列車が動き出す頃には陽がすっかり落ち、市街地を抜けると車窓から雪に覆われた田園などが見えるだけになった。「白龍」をちびちびと呑みながら読書をして車内で過ごした。
(了)
・ ・ ・ ・ ・
*参考:
・福島県 :只見線管理事務所(会津若松駅構内)
・NHK:新日本風土記「動画で見るニッポンみちしる~JR只見線」
・産経新聞:「【美しきにっぽん】幾山河 川霧を越えてゆく JR只見線」(2019年7月3日)
・福島県・東日本旅客鉄道株式会社 仙台支社:「只見線全線運転再開について」(PDF)(2022年5月18日)
・福島県:平成31年度 包括外部監査報告書「復興事業に係る事務の執行について」(PDF)(令和2年3月) p140 生活環境部 生活交通課 只見線利活用プロジェクト推進事業
【只見線への寄付案内】
福島県はJR只見線全線復旧後の「上下分離」経営での維持費や集客・地域振興策の実施費用として寄付を募集中(クレジット可)。
①福島県ホームページ:只見線復旧復興基金寄附金
・只見線応援団加入申し込みの方法
*現在は只見線ポータルサイト「只見線応援団」URL:https://tadami-line.jp/support/
②福島県:企業版ふるさと納税
URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/16005g/kigyou-furusato-zei.html
[寄付金の使途]
(引用)寄附金は、只見線を活用した体験型ツアーや周遊ルートの整備、只見線関連コンテンツの充実化等に活用させていただきます。 沿線地域における日本一の秘境路線と言われる観光資源を活用し、更なる利用者の拡大と認知度向上を図ります。
以上、宜しくお願い申し上げます。