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慶應義塾大学 薬学部 天然医薬資源学講座

卒研生の研究成果が Journal of Natural Medicines に掲載されました!

2026.02.19 01:52

2024年3月に当研究室を卒業した飯田千尋さんの研究成果が Journal of Natural Medicines に掲載されました!

Analysis of compound–compound interactions between berberine and baicalin derivatives

Takehiro Nishimura, Iida Chiro, Haruhisa Kikuchi

2026, 80, 215–221.

DOI: https://doi.org/10.1007/s11418-025-01979-3


 漢方薬のような多成分系の薬剤は、含有成分同士の複雑な分子間相互作用によって薬効を発現しています。本研究では、黄連解毒湯を構成する生薬に含まれる成分間の相互作用に着目しました。

 黄岑(オウゴン)に含まれるバイカリンと、黄連(オウレン)および黄柏(オウバク)に含まれるベルベリンは、黄連解毒湯を煎じた際に沈殿を生じることが知られています。また、黄岑(オウゴン)にはバイカリンの類縁体が多く含まれており、これらもベルベリンと相互作用する可能性が示唆されます。しかし、類縁体間の分子構造の違いが沈殿形成にどのように影響するかは明らかにされていませんでした。

 本研究では、各バイカリン類縁体とベルベリンとの沈殿形成能を比較するとともに、NMR解析を通じて分子間相互作用の強度を評価しました。その結果、類縁体間で沈殿形成能および相互作用強度に明確な差異が認められ、構造の微細な違いが分子集合挙動に影響を及ぼすことを明らかにしました。

 本研究の成果は、漢方薬をはじめとする多成分系医薬における成分間相互作用の分子レベルでの理解を深化させるものであり、処方設計や品質評価の科学的基盤の構築に寄与することが期待されます。


西村