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Art of Being|言葉と意識が生まれる場所

人間のOSは「信じた世界を守る」ようにできている

2026.02.18 23:00

— 映画『ブゴニア』から見えた構造 —

エマ・ストーン主演の映画『ブゴニア』を観て、

しばらく言葉にならない違和感が残りました。


宇宙人、SF要素もありながら、

観終わって考えていたのは、人間のこと。


私たちは、

どんな仕組みで世界を見ているのだろう?



人間のOSは「正しさ」を守る

パソコンにOS(オペレーティングシステム)があるように、

人間にも、無意識の“基本設定”があります。

それは、

「自分の信じた世界を守る」

というプログラム。


たとえば映画の中で、

ある人物は「彼女は宇宙人だ」と確信します。


証拠がなくても、

周囲が否定しても、

彼のOSはこう判断する。


自分の世界観を守れ。

すると何が起きるか。


情報は都合よく解釈され、

矛盾は見えなくなり、

信念はむしろ強化されていく。


怖いのは、

それが“特別な人”の話ではないこと。


私たち全員が、

同じOSを搭載している。


なぜ人は設定を手放せないのか

人間の脳の最優先事項は、進化ではありません。

「安全」です。


未知は危険。

前提が崩れるのは脅威。


だからOSはこう働く。


これは性格の問題ではなく、

構造の問題。


だからこそ厄介で、

だからこそ優しい。


私たちは壊れているのではない。

ただ、生存モードで動いているだけ。


境界に立ったとき、OSは揺れる

映画の中でいちばん印象的だったのは、

「どちらの世界にも立てない人」でした。


信じ切れない。

でも否定もできない。

その瞬間、OSが混乱する。

足場がなくなる。


あの揺れは、狂気ではなく、

アップデート前の不安定さなのかもしれません。


設定が外れ始めたとき、

人は震える。


それは壊れているサインではなく、

書き換え中のサイン。


OSは書き換えられる

ここが希望です。


人間は、

この能力を持っている。


つまり、

OSをアップデートできる唯一の存在。


映画は、

信じ込む側と、

設定を操る側の両方を描いていました。


でも本当は、

どちらも私たちの中にある。


軽くなるとは、正しさを緩めること

「人間を軽くする」とは、

何かを達成することではありません。

勝つことでもない。


ただ、

自分の信じている世界を、少し疑ってみること。


正しさを守るのを、

一瞬だけやめてみること。


そのとき、

世界は敵ではなくなります。


映画を観終わって思ったのは、

強くなるよりも、

軽くなるほうが難しい。


でも、

軽くなった人は、争わない。


新しい設定で生きるという実験

私たちは毎日、

無意識のOSで動いている。


でも、

それを観察できた瞬間から、

選択が始まる。


古い設定のまま守り続けるのか。

それとも、新しい前提で生きてみるのか。


『ブゴニア』は

宇宙人の物語ではなく、

人間OSの物語でした。


そしてきっと、

私たち自身の物語でもある。