コテ巻き風パーマに注意
少し前から、SNSやヘアカタログでよく見かける「コテ巻き風パーマ」。
韓国ヘアの流行もあり、アイロンで巻いたような大きく立体的なカールに憧れる方が増えています。
写真を見るととても華やかで、
「乾かすだけでコテで巻いたようになるなら楽そう」
そう思ってしまうのも無理はありません。
ですが、美容師として正直に言うと、
コテ巻き風パーマは“自分で乾かすだけ”では絶対にあの形にはなりません。
コテ巻き風パーマは自分では再現できない?
まず前提として理解して欲しいのは、コテ巻き風パーマは特別な新技術ではありません。
ほとんどはただのデジタルパーマであり、呼び方や見せ方が変わっているだけです。
問題は「乾かし方」です。
今回の写真を見ていただくと分かる通り、
このスタイルはただドライヤーを当てているわけではありません。
まずこの様にブロックごとの細かく分けて乾かす必要があります。
そして細かく分けた毛束を
毛束ごとに強くねじり、
カールの方向を固定しながら、
テンションをかけ続けて乾かしています。
これはいわば、
**“手でコテを再現している状態”**です。
しかも、
・均一な力加減
・一定方向へのねじり
・根元から毛先までのテンション管理
これらを同時に行っています。
正直に言って、
美容師でも慣れていなければそれなりに時間がかかってしまいます。
これを毎朝、自分一人で、
鏡越しに、手の届かないような後ろの髪まで完璧に行うのはどうでしょうか。
ほぼ不可能に近いと思いませんか?
SNSに出ているコテ巻き風パーマの動画は、
このようにかなり作り込んだ乾かし方をしています。
決して「自然乾燥+軽くドライヤー」ではありません。
つまり、
写真の仕上がり = パーマの力
ではなく、
写真の仕上がり = パーマ + 高度なスタイリング技術
なのです。
それを知らずにオーダーすると、
・乾かしてもゆるく広がるだけ
・カールがだらしなく見える
・結局毎日アイロンが必要になる
という現実に直面します。
(しかも最初の画像は間違いなくコテで巻いて仕上げているでアイロン無しでは不可能)
大切なのは出来るスタイルを選ぶこと
ここで大切なのは、
ヘアスタイルは「似合うかどうか」だけでなく、
「自分でできるかどうか」で選ぶことも重要だということです。
どれだけ似合っていても、
自分で再現できなければ、そのスタイルは維持できません。
そして「できるスタイル」とは、
髪質やくせだけで決まるものではありません。
・毎朝どれだけ時間をかけられるか
・ブローやアイロンに慣れているか
・どのようなスタイリング剤を使うのか
・日中の手直しが可能なのか
こうした日常の技術レベルが大きく関わります。
SNSに出てくるヘアスタイルは、
すべてが“完璧なスタイリング”によって作られています。
美容師が時間をかけ、何度も直しながら仕上げています。
その完成形だけを見て
「私もこれにしたい」と思うのは自然ですが、
その工程まで含めて理解している人はほとんどいません。
正直に言えば、
コテ巻き風パーマは、
「パーマをかければ楽になる」という技術ではありません。
むしろ、
毎日コテで巻く人向けのベース作りに近いものです。
朝を楽にしたい人が選ぶスタイルではないのです。
流行っているから。
写真が可愛いから。
周りがやっているから。
その理由だけで選ぶと、
後悔する可能性は高いでしょう。
ヘアスタイルは、
似合うことも大切ですが、
無理なく続けられることの方がもっと大切です。
「自分が本当に扱えるかどうか」
そこまで考えて選ぶことが、
結果的に満足度の高いスタイルにつながります。